諸富徹(京都大学教授・経済学)の書評

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諸富徹 (京都大学教授・経済学)
もろとみ・とおる。1968年大阪府生まれ。環境税や政策課税の問題などを研究。著書に『環境税の理論と実際』(国際公共経済学会賞、日本地方財政学会佐藤賞など)『地域再生の新戦略』(日本公共政策学会著作賞)『私たちはなぜ税金を納めるのか 租税の経済思想史』など。

ユーロから始まる世界経済の大崩壊―格差と混乱を生み出す通貨システムの破綻とその衝撃 [著]ジョセフ・E・スティグリッツ

ユーロから始まる世界経済の大崩壊―格差と混乱を生み出す通貨システムの破綻とその衝撃 [著]ジョセフ・E・スティグリッツ

■危機の国々を縛るトロイカ  英国のEU離脱や大量の難民到来に揺れる欧州。だがその背後にある最大の問題は、低迷する欧州経済だ。いまや各国で反EU感情が広がり、極右政党が伸長する。そこでは、長く続く経済的苦境が影を落とし………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年11月13日
[ジャンル]政治 経済 国際

大学入試改革―海外と日本の現場から [著]読売新聞教育部

大学入試改革―海外と日本の現場から [著]読売新聞教育部

■投資を惜しまず多様な人材獲得  2020年度から小中高校で順次始まる次期学習指導要領の目玉は、「アクティブ・ラーニング(能動的学習)」だ。明治以来の詰め込み教育から脱却し、対話型の21世紀型学習に大転換する、画期的な………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年10月23日
[ジャンル]教育 社会

マイナス金利政策―3次元金融緩和の効果と限界 [編著]岩田一政・左三川郁子・日本経済研究センター

マイナス金利政策―3次元金融緩和の効果と限界 [編著]岩田一政・左三川郁子・日本経済研究センター

■デフレ打開の切り札?弱点は?  9月に日銀は、政策目標の軸足を資金供給量から金利に転換すると発表した。もっとも、金利のマイナス幅拡大は見送る一方、量的緩和の旗を降ろさなかった。だが筆者らは試算に基づき、日銀による高水………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年10月02日
[ジャンル]経済

野蛮から生存の開発論―越境する援助のデザイン [著]佐藤仁

野蛮から生存の開発論―越境する援助のデザイン [著]佐藤仁

■縦割りの「欠陥」が裾野広げた  日本の開発援助とは何かを問い直す、良質な思考の書が現れた。本書はアマルティア・センの思想を踏まえ、途上国の「不足」ではなく、彼らが「もっているもの」に着目してそれを伸ばすアプローチを重………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年09月18日
[ジャンル]経済 社会

「平成の大合併」の政治経済学 [著]中澤克佳、宮下量久

「平成の大合併」の政治経済学 [著]中澤克佳、宮下量久

 1999年に始まった平成の大合併で、自治体数は3229から1727に激減。明治、昭和に次ぐ第3の大規模合併となった。行政を効率化すると喧伝(けんでん)されたが、実際はどうだったのか。本書は、データに基づく実証的な検証を………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年09月04日
[ジャンル]政治 経済

2050 近未来シミュレーション日本復活 [著]クライド・プレストウィッツ

2050 近未来シミュレーション日本復活 [著]クライド・プレストウィッツ

■夢の成功国家、実現への秘策は  2050年の日本。ワシントンDCを飛び立った超音速旅客機ミツビシ808は2時間半の快適な旅を終え、羽田空港に着陸。訪問客は、世界最先端の情報技術で社会システムの利便性を飛躍的に引き上げ………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年08月28日
[ジャンル]経済

18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの [著]井手英策/子育て支援が日本を救う―政策効果の統計分析 [著]柴田悠

18歳からの格差論―日本に本当に必要なもの [著]井手英策/子育て支援が日本を救う―政策効果の統計分析 [著]柴田悠

■成長優先の発想、大胆に転換  かつて先進国で稀(まれ)にみる平等社会といわれた日本。だが、バブル崩壊から四半世紀を経て、貧困と格差が最大の社会問題に浮上した。これまで、経済成長さえすれば給与が増え、貧困や格差も自然に………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年08月07日
[ジャンル]経済 社会

