大竹昭子(作家)の書評

写真:大竹昭子さん

大竹昭子 (作家)
1950年東京都生まれ。ノンフィクション、エッセー、小説、写真評論など幅広い分野で執筆。主な著書に『図鑑少年』『日和下駄とスニーカー』『ニューヨーク1980』『彼らが写真を手にした切実さを』『読むとだれかに語りたくなる―わたしの乱読手帖』など。朗読イベント<カタリココ>を主宰。http://katarikoko.blog40.fc2.com

ゲルダ—キャパが愛した女性写真家の生涯 [著]イルメ・シャーバー

ゲルダ—キャパが愛した女性写真家の生涯 [著]イルメ・シャーバー

■生を燃焼させる魔力に魅入られ  戦争写真が人々の目に触れるようになったのはスペイン内戦からである。新進のグラフ誌が写真を掲載し、カメラマンの意欲に拍車をかけた。近年女性戦場カメラマンの先がけとして注目されているゲルダ………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2016年01月10日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

優しい鬼 [著]レアード・ハント

優しい鬼 [著]レアード・ハント

■人生をつなぐ静かな声が流れる  アメリカの作家は、自分のヴォイスが見つかるまで書き出せなかったという言い方をよくする。文体ではなくて、声。これが何なのか気になっていたが、本書を読んで目先が明るくなった。物語の底をたし………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年12月13日
[ジャンル]文芸

アメリカは食べる。―アメリカ食文化の謎をめぐる旅 [著]東理夫

アメリカは食べる。―アメリカ食文化の謎をめぐる旅 [著]東理夫

■「広さ」と「移動」、克服する料理たち  著者はカナダの日系2世の両親を持つ日本育ち。グレイヴィソースのかかった肉料理とか、コーンビーフ・キャベッジとか、食卓には一風変わったメニューが並んだ。その記憶をたどりながら、北………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年11月29日
[ジャンル]歴史

アートは資本主義の行方を予言する—画商が語る戦後七〇年の美術潮流 [著]山本豊津

アートは資本主義の行方を予言する—画商が語る戦後七〇年の美術潮流 [著]山本豊津

■清濁合わせ飲む立場からの回想  物々しいタイトルだが、アートほど資本主義の仕組みを先鋭的に表しているものはないだろう。価値があってないような曖昧な「商品」に売買が成り立つのだから。  この動きが顕著になったのは戦後。………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年11月15日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

オルフェオ [著]リチャード・パワーズ

オルフェオ [著]リチャード・パワーズ

■遺伝子の描く音楽の本質  主人公ピーター・エルズは七十歳で独り身。オンラインで注文したDNAで自宅でゲノム改変を試みる、日曜遺伝子工学者だ。一方で彼は作曲家でもある。一見無縁に思える二つがエルズのなかでどう結びついた………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年10月25日
[ジャンル]文芸

写真幻想 [著]ピエール・マッコルラン

写真幻想 [著]ピエール・マッコルラン

■無意識写す「道具による文学」  「写真は文学にもっとも近い芸術なのです。」という帯の引用文にえっ!と驚く人が多いのではないか。写真と文学はむしろ遠いというのが現代の感覚だろう。  ピエール・マッコルランは澁澤龍彦や生………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年09月27日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

日々の光 [著]ジェイ・ルービン

日々の光 [著]ジェイ・ルービン

■肌の色や宗教を越えた“母と子”  書き方のスタイルはオーソドックスだし、「母探し」というテーマも新しいものではないが、母と子に血のつながりがなく、しかも肌の色が異なるとなれば話はちがう。  戦前に北米に移住した野村と………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年09月20日
[ジャンル]文芸

わたしの土地から大地へ [著]セバスチャン・サルガド、イザベル・フランク

わたしの土地から大地へ [著]セバスチャン・サルガド、イザベル・フランク

■都市と異なる視座、問いかけ  サルガドの写真がすごいのはわかる。ブラジルの金鉱掘り、ルワンダの難民、大規模製造業の手仕事、自然保護区の生態系。地球的規模で撮影された写真は一目で記憶に焼き付くほど強く、世間の高い評価を………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年09月13日
[ジャンル]文芸

オープンダイアローグとは何か [著・訳]斎藤環

オープンダイアローグとは何か [著・訳]斎藤環

■対話の力で治す 希望の鍵は言葉に  薬物をほとんど使わずに対話の力で統合失調症さえも治す「オープンダイアローグ」という方法がフィンランドで着実に効果をあげ、公的医療の一つとして無料で提供されているという。この治療法を………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年08月30日
[ジャンル]医学・福祉 社会

秋山祐徳太子の母 [著]秋山祐徳太子

秋山祐徳太子の母 [著]秋山祐徳太子

■世界最強の母子家庭!  生まれながら世間と折り合いのつかない人がいる。そういう人物には、あんたはそのままでいい!という応援者がいると、その力がユニークな方向に爆発する。都知事選に出馬し、グリコならぬダリコと描いたシャ………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年08月09日

夜が来ると [著]フィオナ・マクファーレン

夜が来ると [著]フィオナ・マクファーレン

■老女とヘルパーの奇妙な関係  オーストラリアに虎はいないはず、いや、生息地ですら数が減っているのに、それが夜中に家に侵入してくる気配で小説は始まる。ルースは五年前に夫を亡くし、いまは夫婦で別荘として購入した海辺の家に………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年08月02日
[ジャンル]文芸

陸前高田 2011—2014 [著] 畠山直哉

陸前高田 2011—2014 [著] 畠山直哉

■受容の意志の厳かさ、美しさ  「僕には、自分の記憶を助けるために写真を撮るという習慣がない」。かつて畠山直哉はこのように書いた。写真を撮ることは自分の住む世界をよりよく知ることと同義だった。だが東日本大震災で故郷の陸………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年07月05日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

イザベルにーある曼荼羅 [著]アントニオ・タブッキ

イザベルにーある曼荼羅 [著]アントニオ・タブッキ

■うつろう時の流れに棹さす写真  2012年に他界したタブッキのたくらみに満ちた遺作。どこに反応するかは人それぞれだろう。『レクイエム』との重なりにうなずく人、文学的引用を絡めつつリスボン、マカオ、スイスと主人公が移動………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年06月14日
[ジャンル]文芸

忘れられた巨人 [著]カズオ・イシグロ

忘れられた巨人 [著]カズオ・イシグロ

■不穏な世を舞台に、記憶とは何か問う  ストイシズムか、あまのじゃくか、挑戦好きか、たぶんそのすべてだろうが、カズオ・イシグロは新作ごとに異なるスタイルで読者を驚かせてきた。長編としては十年ぶりの本作も同様。1ページ目………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年05月31日
[ジャンル]文芸

写真のボーダーランド―X線・心霊写真・念写 [著] 浜野志保

写真のボーダーランド―X線・心霊写真・念写 [著] 浜野志保

■心霊写真から探る写真の本質  目には見えないものを撮ったX線・心霊写真・念写の歴史を繙(ひもと)きながら、写真とは何かを問う。写真はそこに在るものが写る、だから写真に写っていれば存在することになる、というわけで写真は………[もっと読む]

[評者]大竹昭子(作家)
[掲載]2015年05月24日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能 科学・生物

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