内澤旬子(文筆家・イラストレーター)の書評

写真:内澤旬子さん

内澤旬子 (文筆家・イラストレーター)
1967年神奈川県生まれ。ノンフィクション、エッセー、イラストルポなど幅広い分野で著書がある。『センセイの書斎』『世界屠畜紀行』『おやじがき』『身体のいいなり』(講談社エッセイ賞)、『飼い喰い 三匹の豚とわたし』。松田哲夫氏との共著に『「本」に恋して』など。

ロングウォーク―爆発物処理班のイラク戦争とその後 [著]ブライアン・キャストナー

ロングウォーク―爆発物処理班のイラク戦争とその後 [著]ブライアン・キャストナー

■恐怖と後遺症の終わりなき日々  スーサイドボム(自爆)という言葉を聞くたびに、これまで抱いていたイメージとは違うきつさが、昨今の爆発物処理の現場にあるのだろうと、漠然と思っていたが、予想を上回る過酷さであった。  著………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年02月09日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 国際

花森安治伝―日本の暮しをかえた男 [著]津野海太郎

花森安治伝―日本の暮しをかえた男 [著]津野海太郎

■「まちがった後」を生ききる  花森安治といえば、センス抜群のイラストとグラフィックデザイン。そして広告を潔く排し、地道すぎるほど地道に行われた商品テストを載せた雑誌「暮(くら)しの手帖」。  1980〜90年代、広告………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年02月02日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

鮭鱸鱈鮪 食べる魚の未来 [著]ポール・グリーンバーグ

鮭鱸鱈鮪 食べる魚の未来 [著]ポール・グリーンバーグ

■生存可能な環境と方策を検証  もうすぐ鮪(まぐろ)が食べられなくなるようだ。その前に一度だけ大トロを食べてみたいと、始発電車に乗って築地卸売市場内にある寿司屋(すしや)に行った。  あれから10年近く経つ。鮪は相変わ………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年01月26日
[ジャンル]科学・生物

うな丼の未来―ウナギの持続的利用は可能か [編]東アジア鰻資源協議会日本支部

うな丼の未来―ウナギの持続的利用は可能か [編]東アジア鰻資源協議会日本支部

■絶滅に瀕した稀少種どう食べる  ついこの前までスーパーの惣菜(そうざい)コーナーにあると思っていたら、急に高騰したうなぎの蒲焼(かばや)き。養殖で安定供給されていると思い込んでいたニホンウナギが、絶滅の危機に瀕(ひん………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2014年01月19日
[ジャンル]科学・生物

昭和の犬 [著]姫野カオルコ

昭和の犬 [著]姫野カオルコ

■立ち向かうだけが人生ではない  読んですぐに、爽快感でいっぱいになるわけでも、泣き崩れるわけでも、ない。  読み終えて、一旦(いったん)記憶の底に仕舞(しま)い込んだ数日後、夜道を歩いているときなど、ふと思い出し、引………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2013年11月10日
[ジャンル]文芸

生理用品の社会史―タブーから一大ビジネスへ [著]田中ひかる

生理用品の社会史―タブーから一大ビジネスへ [著]田中ひかる

■意識変えた使い捨てナプキン  以前に生理用ナプキンを燃やそうとしたことがある。百円ライターを壊しても火すらつかなかった。高分子吸収体って何者なんだ。そしてこういうものがなかった時代、女たちは毎月どうやって経血の処置を………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2013年10月27日
[ジャンル]社会

那覇の市場で古本屋―ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々 [著]宇田智子

那覇の市場で古本屋―ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々 [著]宇田智子

■本を介して地に足をつける  8年ほど前、沖縄の版元ボーダーインクの方に、東京の版元で人文書を出す場合、初版3千部も珍しくないと話したら、驚愕(きょうがく)された。本土よりずっと小さく人口が少ないのに、沖縄県産本の初版………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2013年09月29日
[ジャンル]文芸

