佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)の書評

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佐々木敦 (批評家・早稲田大学教授)
1964年名古屋市生まれ。映画、音楽、小説やサブカルチャーの評論を手がける。雑誌「エクス・ポ」「ヒアホン」編集人。著書に『「批評」とは何か? 批評家養成ギブス』『即興の解体/懐胎 演奏と演劇のアポリア』『小説家の饒舌』『批評時空間』など。音楽レーベル「HEADZ」代表。

渡良瀬 [著]佐伯一麦

渡良瀬 [著]佐伯一麦

■労働の日々、淡々と活き活きと  1993年から96年まで、月刊文芸誌「海燕(かいえん)」に連載されたが、雑誌の終刊によって中絶したままになっていたのを、このたび17年ぶりに続きが書き下ろされて完成の運びとなったのが本………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2014年02月23日
[ジャンル]文芸

地図と領土 [著]ミシェル・ウエルベック

地図と領土 [著]ミシェル・ウエルベック

■純然たる絶望、奇妙な清々しさ  フランス現代文学の鬼才、いや、鬼っ子の新作『地図と領土』は、世界と人間への強烈な侮蔑と、それを自らに許す作家自身のあまりにも魅力的な傲慢(ごうまん)という持ち味を遺憾なく発揮しつつ、新………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2014年02月02日
[ジャンル]文芸

野生のオーケストラが聴こえる―サウンドスケープ生態学と音楽の起源 [著]バーニー・クラウス

野生のオーケストラが聴こえる―サウンドスケープ生態学と音楽の起源 [著]バーニー・クラウス

■耳を澄ませば現れる「音の風景」  バーニー・クラウスは、スタジオ・ギタリストとしてキャリアをスタートさせた。ポール・ビーヴァーと出会い、二人で『地獄の黙示録』『ローズマリーの赤ちゃん』などの有名映画やテレビの音響を手………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2013年12月22日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

売女の人殺し ボラーニョ・コレクション [著]ロベルト・ボラーニョ

売女の人殺し ボラーニョ・コレクション [著]ロベルト・ボラーニョ

■この世の夕暮れ、描き出す言葉  ロベルト・ボラーニョの小説を読んでいると、いつも強く感じさせられるのは、世界が終わっていっている、という印象である。終わりに向かっている、のではなくて、今まさに終わりつつある、という、………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2013年12月15日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

動きすぎてはいけない ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学 [著]千葉雅也

動きすぎてはいけない ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学 [著]千葉雅也

■繋がり過ぎる時代、あえて留まること  思想家を論じるには大きく二通りの方向がある。「○○は何を考えていたか」と「○○から何が考えられるか」。もちろんどちらかを選ぶということではなく、両者は分かち難く絡み合っているのだ………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2013年12月08日
[ジャンル]社会

晩年様式集 イン・レイト・スタイル [著]大江健三郎

晩年様式集 イン・レイト・スタイル [著]大江健三郎

■絶望でなく希望、深く透明な感動  「三・一一後」と端的に表現される日々、作中で自らを「後期高齢者」と幾度となく記すことになる老作家は、およそ半世紀前に障害を持ってこの世界に誕生し、これまで彼が書いてきた数多くの小説で………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2013年11月24日
[ジャンル]文芸

石原慎太郎を読んでみた [著]栗原裕一郎、豊崎由美

石原慎太郎を読んでみた [著]栗原裕一郎、豊崎由美

■浮かび上がる小説家の肖像  舌鋒鋭い書評家の豊崎由美と歯にきぬ着せぬ評論家の栗原裕一郎が、石原慎太郎の小説を片っ端から「読んでみた」本である。もとは月1回で1年間続いたトークイベントであり、後半では映画評論家の高鳥都………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2013年10月27日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

天國のをりものが―山崎春美著作集1976—2013 [著]山崎春美

天國のをりものが―山崎春美著作集1976—2013 [著]山崎春美

■アングラ雑誌、彩った早熟少年  1970年代後半から80年代前半にかけて、山崎春美という名前は常にエキセントリックな輝きと共にあった。彼が率いたガセネタとタコというバンドは、日本の音楽シーン、それも非常にアンダーグラ………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2013年10月20日
[ジャンル]文芸

「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい―正義という共同幻想がもたらす本当の危機 [著]森達也

「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい―正義という共同幻想がもたらす本当の危機 [著]森達也

■当事者の代弁に隠れている欺瞞  とても長い、しかも問いかけの形を採った題名。その言葉の響きは挑発的でさえある。では、いったい何を問おうというのか。BS放送の対談番組で死刑廃止論を展開した際に(森氏の死刑論は『死刑』に………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2013年10月06日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

死後に生きる者たち―〈オーストリアの終焉〉前後のウィーン展望 [著]マッシモ・カッチャーリ

死後に生きる者たち―〈オーストリアの終焉〉前後のウィーン展望 [著]マッシモ・カッチャーリ

■めくるめく思弁の「連作歌曲」  著者は、ネグリ、アガンベン等と並ぶ現代イタリアを代表する思想家であり、大作オペラ「プロメテオ」など作曲家ルイジ・ノーノ(故人)との共同作業でも知られ、更にはイタリア下院議員及び2度にわ………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2013年09月15日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

HHhH―プラハ、1942年 [著]ローラン・ビネ

HHhH―プラハ、1942年 [著]ローラン・ビネ

■迷いや不安と共に、歴史を物語ること  歴史小説と呼ばれるジャンルは、我が国の出版界においても、一大マーケットを築いている。それは事実と関係しているが、しかしノンフィクションではない。歴史小説の作者は、資料や記録を駆使………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2013年09月08日
[ジャンル]文芸

ルイス・ブニュエル [著]四方田犬彦

ルイス・ブニュエル [著]四方田犬彦

■反転と逆説の映画、妖しい輝きを活写  ルイス・ブニュエルは、1900年にスペインに生まれ、1983年に没した映画監督である。彼はシュールレアリスム映画の金字塔とされる第1作『アンダルシアの犬』から遺作となった『欲望の………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2013年08月11日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

パウリーナの思い出に [著]アドルフォ・ビオイカサーレス

パウリーナの思い出に [著]アドルフォ・ビオイカサーレス

■謎と愛が絡み合う、これぞ短編  ボルヘスの友人にして共作者、そしてあの究極の幻想恋愛小説『モレルの発明』の作者でもあるアドルフォ・ビオイカサーレスの、本邦初となる短編集である。博覧強記のボルヘスとは違って、ビオイカサ………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2013年07月28日
[ジャンル]文芸

□(しかく) [著]阿部和重

□(しかく) [著]阿部和重

■ホラー映画への偏愛が凝集  阿部和重という小説家が著した、最も奇抜な小説だろう。作品ごとにスタイルや文体を一変させる、周到な準備と緻密(ちみつ)な設計に基づく凝りに凝った作風で知られる阿部は、今回あえて「何も決めない………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2013年07月14日
[ジャンル]文芸

神は死んだ [著]ロン・カリー・ジュニア

神は死んだ [著]ロン・カリー・ジュニア

■絶望の極点で希望は紡げるか  ショッキングな題名だが、内容そのままなのだ。表題作で、本当に「神」は死ぬ。スーダンのダルフール地方の難民キャンプ。ディンカ族の若い女に姿を変えた「神」は、理由あって弟の行方を探している。………[もっと読む]

[評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
[掲載]2013年06月30日
[ジャンル]文芸

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