佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)の書評

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佐倉統 (東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
さくら・おさむ。1960年東京都生まれ。進化生物学を軸に、生物学史、科学技術論、科学コミュニケーション論を専門とする。著書に『現代思想としての環境問題』『進化論の挑戦』『進化論という考えかた』『「便利」は人を不幸にする』など。

科学思想史の哲学 [著]金森修

科学思想史の哲学 [著]金森修

■科学の偏り、権力との関係を批判    本を読む楽しみのひとつは、著者との対話にある。その際、意見や価値観が自分とまったく同じでも違いすぎてもおもしろくない。ほどよい距離感が不可欠だ。著者の金森修は、専門分野も近く、職………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年01月31日
[ジャンル]科学・生物

私たちはどこから来て、どこへ行くのか [著]森達也

私たちはどこから来て、どこへ行くのか [著]森達也

■“納得”求め、科学ととことん格闘  圧巻の面白さと圧倒的な違和感が同居する。しかも両者は同じ現象の裏表。であれば、読み出したら止まらなくなるのは当然だろう。  著者は言わずとしれた、オウム真理教を対象にしたノンフィク………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2016年01月17日
[ジャンル]科学・生物 社会

電気は誰のものか [著]田中聡 核の誘惑 [著]中尾麻伊香

電気は誰のものか [著]田中聡 核の誘惑 [著]中尾麻伊香

■巻き込む魔性の力、夢と理想の裏面史  電気はあって当たり前。今の日本なら誰もがそう思う。そして電力事業者は、そういう社会を目立たないところで支える役回りを演じている。だが、事態はもっと複雑で生々しいものだということを………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年11月15日
[ジャンル]科学・生物 社会

職業としての小説家 [著]村上春樹

職業としての小説家 [著]村上春樹

■文体革命もたらし、矛盾や変化を刻む  村上春樹の自伝的小説論&小説家論。既出の情報も多いが、ファンなら読んで損はない。  彼は、日本語小説の文体に革命をもたらした人だ。文体を変えるということは表現の手法を変えることで………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年10月25日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

「偶然」の統計学 [著]デイヴィッド・J・ハンド

「偶然」の統計学 [著]デイヴィッド・J・ハンド

■数字を武器に「奇跡」に迫る  「なぜ奇跡は起こるのか?」を説明する本である。もう少し正確に表現すると、「人はなぜそれを奇跡と思うのか?」を、分かりやすく面白く解説してくれる本である。  人間の直観は、物事の起こる確率………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年10月18日
[ジャンル]経済

その〈脳科学〉にご用心―脳画像で心はわかるのか [著]サリー・サテル、スコット・O・リリエンフェルド

その〈脳科学〉にご用心―脳画像で心はわかるのか [著]サリー・サテル、スコット・O・リリエンフェルド

■心は複雑、成果の真偽見抜く力を  脳科学の進歩はものすごい。今や人の心はすべて脳で説明できると言わんばかりの勢いだ。商品のマーケティングから薬物中毒、選挙の投票行動、学校教育、法廷での証言のウソを見抜くことまで、脳科………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年09月27日
[ジャンル]科学・生物 医学・福祉

中谷宇吉郎—人の役に立つ研究をせよ [著]杉山滋郎

中谷宇吉郎—人の役に立つ研究をせよ [著]杉山滋郎

■雪氷の科学者の意外な一面  「雪は天から送られた手紙である」。中谷宇吉郎といえばこの一節。世界に冠たる雪氷の研究者だ。彼と同じ北海道大学で教鞭(きょうべん)をとっていた科学史家の筆になるこの評伝は、地の利を活(い)か………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年09月06日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

動物たちの武器―闘いは進化する [著]ダグラス・J・エムレン

動物たちの武器―闘いは進化する [著]ダグラス・J・エムレン

■人と動物、軍拡競争の自然誌  たとえばカブトムシの角、ゾウの牙、シオマネキのハサミ。身体に不釣り合いに大きな器官が、動物にはよく見られる。単に生き延びることを考えればむしろ邪魔になりそうだ。なんでこんなものが進化して………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年08月23日
[ジャンル]科学・生物

