山形浩生(評論家)の書評

写真:山形浩生さん

山形浩生 (評論家)
1964年東京都生まれ。翻訳家。著書に『新教養主義宣言』『要するに』、訳書にウィリアム・S・バロウズ『ソフトマシーン』、フィリップ・K・ディック『死の迷路』、ポール・クルッグマン『クルーグマン教授の経済入門』、スタンレー・ミルグラム『服従の心理』など。

Made by Hand―ポンコツDIYで自分を取り戻す [著]マーク・フラウエンフェルダー

Made by Hand―ポンコツDIYで自分を取り戻す [著]マーク・フラウエンフェルダー

■自作で世界の仕組みを理解する  最近のビジネス書を見ると、パソコンやインターネットの世界はマイクロソフト、アップルやグーグルなどの企業活動だけしかないかのようだ。でも実際にそれを支えたのは多くのアマチュアハッカーたち………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年08月21日
[ジャンル]社会

創造的破壊―グローバル文化経済学とコンテンツ産業 [著]タイラー・コーエン

創造的破壊―グローバル文化経済学とコンテンツ産業 [著]タイラー・コーエン

■文化は常に混合し変化する  グローバリズムは地域文化を破壊し、低俗なハリウッド映画とマクドナルドで世界を画一化する陰謀だ、といった議論は多い。だから外国文化の侵入を規制し、自国文化の衰退を防げ、と。  本書は経済学の………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年08月07日
[ジャンル]経済 国際

ムッソリーニ (上・下) [著]ニコラス・ファレル

ムッソリーニ (上・下) [著]ニコラス・ファレル

 驚くなかれ、本書はなんと、ファシズムは決して悪い政治体制ではなく、ムッソリーニは優れた政治家だったと主張する本だ。  即座に反発して短絡的に軍靴の音を懸念する人もいるだろう。だが罵倒語として濫用(らんよう)されるファシ………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年07月31日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

地球の論点―現実的な環境主義者のマニフェスト [著]スチュアート・ブランド

地球の論点―現実的な環境主義者のマニフェスト [著]スチュアート・ブランド

■原発推進へと「転向」した理由  七〇年代米西海岸文化を支えた「全地球カタログ」。大企業と政府による消費と管理の枠組みに対抗し、個人の創意と自由に基づくエコライフスタイルを提案した雑誌だ。同誌の標語「ずっと無謀で」はア………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年07月24日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

気候工学入門―新たな温暖化対策ジオエンジニアリング [著]杉山昌広

気候工学入門―新たな温暖化対策ジオエンジニアリング [著]杉山昌広

■現実味増す「気温下げる」技術  現在なお大問題の原子力が推進されるにあたり、地球温暖化の緩和という名目も大きかったのはご存じのとおり。目下はさほど話題にならないものの、今後温暖化が一部の地域に何らかのコストをもたらす………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年07月10日
[ジャンル]科学・生物 社会

朽ちるインフラ―忍び寄るもうひとつの危機 [著]根本祐二

朽ちるインフラ―忍び寄るもうひとつの危機 [著]根本祐二

■避けがたい近未来、直言で指摘  上下水道、学校、道路——現代日本のインフラの多くは半世紀前の高度成長時代に作られた。その補修や交換で今後数百兆円規模の莫大(ばくだい)な費用が必要になるが、人口減少と高齢化、財政悪化に………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年07月03日
[ジャンル]社会

闘う衣服 [著]小野原教子/MY DEAR BOMB [著]山本耀司、満田愛

闘う衣服 [著]小野原教子/MY DEAR BOMB [著]山本耀司、満田愛

■服飾の意味づけ、熱く静かに語る  衣服は防寒など機能だけのものではなく、当然ながら着る人の社会的な立場や階級も伝える。暑いのにスーツを着るのはまじめなビジネスマン、という具合に。  でもなぜ、スーツはビジネスマンの印………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年06月12日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

自動車と建築―モータリゼーション時代の環境デザイン [著]堀田典裕

自動車と建築―モータリゼーション時代の環境デザイン [著]堀田典裕

■風景一変させた、若い構想力  戦後の急速な自動車化は、日本の社会と風景を一変させた。高速道路や給油所等の新施設が続々登場し、人間生活自体が揺らぐ。本書はこれに対する若手中堅の建築家たちの、新工法を駆使した果敢な提案群………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年05月22日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

ユニクロ帝国の光と影 [著]横田増生

ユニクロ帝国の光と影 [著]横田増生

■意図を裏切り、見事な企業分析  本書は奇妙な本だ。著者の執筆意図を完全に裏切る形で、見事な企業分析になってしまっているのだから。  ユニクロは短期間で国民的ブランドにのしあがった。著者の主な意図は、その急成長の裏にあ………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年05月01日
[ジャンル]経済

ローラのオリジナル [著]ウラジーミル・ナボコフ/ナボコフ 訳すのは「私」―自己翻訳がひらくテクスト [著]秋草俊一郎

ローラのオリジナル [著]ウラジーミル・ナボコフ/ナボコフ 訳すのは「私」―自己翻訳がひらくテクスト [著]秋草俊一郎

■難解な大作家へ導きの微光  ナボコフは二十世紀後半の大作家だが、一般受けはしにくい。感情移入やドラマ重視の読み方を軽蔑した彼の作品は、ことばやイメージの断片が記憶と戯れ連想の鍵を開ける中で変によじれる。最初は見どころ………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年04月24日
[ジャンル]文芸

ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る [著]ダニエル・カーネマン

ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る [著]ダニエル・カーネマン

■行動経済学を、楽しく奥深く  人間の心理は、時に奇妙なよじれを見せる。評者は十万円もらっても売らない本を持っているが、それを盗まれても五万円で買い直すかわからない。売るのと買うので価値評価がちがうのだ。  同じものの………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2011年04月03日
[ジャンル]経済 人文

ネアンデルタール人の正体 [編著]赤澤威

ネアンデルタール人の正体 [編著]赤澤威

 彼らは違う精神世界に住んでいた    編著者の赤澤威は、シリアのデデリエ洞窟(どうくつ)でネアンデルタールの全身化石を掘り当てたラッキーな人物だ。その赤澤を中心に、ネアンデルタール人の全体像を描き出そうとした野心的な………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2005年03月20日
[ジャンル]歴史 科学・生物

高い城・文学エッセイ [著]スタニスワフ・レム

高い城・文学エッセイ [著]スタニスワフ・レム

■ストイックなSF論の核心とは何か    レムは『ソラリス』などで知られるポーランドのSF作家である。論理的ながら(いやそれ故に)異様なアイデアと、厳密な知性のもたらす緻密(ちみつ)な作品世界は根強いファンを擁する。だ………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2005年02月13日
[ジャンル]文芸

前田建設ファンタジー営業部 [著]前田建設工業

前田建設ファンタジー営業部 [著]前田建設工業

 かのマジンガーZの格納基地(それも移動エレベーターから割れるプールまですべて)を実際に作ろう!  中堅ゼネコン前田建設がこの問題にマジで取り組んだのが本書。放送の各回を見ては仕様を読み取り、図面を引いて技術的な可能性………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2005年01月23日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 社会

喪失と獲得 [著]ニコラス・ハンフリー

喪失と獲得 [著]ニコラス・ハンフリー

■コロンブスの卵的な進化の可能性    ラスコー洞窟(どうくつ)などに描かれた先史人たちの壁画は、文化や文明の証拠だとされることが多い。だが本書の著者はそれを疑問視する。あの手の洞窟壁画は、天才自閉症児の絵にそっくりだ………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2005年01月09日
[ジャンル]人文

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