横尾忠則(美術家)の書評

写真:横尾忠則さん

横尾忠則 (美術家)
よこお・ただのり。1936年兵庫県生まれ。60年代からグラフィックデザイナーとして活躍、80年に画家に転向。画集に『赤の魔笛』『横尾忠則Y字路』『人工庭園』、随想や絵画論に『インドへ』『名画感応術』、対談集に『芸術ウソつかない』、小説に『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)など。

異世界の書―幻想領国地誌集成 [編著]ウンベルト・エーコ

異世界の書―幻想領国地誌集成 [編著]ウンベルト・エーコ

■地球の神秘を衒学的にガイド  人は宇宙に存在しないものを創造することは不可能である、と言った人がいた。創造の源泉は無からではなく有からであると。我々が認識する現実世界は全て物質からなり、非物質的世界は存在しないことに………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年11月22日
[ジャンル]人文

日本人にとって美しさとは何か [著]高階秀爾

日本人にとって美しさとは何か [著]高階秀爾

■東西で異なる自然観、美意識  冒頭いきなり、日本人と西洋人の美意識の差異が「言葉とイメージ」という主題で、日本は自然に、西洋は反自然に従うという、二つの感性の比較から語られる。  西洋では言葉とイメージを分離して考え………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年11月01日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

吾輩は猫画家である―ルイス・ウェイン伝 [著]南條竹則

吾輩は猫画家である―ルイス・ウェイン伝 [著]南條竹則

■漱石も見た?「猫たちの楽園」  本書の主人公ルイス・ウェインは、夏目漱石が留学したころの英国で人気絶頂だった挿絵画家で、「吾輩(わがはい)は猫である」に貢献したかもしれないと知れば、多少の好奇心も湧いてこよう。  猫………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年09月20日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 新書

鴨居玲 死を見つめる男 [著] 長谷川智恵子

鴨居玲 死を見つめる男 [著] 長谷川智恵子

■伝説の画家、芸術ゆえの孤独  鴨居玲は没後、伝説の画家になったのではなく、生前から彼は伝説の人だった。彼に接した大抵の人は彼の不思議な磁力に魅入られ、誰もが彼に会いたがったようだ。本書は画家の作品を論じるより、もっぱ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年07月05日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

マグリット事典 [編著]C・グリューネンベルク、D・ファイ

マグリット事典 [編著]C・グリューネンベルク、D・ファイ

 野崎武夫訳、創元社・3780円/本書の原書は、ルネ・マグリット(1898〜1967)の欧州での展覧会開催(2011〜12)に伴い、編集された。この欄は絵による批評です。 [もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年06月21日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

芹沢光治良戦中戦後日記 [著]芹沢光治良

芹沢光治良戦中戦後日記 [著]芹沢光治良

■いい小説を書くことが命の証し  真珠湾攻撃による太平洋戦争開戦の年の1月から終戦後3年までの「死路を辿(たど)る」想(おも)いで綴(つづ)った日記である。  連日連夜「日本中の空がB29でおおわれたよう」な空襲下で死………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年05月24日
[ジャンル]歴史 文芸 人文

アーティストが愛した猫 [著]アリソン・ナスタシ

アーティストが愛した猫 [著]アリソン・ナスタシ

■とっておきツーショット写真集  私事ながら、昨年愛猫タマの死のあと体調に異変をきたしたほど僕にとっては猫は生活必需品であります。猫不在の生活は実に味気なく憂いを伴うのである。  本書に登場する55人のアーティストは猫………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年05月03日
[ジャンル]文芸

ある日の画家—それぞれの時 [著]酒井忠康

ある日の画家—それぞれの時 [著]酒井忠康

■能の旅僧のごとく、想いの丈引き出す  画家に転向した35年前、美術評論家の故・東野芳明氏に「君は今の美術的動向しか知らない」と頭から水を浴びせられたことがあって、あわを食って西洋美術史を繙(ひもと)いたものだ。そして………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年04月19日
[ジャンル]文芸 人文

老耄と哲学―思うままに [著]梅原猛

老耄と哲学―思うままに [著]梅原猛

■遊びと自由と笑い、原動力に  有象無象、森羅万象、永久不変の造化を著者の驚異の好奇心に巻き込んで、ぐるぐる回転させる万華鏡を覗(のぞ)いているような言葉と思想を、23年間、新聞のコラムに連載し、今年90歳を迎えた著者………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年04月12日
[ジャンル]文芸

寝ても覚めても夢 [著]ミュリエル・スパーク

寝ても覚めても夢 [著]ミュリエル・スパーク

■映画監督の周囲はハチャメチャ  有名映画監督を主人公にした映画制作の現場に巻き起こるスラップスティックな事件の数々は監督を核に網の目のように、連鎖的に周囲の人間を巻き込みながらあらぬ方向に「物語」を展開させ、撮影中に………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年03月15日
[ジャンル]文芸

「講談社の絵本」の時代—昭和残照記 [著]永峯清成

「講談社の絵本」の時代—昭和残照記 [著]永峯清成

■克明な記憶、驚異的な観察力  「講談社の絵本」は昭和11(1936)年、僕の生誕年に創刊、翌12年には年間45冊と驚異的な刊行数に達した。当時の一流画家を総動員、子供の絵本ではこれ以上の贅沢(ぜいたく)はない。企画に………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年03月08日
[ジャンル]歴史 社会

詩的で超常的な調べ—霊界の楽聖たちが私に授けてくれたもの [著]ローズマリー・ブラウン

詩的で超常的な調べ—霊界の楽聖たちが私に授けてくれたもの [著]ローズマリー・ブラウン

■死んだ作曲家たちの「新作」!?  すでに亡くなった著名楽聖が次々と著者に口述筆記をさせながら霊界から新作を送ってくる。その一団のリーダー格のフランツ・リストが計画した霊界プロジェクトであり、それを受信して克明に記録し………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年02月08日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

偽装された自画像—画家はこうして嘘をつく [著]冨田章

偽装された自画像—画家はこうして嘘をつく [著]冨田章

■自らを死者としてさえ描く確信犯  なぜ画家は自画像を描きたがるのだろう。という僕も例外ではない。自画像を描くことは自らを「偽装する」ことで「画家はこうして嘘(うそ)をつく」と本書は断言する。  ちょ、ちょっと待って下………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年01月25日
[ジャンル]人文

鳥たち [著]よしもとばなな

鳥たち [著]よしもとばなな

■磁石のように魂を引き合う2人  この物語は惑星の内部が空洞になっている世界でのできごとのように僕は空想する。空洞の内部の壁には駅前も並木道も、2人の思い出のシャスタやサンフランシスコ、セドナの地もしっかりへばりついて………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2015年01月18日
[ジャンル]文芸

ネコ学入門—猫言語・幼猫体験・尿スプレー [著]クレア・ベサント

ネコ学入門—猫言語・幼猫体験・尿スプレー [著]クレア・ベサント

■実は人がしつけられている  つい最近わが家の猫が死んだが、もっと早く本書と出会っていれば後悔も反省もせずに猫に評価される人間になれたかも。猫にとって魅力的な存在になることは、人間社会においても好感の持てる価値ある存在………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2014年11月23日
[ジャンル]科学・生物

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る