後藤正治(ノンフィクション作家)の書評

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後藤正治 (ノンフィクション作家)
1946年京都府生まれ。神戸夙川学院大学学長、教授。著書に『空白の軌跡―心臓移植に賭けた男たち』(潮ノンフィクション賞)『遠いリング』(講談社ノンフィクション賞)『リターンマッチ』(大宅賞)『清冽―詩人茨木のり子の肖像』(桑原武夫学芸賞)など。

無理難題「プロデュース」します―小谷正一伝説 [著]早瀬圭一

無理難題「プロデュース」します―小谷正一伝説 [著]早瀬圭一

■野人の群像、過ぎた時代への挽歌  井上靖の芥川賞受賞作品『闘牛』は、毎日新聞大阪本社時代の同僚で、事業部にいた小谷正一(こたにまさかず)がモデルであることは知られてきた。本書は、小谷の波乱に富んだ仕事人生をたどった評………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年09月18日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

画文集 炭鉱(ヤマ)に生きる―地の底の人生記録 [著]山本作兵衛

画文集 炭鉱(ヤマ)に生きる―地の底の人生記録 [著]山本作兵衛

■過酷な世界、たくましき生活力  北海道・夕張で炭鉱事故が相次いだ頃、何度か当地に入った。こっそり地底の切羽(きりは)(採炭現場)まで連れていってくれた坑夫がいた。取材者の私を泊めてくれた下請けの組夫もいた。悲痛極まる………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年09月11日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

新藤兼人伝 [著]小野民樹/新藤兼人 私の十本 [著]立花珠樹

新藤兼人伝 [著]小野民樹/新藤兼人 私の十本 [著]立花珠樹

■1世紀に及ぶ私史、作品に色濃く投影  この夏、99歳を数える映画監督新藤兼人の最後の作品「一枚のハガキ」が公開された。『新藤兼人伝』は、白寿にしてなお現役にある監督の評伝であるが、同時に、時代ごとの、映画制作の現場を………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年09月04日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

水の透視画法 [著]辺見庸

水の透視画法 [著]辺見庸

 いま言葉が立ち上がって食い込んでくる稀有(けう)の書き手が辺見庸である。3年にわたり共同通信より地方紙に配信されたエッセーがまとめられた。時事問題も取り上げられてはいるが、それは素材であって、思考は事象の根底へ、そして………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年07月31日
[ジャンル]文芸

調査報道がジャーナリズムを変える [編]田島泰彦・山本博・原寿雄

調査報道がジャーナリズムを変える [編]田島泰彦・山本博・原寿雄

■力ある報道は手作りの仕事から  新聞、テレビ、ネット……日々、情報とニュースはあふれているが、歯応えある報道と接することは案外と少ない。本格的な調査報道もまた少なくなった。本書は、調査報道を担ってきた記者やメディア研………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年07月24日
[ジャンル]社会

津波と原発 [著]佐野眞一

津波と原発 [著]佐野眞一

  ■胸に食い込む被害者たちの肉声  ニュース一段落して関連本並ぶ——大事件後の常であるが、東日本大震災もまたそのような時期を迎えている。腕力ある書き手・佐野眞一の著ということで手に取った。駆け足ながら現地を歩き、論考を………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年07月03日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

プラハ侵攻 1968 [著]ジョセフ・クーデルカ

プラハ侵攻 1968 [著]ジョセフ・クーデルカ

■何が起きたか雄弁に語る顔  1968年、東欧社会主義圏のチェコで「プラハの春」が巻き起こった。スローガンは「人間の顔をした社会主義」。チェコ共産党内改革派が主導する「歴史的実験」だったが、世界的共感をもって迎えられた………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年06月26日
[ジャンル]歴史 国際

複眼で見よ [著]本田靖春

複眼で見よ [著]本田靖春

■正義感と弱き者へのまなざし  本田靖春氏が亡くなってはや6年が経つが、単行本に未収録の作品が一冊にまとめられた。折々、雑誌に掲載されたものであるが、本田靖春という書き手の視座と人となりがくっきりと伝播(でんぱ)してく………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年05月29日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

公共放送BBCの研究 [編著]原麻里子・柴山哲也

公共放送BBCの研究 [編著]原麻里子・柴山哲也

■穏やかなナショナリズムを涵養  NHKでBBC(英国放送協会)のドキュメンタリーを見た日がある。カナダの山中で、一人、樵(きこり)となって暮らすベトナム帰還兵の日々を追った作品であったが、戦争の傷痕がひしひしと伝わる………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年05月22日
[ジャンル]人文 社会

ホームレス歌人のいた冬 [著]三山喬著

ホームレス歌人のいた冬 [著]三山喬著

■寄る辺なき現代の断層を照射  (柔らかい時計)を持ちて炊き出しのカレーの列に二時間並ぶ (ホームレス)公田耕一  朝日新聞の歌壇欄にこの短歌が載ったのは2008年12月のこと。以降、公田の寄せる歌は選者によってしばし………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年05月08日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

証拠改竄―特捜検事の犯罪 [著]朝日新聞取材班

証拠改竄―特捜検事の犯罪 [著]朝日新聞取材班

■秘匿した「G」作戦  久々、スクープらしいスクープだった。  2010年9月21日付の朝日新聞朝刊に「検事 押収資料改ざんか」の大見出しが載った。郵便割引制度に関する偽の証明書発行事件にかかわって、村木厚子・厚生労働………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年05月01日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ブラジルの流儀 [編著]和田昌親

ブラジルの流儀 [編著]和田昌親

■資源とハイテクで躍進の元気社会  経済破綻(はたん)のどん底にあえいでいた時期、「もうアマゾンを売るしかない」とまでいわれたブラジルがいま元気だ。高金利に引き寄せられて世界のカネが流入し、サッカーのワールドカップやリ………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年04月10日
[ジャンル]経済 新書 国際

ジーン・セバーグ [著]ギャリー・マッギー

ジーン・セバーグ [著]ギャリー・マッギー

■柔らかくて、もろい心の持ち主  ショートカットに乗った紳士帽。あぐらを組んでベッドに座り、指先からは紫煙が立ち上っている。なんともアンバランスな、それでいてチャーミングに映る美少女だった。ゴダール監督の「勝手にしやが………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年04月03日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

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