円城塔  (作家)の書評

写真:円城塔  さん

円城塔  (作家)
えんじょう・とう。作家。2016年春より書評委員。

人はこうして「食べる」を学ぶ [著]ビー・ウィルソン

人はこうして「食べる」を学ぶ [著]ビー・ウィルソン

■体が求めるもの、選びとる技術  終章で著者はこう記す。 「食べることは技術である」  本書が示すのは、食べることは本人の嗜好(しこう)に加えて習慣や文化の影響が大きいという事実である。  たとえば、幼児に様々な食品を………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年05月07日
[ジャンル]医学・福祉

系外惑星と太陽系 [著]井田茂

系外惑星と太陽系 [著]井田茂

 夜空に浮かぶ星のまわりにも、惑星が回っているのかどうか。  実に1995年になるまでこの問いの答えはわからなかった。現在では、それ以前の観測技術によっても太陽系とは別の惑星系の発見が可能だったとわかっている。  観測の………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年04月23日
[ジャンル]科学・生物

時間のないホテル[著]ウィル・ワイルズ

時間のないホテル[著]ウィル・ワイルズ

■未来かホラーか、巨大建築の怪  カンファレンスというのはなかなか日本語にしにくい単語で、会議、研究会、セミナー、見本市など多様なものに使われる。  一口にカンファレンス・センターといっても、数千人から数万人、場合によ………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年04月09日
[ジャンル]文芸

ゴジラ幻論―日本産怪獣類の一般と個別の博物誌 [著]倉谷滋

ゴジラ幻論―日本産怪獣類の一般と個別の博物誌 [著]倉谷滋

■フィクションが導く科学の世界  ゴジラを中心に、怪獣を形態学的、進化発生生物学的に考察する本である。  形態学という言葉はあまり耳にしたことがないかもしれない。おおざっぱにいってしまえば、生き物の体をじっくりと観察す………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]科学・生物

脳はなぜ都合よく記憶するのか―記憶科学が教える脳と人間の不思議 [著]ジュリア・ショウ

脳はなぜ都合よく記憶するのか―記憶科学が教える脳と人間の不思議 [著]ジュリア・ショウ

■あなたの思い出、本物ですか?  人間誰しも、自分の記憶力に自信を持っているものだ。メモなんて不要だと思いがちだし、自分の意見はずっと一貫しているとつい考える。  ここで、どうしてそう信じられるのかと問われると、意外に………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]医学・福祉

自生の夢 [著]飛浩隆

自生の夢 [著]飛浩隆

■「すこし・ふしぎ」な思弁的小説  飛浩隆、十年ぶりの作品集である。七編を収録し、これで二〇〇二年以降に発表された短編、中編のうち、書籍に未収録のもの全てとなる。  寡作であるが、収録作のうち二作は、SF読者のファン投………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年02月19日
[ジャンル]文芸

10分後にうんこが出ます―排泄予知デバイス開発物語 [著]中西敦士

10分後にうんこが出ます―排泄予知デバイス開発物語 [著]中西敦士

 うんこは直接的に感情にゆさぶりかけてくる。うんこときくと誰もが顔をしかめたり、軽く笑い出したりするものだ。  著者はそんなうんこが出るタイミングを教えてくれる、携帯可能な装置をつくろうと試みる。資金を集め、試作機をつく………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年02月12日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ユリシーズ 1−12 [著]ジェイムズ・ジョイス

ユリシーズ 1−12 [著]ジェイムズ・ジョイス

■柳瀬尚紀の翻訳が切り開いた道  まだまだ小さかった頃、同じ本に複数の翻訳版があることに戸惑いを覚えた記憶がある。言葉を正確に翻訳すれば、訳文は同じになるはずではないかと素朴に信じていたらしい。  世の中には、複数の翻………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年02月05日
[ジャンル]文芸 人文

HERE―ヒア [著]リチャード・マグワイア

HERE―ヒア [著]リチャード・マグワイア

■過去へ未来へ、謎の定点観測  原著で2014年刊行の本書を、もっと早くに知らなかったのは不覚である。一瞬でも早く見ていれば、そのぶん、余計に惑うことなく人生をより楽しめたはずだと思う。  イラストと呼ぶか漫画と呼ぶか………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年01月22日
[ジャンル]文芸 アート・ファッション・芸能

アメリカーナ [著]チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ

アメリカーナ [著]チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ

■移住が身近な時代の差別と日常  主人公のイフェメルはナイジェリア生まれ。西アフリカに位置するナイジェリアは、経済的な破綻(はたん)で話題に上がることが多いが、高校時代を、まずまず平和に暮らすことができた。  イギリス………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年01月08日
[ジャンル]文芸

未来政府―プラットフォーム民主主義 [著]ギャビン・ニューサム、リサ・ディッキー/経済学者 日本の最貧困地域に挑む―あいりん改革 3年8カ月の全記録 [著]鈴木亘

未来政府―プラットフォーム民主主義 [著]ギャビン・ニューサム、リサ・ディッキー/経済学者 日本の最貧困地域に挑む―あいりん改革 3年8カ月の全記録 [著]鈴木亘

■情報で社会が変わる二つの事例  情報技術の発達により、日常的に政治の話が目に入るようになってきた。失策が話題となって、多くの人の怒りをかきたてたかと思うと、すぐに別の話題があとへと続く。  ここに素朴な疑問があって、………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年11月27日
[ジャンル]政治 社会

クモの糸でバイオリン [著]大崎茂芳

クモの糸でバイオリン [著]大崎茂芳

 身の回りに、分解できるような電化製品は少なくなった。科学といってもなんだか細かな話か、抽象的なものばかりである。自由研究の題材にも困る。  と、ここに、クモの糸をひたすら集めてぶらさがってみた人がいる。ちなみに糸を、十………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年11月06日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

デジタル・ゴールド―ビットコイン、その知られざる物語 [著]ナサニエル・ポッパー

デジタル・ゴールド―ビットコイン、その知られざる物語 [著]ナサニエル・ポッパー

■ネット上の通貨、手作りの誕生  ビットコインと呼ばれるデジタル通貨、あるいは仮想通貨、それとも暗号通貨の名前をきいたことのある人は多いはずである。  このビットコインなるものが「サトシ・ナカモト」を名乗る正体不明の人………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年10月30日
[ジャンル]経済

すべての見えない光 [著]アンソニー・ドーア

すべての見えない光 [著]アンソニー・ドーア

■重なり響き合う少年少女の時間  世の中にはまれに、読み終えるのが惜しい小説がある。そうしてさらにごくまれに、ひとつひとつの段落を読み終えるのが惜しくなる小説がある。本書はそんな、たぐいまれな作品のひとつである。  物………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年10月09日
[ジャンル]文芸

ユリシーズを燃やせ [著]ケヴィン・バーミンガム

ユリシーズを燃やせ [著]ケヴィン・バーミンガム

■発禁・密輸の本が古典になった  アメリカへの持ち込みが禁止された。ついてはカナダ経由の輸送が計画され、アーネスト・ヘミングウェイが密輸業者を紹介した。  まるで兵器か麻薬の話のようだが、一冊の本をめぐる挿話である。 ………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年10月02日
[ジャンル]文芸

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