原武史(放送大学教授・政治思想史)の書評

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原武史 (放送大学教授・政治思想史)
はら・たけし。1962年東京都生まれ。近現代の天皇・皇室研究のほか、鉄道や団地などの「空間政治学」を提唱。著書に『「民都」大阪対「帝都」東京』(サントリー学芸賞)『滝山コミューン一九七四』(講談社ノンフィクション賞)『昭和天皇』(司馬遼太郎賞)など。

出雲を原郷とする人たち [著]岡本雅享

出雲を原郷とする人たち [著]岡本雅享

■全国の分布、執念の取材で解明  東京の明治神宮には、正月三が日だけで300万人あまりが訪れる。しかし祭神が明治天皇と昭憲皇太后であり、大正時代に建てられた新しい神社だと知っている参詣(さんけい)者は多くないだろう。明………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年02月05日
[ジャンル]人文 社会

日本のマラソンはなぜダメになったのか [著]折山淑美

日本のマラソンはなぜダメになったのか [著]折山淑美

 日本の男子マラソン界は冬の時代が続いている。日本記録は10年以上も更新されていないし、その記録すら世界では70位にも入っていない。かつてお家芸とも呼ばれたマラソンが、なぜここまで凋落(ちょうらく)したのか。本書は宗茂や………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年01月22日
[ジャンル]人文 社会

日本の「アジール」を訪ねて―漂泊民の場所 [著]筒井功

日本の「アジール」を訪ねて―漂泊民の場所 [著]筒井功

■権力が及ばぬ地域の実態たどる  アジールとは、権力の及ばない地域のことである。そうした地域は国家権力が強まる明治以降、しだいに消滅したとされている。しかし本書は、乞食(こじき)やハンセン病者、職業不詳の漂泊民らが集ま………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年01月15日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

物語の向こうに時代が見える [著]川本三郎

物語の向こうに時代が見える [著]川本三郎

 書評という仕事はなかなか難しい。単なる内容の紹介や要約にとどまっていてはいけない。かと言って評者の見解が全面的に出てもいけない。内容に寄り添いつつ、いかにして評者ならではの「読み」ができるかが問われるのだ。  本書は、………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2017年01月08日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

また、桜の国で [著]須賀しのぶ

また、桜の国で [著]須賀しのぶ

■戦争の悲しみ、民族超えて共有  ポーランドの首都ワルシャワの郊外を歩いていると第2次大戦末期の1944年、ナチス・ドイツの占領に対して国内軍が武装蜂起した「ワルシャワ蜂起」の慰霊碑や慰霊塔をよく見かける。だがそれは、………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年12月04日
[ジャンル]文芸 政治

反東京オリンピック宣言 [編]小笠原博毅、山本敦久

反東京オリンピック宣言 [編]小笠原博毅、山本敦久

 大衆が台頭した19世紀のイギリスで、J・S・ミルは「世論の圧制」を打破するため、「人々が普通でないということこそむしろ望ましい」と述べた。だが同時に「今や敢(あ)えて奇矯ならんとする者が極めて稀(ま)れであるということ………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年11月20日
[ジャンル]政治 社会

昭和天皇実録 第七、第八、第九 [編]宮内庁

昭和天皇実録 第七、第八、第九 [編]宮内庁

■戦争中の行動を逐一伝える  2015年3月から刊行が始まった『昭和天皇実録』は、今年9月までにようやく9冊分が刊行された。そのうちの第七、第八、第九は1936年から45年までに当たり、日中戦争と太平洋戦争の時期の昭和………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年11月06日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

クレムリン―赤い城塞の歴史 [著]キャサリン・メリデール

クレムリン―赤い城塞の歴史 [著]キャサリン・メリデール

■時代の栄光、凝縮された空間  周りを2キロあまりの城壁で囲まれ、さまざまな時代の様式による宮殿や聖堂、教会、塔などが林立する空間。それがクレムリンである。決して広いとはいえない空間のなかに、江戸城の本丸や皇居の宮殿や………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年10月09日
[ジャンル]歴史

忘却された支配―日本のなかの植民地朝鮮 [著]伊藤智永

忘却された支配―日本のなかの植民地朝鮮 [著]伊藤智永

■隠された記憶と責任をたどる  もう20年以上も前のことだ。小郡(現・新山口)からJR宇部線に乗った。平凡な車窓風景に見飽きてきた頃、不意に左手の視界が開け、周防灘が現れた。だがそれよりもっと驚いたのは、海岸に点在する………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年09月25日
[ジャンル]歴史 政治

北の富士流 [著]村松友視

北の富士流 [著]村松友視

■数字で評価できない人間的魅力  1972年1月場所8日目、横綱北の富士と関脇貴ノ花の一番を、小学3年だった私はテレビで観戦していた。北の富士が外掛けで倒そうとしたところを貴ノ花が捨て身の上手投げで返し、北の富士の右手………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年08月28日
[ジャンル]歴史 人文

鉄道は誰のものか [著]上岡直見

鉄道は誰のものか [著]上岡直見

■「交通は人権」の視点に立つ評論  ブルートレインなどの廃止が発表されると、駅のホームには「最後の雄姿」を撮ろうとマニアが詰めかける。鉄道会社が決めたことは既成の事実となり、誰も批判しようとはしない。また鉄道ライターの………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年08月21日
[ジャンル]経済

三島由紀夫 幻の皇居突入計画 [著]鈴木宏三

三島由紀夫 幻の皇居突入計画 [著]鈴木宏三

■理想としての天皇を守るとは  1960年代後半は、学生運動が高揚した時代だった。68年10月21日の国際反戦デーで騒乱の巷(ちまた)と化した東京を見た三島由紀夫は、その1年後に同様の光景が再び現れ、自衛隊が治安出動す………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年07月24日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

日本の女性議員―どうすれば増えるのか [編著]三浦まり

日本の女性議員―どうすれば増えるのか [編著]三浦まり

■低レベルの比率、政治風土映す  現在、衆議院の女性議員比率は9・5%で191カ国中156位、台湾を加えると192カ国・地域中157位という最低レベルにある。地方議会はもっと深刻で、全体の2割を超える市町村議会ではいま………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年06月26日
[ジャンル]政治 社会

求愛 [著]瀬戸内寂聴

求愛 [著]瀬戸内寂聴

 私が自ら女性になることはないし、90歳を超えて生き続けることもないと考えている。だから瀬戸内寂聴のように、90歳を超えても活躍し続ける女性というのは、自分から最も遠く離れたところにいるものと思い込んでいた。  掌編小説………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年06月19日
[ジャンル]文芸

亡き人へのレクイエム [著]池内紀

亡き人へのレクイエム [著]池内紀

■生死を超え親しく言葉交わす  同じ電車に乗り合わせた客たちとは、同じ時間を生きている。だがそのうちの一人として名前すら知らない。逆に愛読している本の著者は、もうこの世にいなかったりする。限られた人生のなかで実際に出会………[もっと読む]

[評者]原武史(放送大学教授・政治思想史)
[掲載]2016年06月12日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

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