カッパ・ブックスの時代 [著]新海均

カッパ・ブックスの時代 [著]新海均

■熱い本作りの場、暗転の軌跡描く  1970年代、小学生のときにはじめて手にした大人向けの本といえば、カッパ・ブックスだ。『頭の体操』『ウンコによる健康診断』など、居間に転がっていたのを夢中になって読んだ。子どもにも分………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2013年09月22日
[ジャンル]人文

日本の「ゲイ」とエイズ―コミュニティ・国家・アイデンティティ [著]新ケ江章友

日本の「ゲイ」とエイズ―コミュニティ・国家・アイデンティティ [著]新ケ江章友

■愛こそが、最大のリスク?!  1981年、朝日新聞に「ホモ愛好者に凶報」という記事が載る。エイズに関する日本初報道だった。評者は当時14歳。以来、恐怖と思春期の好奇心に駆られ、記事を読み漁(あさ)り、気がついたら日本………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2013年09月15日
[ジャンル]社会

グローブトロッター―世界漫遊家が歩いた明治ニッポン [著]中野明

グローブトロッター―世界漫遊家が歩いた明治ニッポン [著]中野明

■人は旅になにを求めるのか  19世紀末の欧米にグローブトロッター(世界漫遊家)と呼ばれる人々が出現する。交通機関の進展と低廉化にともない、旅が消費の一形態として、貴族だけでなく、多くの民間人に開放されたのだ。  鉄道………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2013年08月11日
[ジャンル]歴史 国際

身体を躾ける政治―中国国民党の新生活運動 [著]深町英夫

身体を躾ける政治―中国国民党の新生活運動 [著]深町英夫

■蒋介石の「指導」は定着したか  公共のマナーを守らない者や不潔な者に対して、私たちは不寛容だ。きちんと守られれば、たしかに居心地は良くなるが、絶対的に正しいと言えるのか、マナーに対して緩い国を旅するたびに不快に感じつ………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2013年08月04日
[ジャンル]政治 国際

輸血医ドニの人体実験―科学革命期の研究競争とある殺人事件の謎 [著]ホリー・タッカー

輸血医ドニの人体実験―科学革命期の研究競争とある殺人事件の謎 [著]ホリー・タッカー

■血は畏怖の対象、生命の定義問う  現代では、ごく当たり前の処置方法である輸血だが、他人の血を注入することに対して、どこかで怖いとも思う。血に対して抱く畏怖(いふ)心は、本能なのか文化なのか。  いずれにせよ、血液型や………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2013年07月07日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

高岡重蔵活版習作集 [著]高岡重蔵

高岡重蔵活版習作集 [著]高岡重蔵

■本場顔負けの欧文組み版の技  ワインのラベルや古い洋書の文字が好きだ。強い主張はないのにきちんと美しい。パソコンで英文を打っても、あの雰囲気は決して出せない。  きちんと設計された欧文活字書体を使い、伝統的なルールに………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2013年06月23日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

アイドルのいる暮らし [著]岡田康宏

アイドルのいる暮らし [著]岡田康宏

■「大人の娯楽」を楽しむ10人  アイドルが好きと公言する大人が増えた。現実の異性と縁がない人がハマるというイメージは、既に過去のものだ。  20代から50代まで、既婚、子持ち、バツイチも含めた、普通の大人であり、筋金………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2013年06月16日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

亡びゆく言語を話す最後の人々 [著]K・デイヴィッド・ハリソン

亡びゆく言語を話す最後の人々 [著]K・デイヴィッド・ハリソン

■敬意をもって耳を傾け記録  アメリカ先住民ナバホ族のディネ語の吹き替えによる「スターウォーズ」が今夏公開される。ナバホ族自身によるディネ語保存のための画期的な試みだ。アメリカ先住民の中で最も人口の多いナバホ族でも、半………[もっと読む]

[評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)
[掲載]2013年06月09日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る