蔡英文 新時代の台湾へ [著]蔡英文

蔡英文 新時代の台湾へ [著]蔡英文

■中小企業群が担う強靱な経済  著者は、台湾総統選で国民党候補に圧勝し、本年5月に台湾初の女性総統に就任した。いま、世界でもっとも注目される政治家の1人だ。彼女は、前回の総統選(2012年)に敗北した責任をとって民進党………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年07月24日
[ジャンル]政治 社会 ノンフィクション・評伝

認知資本主義―21世紀のポリティカル・エコノミー [編]山本泰三

認知資本主義―21世紀のポリティカル・エコノミー [編]山本泰三

■創造・知・ネットの時代の入門書  世界経済が混迷を深め、その先行きを見通せない不安からか、資本主義の本質を問う出版が相次ぐ。本書もその一つだ。「認知資本主義」とは耳慣れないが、経済を動かす力が、物質的な資産から非物質………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年07月03日
[ジャンル]経済

公害から福島を考える―地域の再生をめざして [著]除本理史

公害から福島を考える―地域の再生をめざして [著]除本理史

 福島第一原発事故では、放射性汚染のために多くの農家が生業を絶たれた。例えば、福島県飯舘村は、工場誘致による地域開発から、地域固有資源を活(い)かした内発型地域振興に舵(かじ)を切っていた。肉用牛の振興によるブランド化を………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年06月26日
[ジャンル]社会

ガルブレイス―アメリカ資本主義との格闘 [著]伊東光晴

ガルブレイス―アメリカ資本主義との格闘 [著]伊東光晴

■現実に挑んだ、本質射抜く言葉  名著『ケインズ』を擁する著者が、20世紀アメリカを代表する経済学者ガルブレイスに取り組み、その思想がもつ現代的意義を見事に浮かび上がらせた。  ガルブレイスは、アメリカ資本主義の批判的………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年06月12日
[ジャンル]経済

時間かせぎの資本主義―いつまで危機を先送りできるか [著]ヴォルフガング・シュトレーク

時間かせぎの資本主義―いつまで危機を先送りできるか [著]ヴォルフガング・シュトレーク

■脅かされる国民福祉と民主主義  資本主義経済の運営がなぜうまく行かないのか。成長率は回復せず、国家債務は増大の一途をたどるばかりだ。各国の中央銀行は競って量的緩和策に乗り出すが、問題の根本治癒に至らない。時間を買って………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年05月22日
[ジャンル]経済

内子座―地域が支える町の劇場の100年 [編著]『内子座』編集委員会

内子座―地域が支える町の劇場の100年 [編著]『内子座』編集委員会

■自治で生んだ宝、自治育む場に  愛媛県の内子町(うちこちょう)民による、町の共有資産に対する愛情に溢(あふ)れた一冊だ。内子座は大正時代に創建された和風様式の劇場である。内子町は幕末から明治にかけて高質な木蝋(もくろ………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年05月08日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 社会

脱原発の哲学 [著]佐藤嘉幸・田口卓臣

脱原発の哲学 [著]佐藤嘉幸・田口卓臣

■構造的差別の連鎖に終止符を  熊本地震で改めて、原発と地震の関係が注目されている。私たちが活断層から免れられない以上、「地震大国日本と原発は共存できるか」という根源的な問いは避けられない。原発を根底から問い直す本書を………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年05月01日
[ジャンル]科学・生物

開発なき成長の限界―現代インドの貧困・格差・社会的分断 [著]アマルティア・セン、ジャン・ドレーズ

開発なき成長の限界―現代インドの貧困・格差・社会的分断 [著]アマルティア・セン、ジャン・ドレーズ

■民主主義が開く貧困層の未来  世界が経済の変調に翻弄(ほんろう)される中、インド経済が好調だ。2015年度成長率はなんと7・6%。いまや中国を上回り、最も急速に成長する国の一つだ。だがその成長の果実は公平に分配され、………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年03月20日
[ジャンル]政治 経済

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