四ノ原恒憲(朝日新聞記者)の書評

写真:四ノ原恒憲さん

四ノ原恒憲 (朝日新聞記者)
1951年大阪府生まれ。朝日新聞記者。元本社編集委員。

芝居の神様-島田正吾・新国劇一代  [著]吉川潮 

芝居の神様-島田正吾・新国劇一代  [著]吉川潮 

■名優が一人芝居にかけた執念  「瞼(まぶた)の母」「一本刀土俵入」「国定忠治」「人生劇場」「王将」……。かつて多くの日本人が大まかであれ、その筋立てを知り、名せりふの一つも口ずさめた芝居だ。そんな共通の“教養”が消え………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2008年01月27日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

移りゆく「教養」 [著]苅部直

移りゆく「教養」 [著]苅部直

■社会全体を支える知恵として  「あの人は教養があるから」という言葉には、微妙なニュアンスがある。単に知識をひけらかす人、または頭の知識だけで実務には疎い、などというマイナスの意味合いが潜む場合が往々にしてあるからだ。………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2007年12月16日
[ジャンル]社会

野の鳥は野に―評伝・中西悟堂 [著]小林照幸

野の鳥は野に―評伝・中西悟堂 [著]小林照幸

■鳥に惹かれ、自然保護の先頭に  人に歴史、いや言葉にも歴史あり。「野鳥」という言葉が、この国に広まり、定着してほんの70年余りだというのには、少し虚をつかれた。鳥を入り口に、今でいうエコロジストとなった中西(1895………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2007年10月28日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

楽園 上・下 宮部みゆき著 「幸せ」の代償、過酷な地上に

楽園 上・下 宮部みゆき著 「幸せ」の代償、過酷な地上に

 ベストセラーとなった著者の代表作の一つ『模倣犯』で大活躍した女性フリーライター、前畑滋子が主人公をつとめる。前作の影が全編に落ちてはいるが、全く独立した作品として、その世界に入っていける。  「死んだ我が子が、不思議………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2007年09月30日
[ジャンル]文芸

ウナギ 地球環境を語る魚 井田徹治著 日本人の胃袋が荒らす資源

ウナギ 地球環境を語る魚 井田徹治著 日本人の胃袋が荒らす資源

 何か怪しいとは感じていた。子供のころは、仰ぎ見るご馳走(ちそう)だったウナギが、数年前からか、スーパーでも山積みされている。ウナギの生態から、流通、資源としての現状までを詳細にリポートした本書を読めば、その謎は解ける………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2007年09月09日
[ジャンル]科学・生物 新書 国際

憲法9条の思想水脈 山室信一著 「英知の結晶」成り立ち追う

憲法9条の思想水脈 山室信一著 「英知の結晶」成り立ち追う

 参院選での自民党大敗北のひそかな原因の一つが、憲法改正に性急な首相への不安では、と思えてならない。そんな改正論議の中心である憲法9条を支える平和思想の成り立ちを、丁寧に、丁寧に追っている。  戦争が古来、大きな災禍で………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2007年08月05日
[ジャンル]政治 人文

ロック・デイズ マイケル・ライドン著 「時代の音楽」現場の肉声

ロック・デイズ マイケル・ライドン著 「時代の音楽」現場の肉声

 70年代の初頭だったか。「ロックを通じてでも、革命的に世界を変えられるんじゃないか」などと、結構まじめに論議した時代のことを、思い出してしまった。ベトナム反戦から、ヒッピーなど様々な反体制的な動きと若者文化に密接にか………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2007年07月22日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

江戸の温泉学 松田忠徳著 じわっと効く、大衆化の理由

江戸の温泉学 松田忠徳著 じわっと効く、大衆化の理由

 温泉ブームの中、タイトルにひかれ、手軽なガイド的効能を求めて、この本を手に取ってはいけない。温泉が一挙に大衆化した江戸時代の状況を丁寧に追っている。でも、読むほどに、頭脳に、じわっと効いてくる。主な含有成分は、メディ………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2007年06月24日
[ジャンル]人文

ハンニバル・ライジング 上・下 トマス・ハリス著

ハンニバル・ライジング 上・下 トマス・ハリス著

 「悪の怪物」の生成史たどる  巨大な悪の怪物を生みだすものが、さらに巨大な悪だとすれば、それはやはり戦争ということなのか。  医学博士にして、底知れぬ教養を持つが、連続殺人鬼で、しかも文字通り「人を食う」。世界的ベス………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2007年05月20日
[ジャンル]文芸

日本語は天才である 柳瀬尚紀著 翻訳で知る実力、えらい!

日本語は天才である 柳瀬尚紀著 翻訳で知る実力、えらい!

 J・ジョイスや、R・ダールの文章と格闘した名訳で知られる英文学者の柳瀬さんが、日本語の懐の深さを縦横に語っている。考えてみれば、雑種混成の日本文化だから、その歴史は、翻訳に次ぐ翻訳だった。一読、今も翻訳の知恵を絞るこ………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2007年04月08日
[ジャンル]人文

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