本郷和人(東京大学教授・日本中世史)の書評

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本郷和人 (東京大学教授・日本中世史)
1960年東京都生まれ。日本中世政治史、中世古文書学、中世寺院史を専門とする一方、「AKB史」にも明るい。著書に『中世朝廷訴訟の研究』『武士から王へ お上の物語』『天皇はなぜ生き残ったか』『謎とき平清盛』『武士とはなにか 中世の王権を読み解く』など。

三成の不思議なる条々 [著]岩井三四二

三成の不思議なる条々 [著]岩井三四二

■浮かび上がる関ケ原合戦の本質  ある人が、日本橋の筆の立つ町人に頼みこんだ。天下分け目の関ケ原合戦をレポートしてくれ、と。真の依頼主の名は明かせない。表面的なことではなく、事の実相を何とか聞き出してもらいたい。  町………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年03月29日
[ジャンル]歴史

蒙古襲来 [著]服部英雄

蒙古襲来 [著]服部英雄

■「神風」が吹いたのは真実か  私の師、中世史家・石井進がもっとも愛した弟子がこの本の著者・服部英雄である。地域に密着しての綿密な取材には定評があり、著書は数々の賞に輝く。その彼が日本が体験した数少ない外国との戦いの一………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年03月22日
[ジャンル]歴史

武士の奉公—本音と建前 江戸時代の出世と処世術 [著]高野信治

武士の奉公—本音と建前 江戸時代の出世と処世術 [著]高野信治

■現代に通じる悩み、生き生きと  戦国時代、武士は合戦で名を挙げ、高い地位と豊かな収入を手にした。命がけのつらい奉公ではあったが、立身の機会はみなに開かれていたし、示された武功にはだれもが納得せざるを得なかった。  と………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年03月08日
[ジャンル]歴史

晩鐘 [著]佐藤愛子

晩鐘 [著]佐藤愛子

■元夫にこだわる作家の心情とは  私事で恐縮だが、家内は同級生で同業者(中世史家・東大教授)。みな「本郷には過ぎたる女性」と評する。加えて新年度から上司になる。その妻が、これ面白いわよ、とにやにやして奨(すす)めたのが………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年02月15日
[ジャンル]文芸

「進撃の巨人」と解剖学—その筋肉はいかに描かれたか [著]布施英利

「進撃の巨人」と解剖学—その筋肉はいかに描かれたか [著]布施英利

■人気コミックの深遠な謎に迫る  日本中で、いまもっとも多くの人々が「謎とき」に悩み、かつ楽しんでいるコミック『進撃の巨人』(単行本累計発行部数4千2百万部)。この深遠で魅惑的な謎に、「美術解剖学」を武器として敢然と立………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年02月08日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

冬を待つ城 [著]安部龍太郎 鳳雛の夢 [著]上田秀人

冬を待つ城 [著]安部龍太郎 鳳雛の夢 [著]上田秀人

■奥州の大義求める苦難の戦い  東北の戦いの歴史は、苦い。「征夷(せいい)」大将軍・坂上田村麻呂の侵攻、源頼義・義家父子による前九年の役、鎌倉武士が大挙して押し寄せた平泉の討滅、豊臣秀吉の「奥州仕置(しおき)(征服)」………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年02月01日
[ジャンル]歴史

毛利元就—武威天下無双、下民憐愍の文徳は未だ [著]岸田裕之

毛利元就—武威天下無双、下民憐愍の文徳は未だ [著]岸田裕之

■戦国の巨人にストイックに挑む  広島県の西半分を、かつて安芸国といった。同国の国人領主(小大名ほどの存在)から身を起こし、安芸一国の主(あるじ)となり、やがては中国地方一帯に影響力を及ぼす大大名にのし上がる。一代でそ………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2015年01月25日
[ジャンル]歴史 人文

君は山口高志を見たか―伝説の剛速球投手 [著]鎮勝也

君は山口高志を見たか―伝説の剛速球投手 [著]鎮勝也

■太く短いプロ生活に悔いなし  山口高志。約170センチの(野球選手としては)小柄なからだをぎりぎりまで大きく使って、最も速いスピードボールを投げた男。ぼくが記憶している彼のタマは打者のヘソのあたりからググッとホップし………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2014年12月07日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

江戸時代の医師修業 学問・学統・遊学 [著]海原亮

江戸時代の医師修業 学問・学統・遊学 [著]海原亮

■地域の「医界」に育てられた  江戸幕府は医療に責任を持たなかった。その働きは各地の藩に委ねられ、いくつかの藩は医師を育てるシステムを作った。だが、それは機能しなかった。システムは中だるみの状態を呈し、円滑な医師の供給………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2014年11月30日
[ジャンル]歴史

肥満—梟雄(きょうゆう)—安禄山の生涯 [著]東郷隆

肥満—梟雄(きょうゆう)—安禄山の生涯 [著]東郷隆

■生きるため貪り食う風雲児  時代小説の妙手・東郷隆が、果敢に新しい分野に挑戦した。舞台は多民族国家である唐。主人公はソグドと突厥(チュルク)の血を受けた、一世の風雲児、安禄山。彼は傾国の佳人・楊貴妃とのロマンスで有名………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2014年11月23日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

考古学崩壊—前期旧石器捏造事件の深層 [著]竹岡俊樹

考古学崩壊—前期旧石器捏造事件の深層 [著]竹岡俊樹

■「神の手」断罪だけで何も変わらず  事情や流儀があるのだから、隣家の夫婦ゲンカには首をつっこまない方がいい。まして一方の主張の鵜呑(うの)みは御法度で、必ず各々(おのおの)に理があるものだ。だから一介の中世史研究者た………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2014年11月16日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

明治の「性典」を作った男―謎の医学者・千葉繁を追う [著]赤川学

明治の「性典」を作った男―謎の医学者・千葉繁を追う [著]赤川学

■時代と格闘した人を再発見  千葉繁といっても、あの高名なアニメの声優ではない。幕末・明治を生きた医学者であり、『造化機論』という本を訳出した。造化機とは生殖器のこと。性交を科学的に解明した日本初の本であり、男女の交わ………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2014年11月09日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

島原の乱とキリシタン [著]五野井隆史

島原の乱とキリシタン [著]五野井隆史

■史料をして歴史を語らしめる  1637(寛永14)年10月に始まった島原の乱は、日本史上最大の一揆であった。3万人あまりが蜂起して原城に立てこもり、10万人以上の幕府軍と戦った。4カ月の攻防の末に城は陥落。一揆勢の大………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2014年10月26日
[ジャンル]歴史

男色の日本史―なぜ世界有数の同性愛文化が栄えたのか [著]ゲイリー・P・リュープ

男色の日本史―なぜ世界有数の同性愛文化が栄えたのか [著]ゲイリー・P・リュープ

■正面から向き合い、真摯に分析  あったことは感得できる。けれど、どう説明したらいいのか分からない——ということが、歴史にはよくある。その昔は中世の仏教がそうであった。八百万(やおよろず)の神々を祀(まつ)る朝廷で盛ん………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2014年10月12日
[ジャンル]歴史

検証―長篠合戦 [著]平山優

検証―長篠合戦 [著]平山優

■フェアに、冷静に、実証的に  天正3(1575)年5月、織田信長・徳川家康軍と武田勝頼軍は、設楽原(したらがはら)(愛知県新城市)で決戦した。信長は鉄砲3000丁を用意、「三段撃ち」により戦国最強の武田騎馬隊に完勝し………[もっと読む]

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)
[掲載]2014年09月28日
[ジャンル]歴史

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