ホワット・イフ?―野球のボールを光速で投げたらどうなるか [著]ランドール・マンロー

ホワット・イフ?―野球のボールを光速で投げたらどうなるか [著]ランドール・マンロー

■奇抜な質問、科学の面白さ破格  こういう小ネタ集は面白くても書評しにくいんだよなあ、と思いながら読み始めたら、なんとまあ、その面白さの破格であることよ! これを紹介しないのは罪であると確信した。著者のウェブサイトに寄………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年08月16日
[ジャンル]文芸

意識はいつ生まれるのか—脳の謎に挑む統合情報理論 [著]マルチェッロ・マッスィミーニ、ジュリオ・トノーニ

意識はいつ生まれるのか—脳の謎に挑む統合情報理論 [著]マルチェッロ・マッスィミーニ、ジュリオ・トノーニ

■科学的な追求で、謎に突破口  意識とは何か? この永遠の謎に、俊英2人が挑む。  意識研究は哲学や心理学、情報科学などさまざまな分野が関係し、さらに厄介なことに「誰もが自分の意識については専門家」なので、議論は混迷の………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年07月26日
[ジャンル]科学・生物

二重螺旋―完全版 [著] ジェームズ・D・ワトソン

二重螺旋―完全版 [著] ジェームズ・D・ワトソン

■生命科学の時代と露骨な競争の幕開け  著者のジム・ワトソンは生命科学界のスティーヴ・ジョブズだ。本質をズバリとつかみとる強烈な直観力、高速回転する頭脳、沸き立つエネルギー、身体中から放射されるオーラ、なんとしても目標………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年07月12日
[ジャンル]科学・生物 ノンフィクション・評伝

スタニスワフ・レム コレクション 短篇ベスト10 [著] スタニスワフ・レム

スタニスワフ・レム コレクション 短篇ベスト10 [著] スタニスワフ・レム

■SFをダシに哲学、今も新鮮  スタニスワフ・レムは、いろいろな顔をもつ作家だ。映画化された長編『ソラリス』のように知性とは何かを追求したり、情報と生命はどこが違うのかを真っ向から扱ったり、自我意識の虚構性をあっさりと………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年07月05日
[ジャンル]文芸

ある国にて—南アフリカ物語 [著]ローレンス・ヴァン・デル・ポスト

ある国にて—南アフリカ物語 [著]ローレンス・ヴァン・デル・ポスト

■差別への絶望と良心の相克描く  舞台は1930年代の南アフリカ。アパルトヘイト体制確立前夜。ボーア戦争で負けたオランダ系白人は勝者のイギリス人に見下され、世をはかなみ、その屈折した思いをさらに原住民の差別へと増幅させ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年06月21日
[ジャンル]歴史 社会

人は火山に何を見るのか 環境と記憶/歴史[著] 寺田匡宏

人は火山に何を見るのか 環境と記憶/歴史[著] 寺田匡宏

■読んで見つめる多様な社会  副題の三語をキーワードに、著者の書評や映画評を集めた論集。単なる寄せ集めではなく、連作書評集とでも言うべき形式だ。  「本を読む」という行為によって、人は広い意味での環境、つまり、周りの人………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年06月14日
[ジャンル]文芸

はじめての福島学 [著] 開沼博

はじめての福島学 [著] 開沼博

■データを共有し「イメージ」正す  東日本大震災の年に『「フクシマ」論』で衝撃のデビューを果たし、以後、被災地の「内側」からのメッセージを全力で発信し続けてきた著者の、震災から4年目にしての新境地。  元来彼は質的な調………[もっと読む]

[評者]ビジネス
[掲載]2015年05月24日
[ジャンル]経済 社会

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