中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)の書評

写真:中島岳志さん

中島岳志 (北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
1975年大阪府生まれ。著書に『中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義』(大佛次郎論壇賞)『ヒンドゥー・ナショナリズム―印パ緊張の背景』『パール判事―東京裁判批判と絶対平和主義』など。

私自身であろうとする衝動―関東大震災から大戦前夜における芸術運動とコミュニティ [著]倉数茂

私自身であろうとする衝動―関東大震災から大戦前夜における芸術運動とコミュニティ [著]倉数茂

■「美的アナキズム」が問うもの  旧来の共同体が崩壊し、個が浮遊する今日。社会の流動化によって、あらゆる領域の自明性が喪失している。そんな時代には、なぜ生きているのかわからないという事態が生じ、人は「根拠なくただ生きて………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年11月27日
[ジャンル]社会

計画と無計画のあいだ―「自由が丘のほがらかな出版社」の話 [著]三島邦弘

計画と無計画のあいだ―「自由が丘のほがらかな出版社」の話 [著]三島邦弘

■本作り楽しむ小出版社の「熱」  東京・自由が丘にある築50年の小さな民家。ここにミシマ社がある。取次店を通さず、直接、書店に卸し、手作りのPOPで売り出す。社員数人の小出版社ながら、オリジナリティーの高い話題の本を次………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年11月20日
[ジャンル]経済

居場所の社会学―生きづらさを超えて [著]阿部真大

居場所の社会学―生きづらさを超えて [著]阿部真大

■ノスタルジーでない実践知  近年、若者や高齢者の「居場所」の重要性が頻繁に語られる。国家的再配分が強化されても、社会的に排除された人々が全て救われるわけではないからだ。孤独と承認の問題に対しては、「社会的包摂」の機能………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年11月06日
[ジャンル]人文 社会

絶望の国の幸福な若者たち [著]古市憲寿

絶望の国の幸福な若者たち [著]古市憲寿

■不安で幸せ?論争的な若者論  現代日本の若者は不幸だといわれる。格差は拡大し、経済成長も難しい。しかし、社会調査では意外な結果が出る。20代の実に7割が、現在の生活に満足していると答える。今の若者たちは、自分たちの生………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年10月30日
[ジャンル]社会

日本の大転換 [著]中沢新一

日本の大転換 [著]中沢新一

■原発の超克へと、渾身の文明論  久々に出会った壮大な文明論だ。著者は原発事故を思想的に考察し、世界が目指すべき新たな道を構想する。  人間は地球で生きていると言っても、表層部のわずか数キロの範囲でしか生活ができない。………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年10月16日
[ジャンル]科学・生物 社会 新書

ケアの社会学―当事者主権の福祉社会へ [著]上野千鶴子

ケアの社会学―当事者主権の福祉社会へ [著]上野千鶴子

■家族介護を解体し、共助のしくみ追究  私たちは人類史上はじめて「超高齢化社会」を経験している。なぜなら人が簡単に死ななくなったからだ。過去にはありえなかった社会構成が出現している。  また、介護保険法の成立によって、………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年10月09日
[ジャンル]医学・福祉

峠うどん物語 上・下 [著]重松清

峠うどん物語 上・下 [著]重松清

■死者と出会い、生に向き合う  震災後、様々な言葉が紡がれた。復興へのヴィジョン、原発批判、被災地のルポ……。  その言葉の渦のなかで、最も取り残されたのは、震災で大切な人を亡くした人たちだったのではないか。「死者」と………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年09月25日
[ジャンル]人文 社会

情報時代のオウム真理教 [責任編集]井上順孝

情報時代のオウム真理教 [責任編集]井上順孝

■一次資料をもとに忘却から拾い出す  私たちは「オウム真理教」を忘れている。正確にいえば、無意識のうちに忘れたがっている。その証拠に、麻原彰晃の裁判がどういうプロセスを経て現在に至っているか、多くの人は知らない。関心は………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年09月18日
[ジャンル]人文 社会

人間と国家 上・下―ある政治学徒の回想 [著]坂本義和

人間と国家 上・下―ある政治学徒の回想 [著]坂本義和

■青年期の苦悩、今も抱きしめる  戦後日本の国際政治学を牽引(けんいん)してきた著者の自伝的回想。  坂本氏の父は、上海(シャンハイ)の東亜同文書院の一期生。米国留学を経て母校に戻り、教鞭(きょうべん)をとった。父は上………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年09月04日
[ジャンル]政治 ノンフィクション・評伝 新書 国際

原発報道とメディア [著]武田徹

原発報道とメディア [著]武田徹

■相互不信溶かす「新しい地図」は  世間では原発推進派VS.反対派という対立が続いている。著者は、相互不信を強化する両者の対立構造とメディアのあり方に鋭くメスを入れる。  福島第一原発の事故は、外部電源の喪失に大きな原………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年07月24日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

解体新書「捕鯨論争」 [編著]石井敦

解体新書「捕鯨論争」 [編著]石井敦

■推進・反対の構図を超えて   「鯨肉は日本の食文化」と言われる。しかし、実際に鯨肉を食べる機会はほとんどない。「日本の文化」と言う割に、日本人は伝統的にも日常的にも鯨肉を食べていない。なのに、なぜ繰り返し「日本の食文………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年07月17日
[ジャンル]歴史 人文 国際

困ってるひと [著]大野更紗

困ってるひと [著]大野更紗

■制度の谷間の難病、挫けそうでも笑う  ミャンマーの難民問題を研究する24歳の女性が、突然、難病にかかった。病名は「筋膜炎脂肪織炎症候群」。免疫システムが正常に制御されず、全身に炎症がおこる。何十種類もの薬を服用しつつ………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年07月10日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

井筒俊彦―叡知の哲学 [著]若松英輔

井筒俊彦―叡知の哲学 [著]若松英輔

■思想界の巨人、「神」への対話  井筒俊彦は世界的イスラーム学者として知られる。しかし、彼の射程は驚くほど広い。ギリシャ哲学、言語学、ロシア文学、神秘哲学、ユング心理学、老荘思想、仏教、インド哲学……。彼は30を超える………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年06月19日
[ジャンル]人文

ナショナリズムと想像力 [著]ガヤトリ・C・スピヴァク

ナショナリズムと想像力 [著]ガヤトリ・C・スピヴァク

■市民国家への「脱皮」は可能か  自由や平等、民主主義などの諸価値を実現するためには、ナショナリズムの想像力こそ有用だとする「リベラル・ナショナリズム」論に注目が集まっている。セーフティーネットが崩壊する中、再配分への………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年06月12日
[ジャンル]人文

「ボランティア」の誕生と終焉―〈贈与のパラドックス〉の知識社会学 [著]仁平典宏

「ボランティア」の誕生と終焉―〈贈与のパラドックス〉の知識社会学 [著]仁平典宏

■矛盾はらむ贈与、境界解体の先に  ボランティアとは何か——。  「偽善だろ」「自己満足なんじゃないの」といった冷笑が、ボランティアには向けられる。その言説の核心には「他者のため」という「贈与」の問題がある。  贈与は………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年05月22日
[ジャンル]人文 社会

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る