円城塔  (作家)の書評

写真:円城塔  さん

円城塔  (作家)
えんじょう・とう。作家。2016年春より書評委員。

ゴジラ幻論―日本産怪獣類の一般と個別の博物誌 [著]倉谷滋

ゴジラ幻論―日本産怪獣類の一般と個別の博物誌 [著]倉谷滋

■フィクションが導く科学の世界  ゴジラを中心に、怪獣を形態学的、進化発生生物学的に考察する本である。  形態学という言葉はあまり耳にしたことがないかもしれない。おおざっぱにいってしまえば、生き物の体をじっくりと観察す………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年03月19日
[ジャンル]科学・生物

脳はなぜ都合よく記憶するのか―記憶科学が教える脳と人間の不思議 [著]ジュリア・ショウ

脳はなぜ都合よく記憶するのか―記憶科学が教える脳と人間の不思議 [著]ジュリア・ショウ

■あなたの思い出、本物ですか?  人間誰しも、自分の記憶力に自信を持っているものだ。メモなんて不要だと思いがちだし、自分の意見はずっと一貫しているとつい考える。  ここで、どうしてそう信じられるのかと問われると、意外に………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年03月05日
[ジャンル]医学・福祉

自生の夢 [著]飛浩隆

自生の夢 [著]飛浩隆

■「すこし・ふしぎ」な思弁的小説  飛浩隆、十年ぶりの作品集である。七編を収録し、これで二〇〇二年以降に発表された短編、中編のうち、書籍に未収録のもの全てとなる。  寡作であるが、収録作のうち二作は、SF読者のファン投………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年02月19日
[ジャンル]文芸

10分後にうんこが出ます―排泄予知デバイス開発物語 [著]中西敦士

10分後にうんこが出ます―排泄予知デバイス開発物語 [著]中西敦士

 うんこは直接的に感情にゆさぶりかけてくる。うんこときくと誰もが顔をしかめたり、軽く笑い出したりするものだ。  著者はそんなうんこが出るタイミングを教えてくれる、携帯可能な装置をつくろうと試みる。資金を集め、試作機をつく………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年02月12日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ユリシーズ 1−12 [著]ジェイムズ・ジョイス

ユリシーズ 1−12 [著]ジェイムズ・ジョイス

■柳瀬尚紀の翻訳が切り開いた道  まだまだ小さかった頃、同じ本に複数の翻訳版があることに戸惑いを覚えた記憶がある。言葉を正確に翻訳すれば、訳文は同じになるはずではないかと素朴に信じていたらしい。  世の中には、複数の翻………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年02月05日
[ジャンル]文芸 人文

HERE―ヒア [著]リチャード・マグワイア

HERE―ヒア [著]リチャード・マグワイア

■過去へ未来へ、謎の定点観測  原著で2014年刊行の本書を、もっと早くに知らなかったのは不覚である。一瞬でも早く見ていれば、そのぶん、余計に惑うことなく人生をより楽しめたはずだと思う。  イラストと呼ぶか漫画と呼ぶか………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年01月22日
[ジャンル]文芸 アート・ファッション・芸能

アメリカーナ [著]チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ

アメリカーナ [著]チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ

■移住が身近な時代の差別と日常  主人公のイフェメルはナイジェリア生まれ。西アフリカに位置するナイジェリアは、経済的な破綻(はたん)で話題に上がることが多いが、高校時代を、まずまず平和に暮らすことができた。  イギリス………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2017年01月08日
[ジャンル]文芸

未来政府―プラットフォーム民主主義 [著]ギャビン・ニューサム、リサ・ディッキー/経済学者 日本の最貧困地域に挑む―あいりん改革 3年8カ月の全記録 [著]鈴木亘

未来政府―プラットフォーム民主主義 [著]ギャビン・ニューサム、リサ・ディッキー/経済学者 日本の最貧困地域に挑む―あいりん改革 3年8カ月の全記録 [著]鈴木亘

■情報で社会が変わる二つの事例  情報技術の発達により、日常的に政治の話が目に入るようになってきた。失策が話題となって、多くの人の怒りをかきたてたかと思うと、すぐに別の話題があとへと続く。  ここに素朴な疑問があって、………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年11月27日
[ジャンル]政治 社会

クモの糸でバイオリン [著]大崎茂芳

クモの糸でバイオリン [著]大崎茂芳

 身の回りに、分解できるような電化製品は少なくなった。科学といってもなんだか細かな話か、抽象的なものばかりである。自由研究の題材にも困る。  と、ここに、クモの糸をひたすら集めてぶらさがってみた人がいる。ちなみに糸を、十………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年11月06日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

デジタル・ゴールド―ビットコイン、その知られざる物語 [著]ナサニエル・ポッパー

デジタル・ゴールド―ビットコイン、その知られざる物語 [著]ナサニエル・ポッパー

■ネット上の通貨、手作りの誕生  ビットコインと呼ばれるデジタル通貨、あるいは仮想通貨、それとも暗号通貨の名前をきいたことのある人は多いはずである。  このビットコインなるものが「サトシ・ナカモト」を名乗る正体不明の人………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年10月30日
[ジャンル]経済

すべての見えない光 [著]アンソニー・ドーア

すべての見えない光 [著]アンソニー・ドーア

■重なり響き合う少年少女の時間  世の中にはまれに、読み終えるのが惜しい小説がある。そうしてさらにごくまれに、ひとつひとつの段落を読み終えるのが惜しくなる小説がある。本書はそんな、たぐいまれな作品のひとつである。  物………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年10月09日
[ジャンル]文芸

ユリシーズを燃やせ [著]ケヴィン・バーミンガム

ユリシーズを燃やせ [著]ケヴィン・バーミンガム

■発禁・密輸の本が古典になった  アメリカへの持ち込みが禁止された。ついてはカナダ経由の輸送が計画され、アーネスト・ヘミングウェイが密輸業者を紹介した。  まるで兵器か麻薬の話のようだが、一冊の本をめぐる挿話である。 ………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年10月02日
[ジャンル]文芸

〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則 [著]ケヴィン・ケリー 人間さまお断り―人工知能時代の経済と労働の手引き [著]ジェリー・カプラン

〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則 [著]ケヴィン・ケリー 人間さまお断り―人工知能時代の経済と労働の手引き [著]ジェリー・カプラン

■進む技術、急激な変化に人類は  技術の進歩にはどこかバカバカしいところがあって、空を飛ぶ乗り物とか、言葉をしゃべる箱だとか、いまだに信じられない人もいるはずである。  二十年前には、手帳大の機械で百科事典や地球全体の………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年09月11日
[ジャンル]人文 科学・生物 IT・コンピューター

三十八年戦争と蝦夷政策の転換 [編]鈴木拓也

三十八年戦争と蝦夷政策の転換 [編]鈴木拓也

 日本の歴史と言われると、近畿地方を中心とした風景が浮かびがちだが、しかしもちろん、日本列島全域には有史以前から人が暮らしていたのである。  本巻で完結した「東北の古代史」シリーズは、東北地方における最新の古代史研究をま………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年08月21日
[ジャンル]歴史

ニューヨークタイムズの数学―数と式にまつわる、110の物語 [編]ジーナ・コラータ

ニューヨークタイムズの数学―数と式にまつわる、110の物語 [編]ジーナ・コラータ

■百年間の記事から選りすぐり  数学者の発見が物理学者に伝わるには、五十年から百年の時間がかかるといわれたりする。日常の話題に顔を出すまでとなるとさらに時間が必要となる。  本書には、ニューヨークタイムズ紙に掲載された………[もっと読む]

[評者]円城塔  (作家)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]歴史 社会

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