水野和夫(日本大学教授・経済学)の書評

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水野和夫 (日本大学教授・経済学)
1953年愛知県生まれ。金融の現場に長く身を置き、文化的・歴史的な視点から経済の大きな流れを分析。著書に『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』『終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか』など。『超マクロ展望 世界経済の真実』は萱野稔人氏との共著。

自民党と公務員制度改革 [著]塙和也

自民党と公務員制度改革 [著]塙和也

■背筋が凍る、近代日本の衰亡史  本書が対象とする時期は2008年2月から公務員関連法案の廃案が決まる翌年7月までだ。著者は「古い時代の政治を取り扱っている」と謙遜するが、決してそんなことはない。評者は10年9月から1………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年10月13日
[ジャンル]政治

ヴァスコ・ダ・ガマの「聖戦」―宗教対立の潮目を変えた大航海 [著]ナイジェル・クリフ

ヴァスコ・ダ・ガマの「聖戦」―宗教対立の潮目を変えた大航海 [著]ナイジェル・クリフ

■今とつながる15世紀末の大変化  一般的には、文字を通してよりも映像のほうが迫力あるように思うが、本書を読めば、映像を超える壮大な絵巻物が瞼(まぶた)に浮かんで想像(妄想)をかき立てる。欧米人の深層心理の構図として、………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年10月06日
[ジャンル]歴史

「東洋の魔女」論 [著]新雅史

「東洋の魔女」論 [著]新雅史

■紡績業通して語る日本戦後論  本書の途中でページをめくることができなくなった。「女工に負けたら恥じよ」と当時強豪の女子校チームに野次(やじ)られ、「女工」という烙印(らくいん)を押されたことで、しどろもどろになった日………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年09月22日
[ジャンル]歴史

醤油と薔薇の日々 [著]小倉千加子

醤油と薔薇の日々 [著]小倉千加子

■女性を暗くする「成長」の強要  著者は前著『結婚の条件』(2003年)で「少子化とは『結婚の条件』の問題」だと看破した。結婚の条件は女性の学歴に応じて階層化し、「それぞれのカテゴリーの女性が求める結婚は異なる。が、そ………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年09月08日
[ジャンル]人文 社会

アメリカ経済財政史―1929-2009 [著]室山義正

アメリカ経済財政史―1929-2009 [著]室山義正

■建国理念の実現は中間層の肩に  E・H・カーの「歴史は、現在と過去との対話である」という定義をうけ、清水幾太郎は「現在が未来へ食い込むにつれて、過去はその姿を新しくし、その意味を変じて行く」という。近代の本質を理解す………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年08月18日
[ジャンル]経済

消費税日記―検証 増税786日の攻防 [著]伊藤裕香子

消費税日記―検証 増税786日の攻防 [著]伊藤裕香子

■「最強の根拠」は財務省の発案  野田佳彦内閣が消費税増税法を成立させて、昨日(10日)でちょうど1年たった。本書は2010年6月17日、菅直人総理(当時)の参院選での消費税10%発言から法案成立までの786日間を追っ………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年08月11日
[ジャンル]経済

ヨーロッパ文明の正体―何が資本主義を駆動させたか [著]下田淳

ヨーロッパ文明の正体―何が資本主義を駆動させたか [著]下田淳

■解明の鍵は「棲み分け」にあり  鉈(なた)で一刀両断されたような良い意味での重い読後感が残り、あらゆるものを数値と結びつけて考えたがる「理系バカ」が支配する現代社会から脱しなければ、日本の未来はないという著者の主張に………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年07月28日
[ジャンル]経済

人口減少社会という希望―コミュニティ経済の生成と地球倫理 [著]広井良典

人口減少社会という希望―コミュニティ経済の生成と地球倫理 [著]広井良典

■比重増すローカルで内的な生  成長至上主義者は本書を読んで、どう反論するだろうか。これまで幾度となく成長戦略が打ち出されてきたものの「失われた20年」は、なぜかいまだに終わらない。本書が指摘するように、そもそも経済成………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年06月30日
[ジャンル]経済

永続敗戦論―戦後日本の核心 [著]白井聡

永続敗戦論―戦後日本の核心 [著]白井聡

■対米従属を続けたい人だらけ  書名以上に、本書の内容は刺激的である。読んだあと、顔面に強烈なパンチを見舞われ、あっけなくマットに仰向けに倒れこむ心境になった。こんな読後感は初めてだ。  本書にいう「永続敗戦」とは、「………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年06月16日
[ジャンル]歴史

経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える  [著]ダニエル・コーエン

経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える  [著]ダニエル・コーエン

■事後に過ち正せぬ時代が到来  本書はフランスで2009年に上梓(じょうし)された『悪徳の栄え』(原題)の邦訳である。1万年前の新石器革命において「神」が発明された事情から始まって、近代に西欧が中国を圧倒した理由、そし………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年06月09日
[ジャンル]経済

ユーロ消滅?―ドイツ化するヨーロッパへの警告 [著]ウルリッヒ・ベック [訳]島村賢一

ユーロ消滅?―ドイツ化するヨーロッパへの警告 [著]ウルリッヒ・ベック [訳]島村賢一

■危機への岐路に立つメルケル  ユーロ危機を国家債務危機ととらえた経済学者は「資本の理解者」となって貧者に新自由主義を強いると著者は指摘する。債務危機ではなく、欧州危機なのであって「欧州が排外主義や暴力に回帰せずに、根………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年05月12日
[ジャンル]経済 国際

幸福の経済学 人々を豊かにするものは何か [著]キャロル・グラハム

幸福の経済学 人々を豊かにするものは何か [著]キャロル・グラハム

■幸せな農民、不満な成功者の謎  幸福は経済学者や心理学者がそれを考察対象とする以前から哲学的な思想のテーマだと著者は主張する。幸福をベンサム的な意味(快楽的な効用)とアリストテレス的な意味(意義深い人生を送る機)の両………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年04月21日
[ジャンル]経済

カール・シュミット入門講義 [著]仲正昌樹

カール・シュミット入門講義 [著]仲正昌樹

■「決断」の真意、例外状況の今こそ  もし今生きているとしたら誰に現在の状況を診断してほしいかといえば、カール・シュミットである。彼の著作や論文は数多くあるが、独特の文体や教養の深さなどを考慮すると、読者自らがシュミッ………[もっと読む]

[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)
[掲載]2013年04月14日
[ジャンル]経済 社会

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