吉岡桂子(本社編集委員)の書評

写真:吉岡桂子さん

吉岡桂子 (本社編集委員)
1964年岡山県生まれ。山陽放送を経て89年朝日新聞入社。和歌山、大阪、東京で記者生活を送り、計7年間にわたり中国(北京・上海)特派員。著書に『問答有用 中国改革派19人に聞く』『愛国経済 中国の全球化』。

困難な選択(上・下) [著]ヒラリー・ロダム・クリントン

困難な選択(上・下) [著]ヒラリー・ロダム・クリントン

■女性初の米大統領? 実績と自信  来年秋の米国大統領選に再び立候補するヒラリー・クリントン氏(67)の回顧録である。弁護士、ファーストレディー、上院議員、そしてオバマ政権の一期目で外交・安全保障の要となる国務長官を務………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2015年06月21日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

セルデンの中国地図―消えた古地図400年の謎を解く [著]ティモシー・ブルック

セルデンの中国地図―消えた古地図400年の謎を解く [著]ティモシー・ブルック

■自由な海こそ富や文化の源泉  雲のように波がうねる緑がかった海原を、中国沿岸部と東南アジアの島々が取り囲む。淡い砂色の陸地には、薄い青と茶に塗られた山々。シダや竹、アヤメが繊細に描かれ、ゴビ砂漠にはチョウが舞う。心象………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2015年06月07日
[ジャンル]歴史

遠すぎた家路 戦後ヨーロッパの難民たち [著] ベン・シェファード

遠すぎた家路 戦後ヨーロッパの難民たち [著] ベン・シェファード

■数百万人、大戦最大の「後遺症」  欧州は歴史のかさぶたに覆われている。乾いて癒えたように見える皮膚もあれば、血がにじんでいる傷口もある。  その一枚をめくると、第2次世界大戦が欧州に残した数百万人の難民の苦難の物語が………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2015年05月17日
[ジャンル]歴史 国際

対華二十一カ条要求とは何だったのか—第一次世界大戦と日中対立の原点 [著]奈良岡聰智

対華二十一カ条要求とは何だったのか—第一次世界大戦と日中対立の原点 [著]奈良岡聰智

■報道と世論が衝突をあおった  日本史の教科書でいえば1頁(ページ)ほどの記述なのに、中国では日本から屈辱的な要求をのまされた「国恥(こくち)記念日」として語り継がれる日がある。1915年5月9日。まもなく100年を迎………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2015年04月26日
[ジャンル]社会

環りの海—竹島と尖閣—国境地域からの問い [著]琉球新報、山陰中央新報

環りの海—竹島と尖閣—国境地域からの問い [著]琉球新報、山陰中央新報

■暮らす人々の目に映るもの  立つ位置しだいで視点が変わる。暮らす場所によって、風景は変わる。国境の海は地図の上では線が引かれているが、そこで暮らす人の目に映るのは生活をはぐくみ、ゆさぶる波である。  この本は、日本と………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2015年04月19日
[ジャンル]社会

外交ドキュメント—歴史認識 [著]服部龍二

外交ドキュメント—歴史認識 [著]服部龍二

■将来語る前に顧みるべき過去  本書は、歴史教科書、靖国神社の参拝や従軍慰安婦、河野談話や村山談話などの「歴史問題」について、日本外交の視点から、政策の決定過程をたどる。1980年代以降の中国や韓国との関係を中心に振り………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2015年03月01日
[ジャンル]歴史 国際

プーチンはアジアをめざす [著]下斗米伸夫/アジア・太平洋のロシア [著]加藤美保子

プーチンはアジアをめざす [著]下斗米伸夫/アジア・太平洋のロシア [著]加藤美保子

■中国の存在の大きさ浮かぶ  ベテランのロシア専門家が豊富な蓄積から自在に見立てを展開した新書。かたや、30代の研究者が博士論文をもとに分析を積み上げた初めての単著。両書に共通するキーワードは、アジアだ。  冷戦終結後………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2015年02月08日
[ジャンル]国際

