佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)の書評

写真:佐倉統さん

佐倉統 (東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
さくら・おさむ。1960年東京都生まれ。進化生物学を軸に、生物学史、科学技術論、科学コミュニケーション論を専門とする。著書に『現代思想としての環境問題』『進化論の挑戦』『進化論という考えかた』『「便利」は人を不幸にする』など。

未確認動物UMAを科学する [著]D・ロクストン、D・R・プロセロ

未確認動物UMAを科学する [著]D・ロクストン、D・R・プロセロ

■“それ”を見させるものは何か?  雪男。ネッシー。一度でいいから見てみたい。考えただけでワクワクしてくる。だが残念なことに、どちらもこの世には存在しない。目撃談はたくさんあるが、信頼できる証拠は皆無だ。  本書は、未………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年07月24日
[ジャンル]人文

科学の発見 [著]スティーヴン・ワインバーグ 科学の経済学 [著]ポーラ・ステファン 科学の曲がり角 [著]フィン・オーセルー

科学の発見 [著]スティーヴン・ワインバーグ 科学の経済学 [著]ポーラ・ステファン 科学の曲がり角 [著]フィン・オーセルー

■「科学とは何か?」への挑戦  科学とは何か? それはどのように発展し、その知識にはどのような特徴があるのか?  ノーベル物理学賞を受賞したワインバーグは、科学知識そのものに注目し、いわば科学を「内側」から眺めてその軌………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年07月03日
[ジャンル]科学・生物

明治のワーグナー・ブーム―近代日本の音楽移転 [著]竹中亨

明治のワーグナー・ブーム―近代日本の音楽移転 [著]竹中亨

 クラシック音楽は好きだがワーグナーは苦手で、2番目に嫌いな作曲家だ。それが明治時代後半に大ブームになっていたという。その理由やいかに?が本書のテーマだが、ワーグナーの出番はごくわずか。むしろ、西洋音楽導入に格闘した明治………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年06月26日

3.11 震災は日本を変えたのか [著]リチャード・J・サミュエルズ

3.11 震災は日本を変えたのか [著]リチャード・J・サミュエルズ

■「現状維持」で良いはずがない  3・11は日本をほとんど変えなかった——これが著者の結論である。  希代の日本ウォッチャーが、日英両語の膨大な資料を渉猟し、国防、エネルギー政策、地方自治の三領域について、透徹した分析………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年05月29日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

気まぐれコンセプト 完全版 [著]ホイチョイ・プロダクションズ

気まぐれコンセプト 完全版 [著]ホイチョイ・プロダクションズ

■変わらぬ欲望と時代性で35年  懐かしい。連載開始は1981年、今も続いている名物4コマ漫画の集大成。  1980年代といえば日本経済はまだ右肩上がりで、とくに後半はバブル華やかなりしころである。そんな中、ひときわ浮………[もっと読む]

[評者]コミック
[掲載]2016年05月01日

フィールドサイエンティスト 地域環境学という発想 [著]佐藤哲

フィールドサイエンティスト 地域環境学という発想 [著]佐藤哲

■社会への貢献を模索する科学  科学は、科学者の知的好奇心を原動力として発展してきた。たとえばガリレオは望遠鏡を空に向けて木星の衛星を発見したし、ニュートンはリンゴが木から落ちるのを不思議に思って万有引力を発見したとさ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年04月17日
[ジャンル]科学・生物

グッド・フライト、グッド・ナイト [著]マーク・ヴァンホーナッカー

グッド・フライト、グッド・ナイト [著]マーク・ヴァンホーナッカー

■非日常の空間、淡く美しき世界  飛行機に乗る前は、いつもちょっとわくわくする。非日常的な空間に浸る楽しみが待っているからだ。  ぼくはこんな月並みで無粋な表現しかできないが、747のパイロットである著者は五感をフルに………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年03月27日
[ジャンル]人文

曝された生 チェルノブイリ後の生物学的市民 [著]アドリアナ・ペトリーナ

曝された生 チェルノブイリ後の生物学的市民 [著]アドリアナ・ペトリーナ

■知識が生きる力に 福島との共通点も  ぼくたちが大規模な災害の被害者となったとき、生活再建の拠(よ)り所(どころ)になる/なれるのは、何だろう。国か自治体か、地域の共同体か専門家か、はたまた事故の責任者か自分自身か。………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年03月13日
[ジャンル]科学・生物 社会

アンドロイドは人間になれるか [著]石黒浩

アンドロイドは人間になれるか [著]石黒浩

■ロボットと「交流」、自ら実験台  石黒浩は型破りの研究者だ。マツコ・デラックスのそっくりロボット製作者として御存知(ごぞんじ)の方も多いかもしれない。あれが彼のやり方である。人間そっくりのロボット(ジェミノイド)を作………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年02月14日
[ジャンル]社会

科学思想史の哲学 [著]金森修

科学思想史の哲学 [著]金森修

■科学の偏り、権力との関係を批判    本を読む楽しみのひとつは、著者との対話にある。その際、意見や価値観が自分とまったく同じでも違いすぎてもおもしろくない。ほどよい距離感が不可欠だ。著者の金森修は、専門分野も近く、職………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年01月31日
[ジャンル]科学・生物

私たちはどこから来て、どこへ行くのか [著]森達也

私たちはどこから来て、どこへ行くのか [著]森達也

■“納得”求め、科学ととことん格闘  圧巻の面白さと圧倒的な違和感が同居する。しかも両者は同じ現象の裏表。であれば、読み出したら止まらなくなるのは当然だろう。  著者は言わずとしれた、オウム真理教を対象にしたノンフィク………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年01月17日
[ジャンル]科学・生物 社会

電気は誰のものか [著]田中聡 核の誘惑 [著]中尾麻伊香

電気は誰のものか [著]田中聡 核の誘惑 [著]中尾麻伊香

■巻き込む魔性の力、夢と理想の裏面史  電気はあって当たり前。今の日本なら誰もがそう思う。そして電力事業者は、そういう社会を目立たないところで支える役回りを演じている。だが、事態はもっと複雑で生々しいものだということを………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年11月15日
[ジャンル]科学・生物 社会

職業としての小説家 [著]村上春樹

職業としての小説家 [著]村上春樹

■文体革命もたらし、矛盾や変化を刻む  村上春樹の自伝的小説論&小説家論。既出の情報も多いが、ファンなら読んで損はない。  彼は、日本語小説の文体に革命をもたらした人だ。文体を変えるということは表現の手法を変えることで………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年10月25日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

「偶然」の統計学 [著]デイヴィッド・J・ハンド

「偶然」の統計学 [著]デイヴィッド・J・ハンド

■数字を武器に「奇跡」に迫る  「なぜ奇跡は起こるのか?」を説明する本である。もう少し正確に表現すると、「人はなぜそれを奇跡と思うのか?」を、分かりやすく面白く解説してくれる本である。  人間の直観は、物事の起こる確率………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年10月18日
[ジャンル]経済

その〈脳科学〉にご用心―脳画像で心はわかるのか [著]サリー・サテル、スコット・O・リリエンフェルド

その〈脳科学〉にご用心―脳画像で心はわかるのか [著]サリー・サテル、スコット・O・リリエンフェルド

■心は複雑、成果の真偽見抜く力を  脳科学の進歩はものすごい。今や人の心はすべて脳で説明できると言わんばかりの勢いだ。商品のマーケティングから薬物中毒、選挙の投票行動、学校教育、法廷での証言のウソを見抜くことまで、脳科………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年09月27日
[ジャンル]科学・生物 医学・福祉

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