荒俣宏(作家)の書評

写真:荒俣宏さん

荒俣宏 (作家)
1947年東京都生まれ。博物学者、翻訳家。著書に『帝都物語』(日本SF大賞)『世界大博物図鑑』(第2巻「魚類」サントリー学芸賞)『日本妖怪巡礼団』『白樺記』『セクシーガールの起源』『アラマタ図像館』『江戸の醍醐味』、訳書にラヴクラフト『ク・リトル・リトル神話集』など。

有害コミック撲滅!―アメリカを変えた50年代「悪書」狩り [著]デヴィッド・ハジュー

有害コミック撲滅!―アメリカを変えた50年代「悪書」狩り [著]デヴィッド・ハジュー

■文化破壊を恐れヒーローも悪に  1950年代にアメリカン・コミックは撲滅運動に襲われた。この問題を、同時期に発生した「赤狩り」旋風と比較しながら論じたのが、本書のおもしろさである。  この時期アメリカは青少年に害をな………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2012年08月05日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

絵はがきの別府―古城俊秀コレクションより [著]松田法子 [監修]古城俊秀

絵はがきの別府―古城俊秀コレクションより [著]松田法子 [監修]古城俊秀

■画像で辿る、温泉都市の発展  明治30年代から昭和初期に黄金時代を迎えた「写真絵はがき」は、写真による画像記録がまだ少なかった時代の風景を、奇跡的に保存した貴重な素材でもある。だが、なにせ土産物や消耗品扱いであったた………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2012年07月15日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能

「腹の虫」の研究 日本の心身観をさぐる [著]長谷川雅雄、辻本裕成、ペトロ・クネヒト、美濃部重克

「腹の虫」の研究 日本の心身観をさぐる [著]長谷川雅雄、辻本裕成、ペトロ・クネヒト、美濃部重克

■妖怪?病原体? 正体探る大捕物  九州国立博物館で『針聞書(はりききがき)』という戦国時代の医学書を見物したことがある。いわゆる「腹の虫」を扱った珍しい図が載っているのだ。さながら新種の妖怪か「ゆるキャラ」並みの奇妙………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2012年07月01日
[ジャンル]人文

夢の操縦法 [著]エルヴェ・ド・サン=ドニ侯爵

夢の操縦法 [著]エルヴェ・ド・サン=ドニ侯爵

■フロイトも探した奇書の古典  まさしく幻の著作の初訳である。  かつてアンドレ・ブルトンや澁澤龍彦が夢研究の古典として本書の一部を引用したことがあったが、長らく作者の経歴もその全貌(ぜんぼう)も不明という奇書だった。………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2012年05月20日
[ジャンル]人文 科学・生物

超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか [著]リチャード・ワイズマン

超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか [著]リチャード・ワイズマン

■進化した脳がお化けを映し出す  このヘンテコリンな本の著者は英国で人気の高い心理学者である。見えてはいけない幽霊を見えるようにする実践的なハウツー本と思わせておいて、じつは超常現象撲滅のキャンペーンを張るといった野暮………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2012年04月08日
[ジャンル]科学・生物

京都の町家と火消衆―その働き、鬼神のごとし [著]丸山俊明

京都の町家と火消衆―その働き、鬼神のごとし [著]丸山俊明

■庶民が支え続けた聖域の防災  火事といえば江戸だが、京都の火事現場も負けず劣らず興味深い。本書は二都の火消制度を比較しながら近代日本の防災を支えた真の主役を明らかにする。  御所や二条城本丸を含め京都を丸焼きにした天………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2012年03月04日
[ジャンル]歴史

肖像画の時代―中世形成期における絵画の思想的深層 [著]伊藤大輔

肖像画の時代―中世形成期における絵画の思想的深層 [著]伊藤大輔

■似絵・僧侶像の従来説に挑戦  定説に疑問をぶつけることは勇気を要する冒険だ。勇敢な本書は、「昔の日本に肖像画がなかったのは、リアルに描かれた自分の顔が呪詛(じゅそ)に使われるのを恐れたからである」という定説に挑戦する………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2012年02月19日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能

