五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)の書評

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五十嵐太郎 (建築批評家・東北大学教授)
1967年パリ生まれ。「あいちトリエンナーレ2013」(芸術監督)で、芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。主な著書に『新宗教と巨大建築』 『美しい都市・醜い都市』『現代建築に関する16章』『被災地を歩きながら考えたこと』『ヤンキー文化論序説』(編著)ほか。

イケアとスウェーデン―福祉国家イメージの文化史 [著]サーラ・クリストッフェション

イケアとスウェーデン―福祉国家イメージの文化史 [著]サーラ・クリストッフェション

■共感と消費を呼ぶ「物語」の力  家具や雑貨を販売する巨大なイケアの店舗に足を踏み入れると、印象的なディスプレーとカタログ、開放された倉庫、簡単な組み立て商品など、独特の雰囲気にのまれ、つい思っていた以上に多くの商品を………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年12月20日
[ジャンル]経済 社会

北京をつくりなおす 政治空間としての天安門広場 [著]ウー・ホン

北京をつくりなおす 政治空間としての天安門広場 [著]ウー・ホン

■巨大空間めぐるイメージの闘争  以前、ヴェネツィア・ビエンナーレで世界都市を比較する展示を見たとき、人が集まる重要な場所としてヨーロッパの各都市が代表的な広場を紹介したのに対し、東京は絶えず人が行き交う渋谷のスクラン………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年12月13日
[ジャンル]歴史 政治 社会

にもかかわらず―1900—1930 [著]アドルフ・ロース [訳]加藤淳

にもかかわらず―1900—1930 [著]アドルフ・ロース [訳]加藤淳

■「装飾は犯罪」今も刺さる主張  とんでもない一文に出会う。「建築家を毒殺せよ」。建築嫌いの批評家が気まぐれに書いた文章ではない。20世紀初頭のウィーンで活躍した建築家、アドルフ・ロースが一貫した思想のもとで記したもの………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年11月29日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

現代美術キュレーター・ハンドブック [著]難波祐子

現代美術キュレーター・ハンドブック [著]難波祐子

■実務の細部が語る苦労と魅力  キュレーターとは一般的に学芸員のことだが、近年はもっと広義に情報を整理したり、各分野で企画をたてる人も意味する。本書は国内外で美術展を手がけた著者が企画展におけるキュレーターの仕事を丁寧………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年11月15日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

ロマネスク美術革命 [著]金沢百枝

ロマネスク美術革命 [著]金沢百枝

■かわいい、楽しい、中世の独創  母が中世のロマネスク美術を研究していたので、若いときから、本書で論じられている「枠組みの法則」を知っていたが、その印象を大きく変える内容だった。これは美術史家アンリ・フォションが提唱し………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年11月01日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

ナチスと自然保護―景観美・アウトバーン・森林と狩猟 [著]フランク・ユケッター

ナチスと自然保護―景観美・アウトバーン・森林と狩猟 [著]フランク・ユケッター

■政権に接近した郷土愛の理想  ナチスが悪であることは世界の共通認識だろう。だが、ナチスが先進的に打ち出した政策の中には、現在良いイメージをもたれているものがある。例えば、喫煙と肺がんの因果関係が証明され、健康な国民=………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年10月11日
[ジャンル]政治 科学・生物 社会

伊勢神宮とは何か [著]植島啓司 [写真]松原豊 神都物語 [著]ジョン・ブリーン

伊勢神宮とは何か [著]植島啓司 [写真]松原豊 神都物語 [著]ジョン・ブリーン

■変容続ける聖域、国家との関係も  20年に1度建て替えの儀式を行う伊勢神宮は、いつも新しい現代建築であると同時に古代を想像させる特殊な建築だ。そしてミステリアスな存在ゆえに、各ジャンルの論者を様々な解釈に誘う。建築か………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年09月13日
[ジャンル]歴史

インテリアデザインが生まれたとき [著]鈴木紀慶

インテリアデザインが生まれたとき [著]鈴木紀慶

■アートと響き合う創成記  建築では建築史という学問が確立しており、それをもとに作品が位置づけられ批評的な言語がつくられているが、インテリアデザインにはそれがなく、一過的に消費されてきた。が、この数年ようやく歴史をまと………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年09月06日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

映画は絵画のように―静止・運動・時間 [著]岡田温司

映画は絵画のように―静止・運動・時間 [著]岡田温司

■野心的イメージ論、的確な記述で  オリンピックのエンブレム問題が引き金になって、ネット上ではデザインのコピペ探しが過熱している。その様子を眺めていると、創作とは100%オリジナルであるという誤解が意外に根強いと改めて………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年08月23日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

チャップリンとヒトラー—メディアとイメージの世界大戦 [著]大野裕之

チャップリンとヒトラー—メディアとイメージの世界大戦 [著]大野裕之

■笑いと全体主義の攻防、今なお  映画を通じて世界に笑いを届けた喜劇王のチャップリン。一方、全体主義によって世界を恐怖に巻き込んだ政治家のヒトラー。2人は1889年にわずか4日違いで生まれ、ともにチョビ髭(ひげ)がトレ………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年08月09日
[ジャンル]人文 社会

マンガの論点—21世紀日本の深層を読む [著]中条省平

マンガの論点—21世紀日本の深層を読む [著]中条省平

■読み心誘う歴史意識ある批評  フランス文学者の著者が2006年7月から14年10月まで連載したマンガの時評をまとめたものである。100回分のテキストをテーマ別に分けることなく、そのまま時間軸で配列し、新書ながら774………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年07月26日
[ジャンル]社会

百貨店で〈趣味〉を買う―大衆消費文化の近代 [著] 神野由紀

百貨店で〈趣味〉を買う―大衆消費文化の近代 [著] 神野由紀

■紳士が愛したキッチュな「国風」  かつて百貨店は女性のものではなかった。現在は化粧品や婦人服の売り場が中心になっているように、女性の消費に支えられている。だが、著者が論じるのは、近代都市に出現した新中間層、すなわち「………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年07月12日
[ジャンル]政治 社会

保存修復の技法と思想―古代芸術・ルネサンス絵画から現代アートまで [著]田口かおり

保存修復の技法と思想―古代芸術・ルネサンス絵画から現代アートまで [著]田口かおり

■破壊すれすれの技に問う美  保存修復と聞くと、地味なテーマと思われるかもしれない。だが、本書はきわめてアクティブな美術論になっている。なぜなら、保存とは、時間、作品の同一性(アイデンティティ)、そして記憶とアーカイブ………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年06月28日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

S,M,L,XL+ [著]レム・コールハース

S,M,L,XL+ [著]レム・コールハース

■まるでSF小説、挑発的な建築論  世界的に活躍する建築家の主著がついに邦訳された。背表紙の厚さが約8センチに及ぶ巨大な原著は辞書のような作品集であり、文字と図版の組み合わせも斬新。モノとしてカッコいいために、どこのデ………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年06月14日
[ジャンル]文芸

戦艦大和講義―私たちにとって太平洋戦争とは何か [著]一ノ瀬俊也

戦艦大和講義―私たちにとって太平洋戦争とは何か [著]一ノ瀬俊也

■欲と運命背負い、今も飛び立つ  海に沈んだ大和が宇宙戦艦ヤマトになって、人類を救う。子供のとき、この奇妙なアニメに没頭し、大人になって、これは敗戦した日本の精神を満足させる壮大なSF偽史だったのではないかと考えるよう………[もっと読む]

[評者]五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授)
[掲載]2015年06月07日
[ジャンル]政治 社会

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