敗者の身ぶり―ポスト占領期の日本映画 [著]中村秀之

敗者の身ぶり―ポスト占領期の日本映画 [著]中村秀之

■重みを消化しようとするしぐさ  あの時代の日本社会の空気を知りたくて、手に取った。映画は、新聞の縮刷版とは違うにおいの歴史を見せてくれると思ったからだ。  この本は、日本が第2次世界大戦の敗戦後、連合国の占領から脱し………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2015年01月11日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

〈報道写真〉と戦争―一九三〇—一九六〇 [著]白山眞理

〈報道写真〉と戦争―一九三〇—一九六〇 [著]白山眞理

■国家と写真家たちの距離  本書は、満州事変で始まった1930年代から戦争の影をひきずる60年代まで、理想と現実に揺れつつも時代と社会に寄り添った写真家たちの物語である。名取洋之助、木村伊兵衛、土門拳らの生きざまを通じ………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2014年12月21日
[ジャンル]歴史

重層的地域としてのアジア—対立と共存の構図 [著]大庭三枝

重層的地域としてのアジア—対立と共存の構図 [著]大庭三枝

■複雑に折り重なり、「共同体」へ  とかくアジアはややこしい。  アジア太平洋、東アジア、東南アジア、北東アジア……。境界は幾重にも交錯する。さらに、それぞれを基盤に、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、東アジアサミ………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2014年12月14日
[ジャンル]社会

革命のつくり方 台湾ひまわり運動――対抗運動の創造性 [著]港千尋

革命のつくり方 台湾ひまわり運動――対抗運動の創造性 [著]港千尋

■閉じこめられていた声を解放  香港で抵抗の雨傘がひらく半年ほど前、台湾には見事なひまわりが咲いていた。  台北で3月18日夜から23日間、日本でいえば国会議事堂にあたる立法院が学生たちに占拠された。中国とサービス業を………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2014年11月30日
[ジャンル]社会

パンダ—ネコをかぶった珍獣 [著]倉持浩

パンダ—ネコをかぶった珍獣 [著]倉持浩

■飼育係が観察した生態、舞台裏  パンダは、基本的にはただのクマだ。  上野動物園でパンダの飼育係に「意に反して」なってしまった著者の言葉に、ぐっときた。40歳になるいまも、自宅の近くや園内で虫を探しているという、動物………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2014年11月16日
[ジャンル]科学・生物

開発主義の時代へ1972—2014 シリーズ中国近現代史(5) [著]高原明生、前田宏子

開発主義の時代へ1972—2014 シリーズ中国近現代史(5) [著]高原明生、前田宏子

■経済も外交も権力維持最優先  中華人民共和国が台湾に代わって国際連合に加盟した直後から現在にいたる42年間を、本書は開発主義の時代と呼ぶ。人々の欲望をエンジンとした経済成長が共産党の統治を支え、情報統制のもとで醸成し………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2014年10月26日
[ジャンル]歴史

出使日記の時代——清末の中国と外交 [著]岡本隆司、箱田恵子、青山治世

出使日記の時代——清末の中国と外交 [著]岡本隆司、箱田恵子、青山治世

■列強支配に揺れ動く外交官  大使ら外交官が赴任先の政治、経済、社会情勢や相手国との交渉について、本国・外務省への報告を前提に書いた日々の記録。「出使日記」をいまふうに言えばこうなる。その意味で、日記といえども私的なも………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2014年10月05日
[ジャンル]歴史

満蒙―日露中の「最前線」 [著]麻田雅文

満蒙―日露中の「最前線」 [著]麻田雅文

■鉄道利権めぐる三カ国の関係史  東へと膨張したロシアが敷いたシベリア鉄道につながる中東鉄道。その一部を日本が日露戦争の戦果として獲得した南満州鉄道(満鉄)。「満蒙」と呼ばれた中国の東北地方と内モンゴルを走る鉄道の利権………[もっと読む]

[評者]吉岡桂子(本社編集委員)
[掲載]2014年09月28日
[ジャンル]歴史

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