謎のチェス指し人形「ターク」 [著]トム・スタンデージ

謎のチェス指し人形「ターク」 [著]トム・スタンデージ

■名士も熱狂、18世紀の自動機械  チェスの世界はおもしろい。名人同士だけでなく霊能者やコンピューターとの対決といった話題が尽きないけれども、ルーツは18世紀にチェスの名手を次々に打ち負かした「自動人形(オートマタ)」………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2012年01月29日
[ジャンル]歴史 科学・生物

通天閣―新・日本資本主義発達史 [著]酒井隆史

通天閣―新・日本資本主義発達史 [著]酒井隆史

■古い大阪の魂、低い目線の凄み  昨今「塔」の話題を独占するのはスカイツリーだが、どっこい「通天閣」を忘れてもらっちゃ困るとばかりに分厚い本が出た。電波を発するわけでもない中途半端な高さの塔だが、大阪のディープサウスを………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2012年01月15日
[ジャンル]社会

それでもイギリス人は犬が好き―女王陛下からならず者まで [著]飯田操

それでもイギリス人は犬が好き―女王陛下からならず者まで [著]飯田操

■残虐な娯楽の反動で動物愛護  非常にユニークな「犬の本」だ。冒頭で、2003年の暮れ、エリザベス女王の愛犬がアン王女に飼われていたブルテリアに咬(か)まれて深手を負い、安楽死となった話が紹介される。以降、各単元の枕に………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2011年11月27日
[ジャンル]科学・生物 国際

三角寛「サンカ小説」の誕生 [著]今井照容

三角寛「サンカ小説」の誕生 [著]今井照容

■昭和初期の「うさん臭さ」孕んで  三角寛といえば、「説教強盗」という神出鬼没の怪盗事件を報道したスクープ記者として知られるが、彼がこの強盗に関係あると疑い調査しだした「サンカ」に関する著作は、さらに有名であり、謎も多………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2011年11月13日
[ジャンル]歴史 人文

世界史を変えた異常気象―エルニーニョから歴史を読み解く [著]田家康

世界史を変えた異常気象―エルニーニョから歴史を読み解く [著]田家康

■自然が征服者の運命まで左右  世界各地で発生した人類史の大事件や大災害の多くには、エルニーニョ現象の影響があったと、近年取り沙汰されている。本書はそれを裏付けつつ、そんな大災害をより一層ひどいことにした張本人も、じつ………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2011年10月02日
[ジャンル]歴史

ナポレオンのエジプト 東方遠征に同行した科学者たちが遺(のこ)したもの [著]ニナ・バーリー

ナポレオンのエジプト 東方遠征に同行した科学者たちが遺(のこ)したもの [著]ニナ・バーリー

■幻滅の砂漠地帯で置き去りに  ナポレオン東方遠征の成果をまとめた『エジプト誌』は出版史上の偉業だが、一方同じ時期に、この遠征隊を海上封鎖したイギリスでも、ナポレオン探検団のバカげた行動を揶揄(やゆ)するジェイムズ・ギ………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2011年09月04日
[ジャンル]科学・生物 ノンフィクション・評伝

世界の夢の本屋さん [著]清水玲奈、大原ケイ

世界の夢の本屋さん [著]清水玲奈、大原ケイ

■観光客まで引きつける老舗書店  西洋の老舗書店というと、古本の墓場か中世の牢獄かと見誤るような老建築を連想するかもしれない。しかし本書を見てびっくり、これは夢のように美しい店内を紹介する写真集であり、著者2人が女性と………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2011年08月21日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

男の絆―明治の学生からボーイズ・ラブまで [著]前川直哉

男の絆―明治の学生からボーイズ・ラブまで [著]前川直哉

 本書の冒頭はAKB48と男性アイドルグループの不思議な違いから始まる。AKBのほうは仲間で下着姿になったりキスしたりしあうのに、男性グループではそれを見せない。その理由は「同性愛」とみなされる危険を排除するためという。………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2011年07月31日
[ジャンル]人文

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