中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)の書評

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中村和恵 (詩人・明治大学教授・比較文学)
1966年新潟市生まれ。小説、詩、翻訳などで活躍。主な著書に、『地上の飯 皿めぐり航海記』『日本語に生まれて 世界の本屋さんで考えたこと』『ドレス・アフター・ドレス クローゼットから始まる冒険』『世界中のアフリカへ行こう』(共著)など。

イルカ漁は残酷か [著]伴野準一

イルカ漁は残酷か [著]伴野準一

■複合的な問題、偏らずに分析  とかく理念先行で感情的なすれちがい論争になりがちなイルカ漁問題。本書は漁師、保護活動家、日本の水族館、世界動物園水族館協会(WAZA)などの、対立する見解に耳を傾け、追い込み漁の現場から………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年11月01日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ゴッホ・オンデマンド—中国のアートとビジネス [著]ウィニー・ウォン・イン・ウォング

ゴッホ・オンデマンド—中国のアートとビジネス [著]ウィニー・ウォン・イン・ウォング

■伝統産業の複製画に創造性?  中国の経済特区、深セン(シンセン)市郊外の大芬(ダーフェン)村は、世界の複製画の6割を産する土地である。そう聞いて、違法な偽造業者と闇工場を想像する人は、この本が伝える実態と考察に、考え………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年10月04日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

冥途あり [著]長野まゆみ 出来事の残響 [著]村上陽子

冥途あり [著]長野まゆみ 出来事の残響 [著]村上陽子

■妙なる小世界、原爆の記憶  東京の下町生まれの父と、その弟妹(きょうだい)、それぞれの子どもたちが暮らす、ゆるやかに水の流れる土地。ゆきかう小舟、江戸時代とじかにつながって息づく、小さな神さまや職人たちの営み。長野ま………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年09月20日
[ジャンル]文芸

神秘列車 [著]甘耀明

神秘列車 [著]甘耀明

■浮気な神さま、懐かしい郷土  台湾の現代作家、甘耀明(カンヤオミン)の短編集。生まれ故郷の苗栗(ミャオリー)県が主な舞台だ。土地の神さま・伯公(バッゴン)の夜遊びを止めようと(!?)、廟にお妾(めかけ)さんの神像を迎………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年09月06日
[ジャンル]文芸

たまたまザイール、またコンゴ [著]田中真知

たまたまザイール、またコンゴ [著]田中真知

■命がけの旅、許す意味を悟る  文字通り命がけ、でも呆然(ぼうぜん)とするほどのんきで愉快な、実践哲学的コンゴ河旅行記。  1991年当時、著者夫婦が住んでいたエジプトの政情不安が高まり、旅行でも、とモブツ独裁政権下の………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年08月16日
[ジャンル]歴史

スクープ [著]イーヴリン・ウォー

スクープ [著]イーヴリン・ウォー

■勘違いで特派員、ワハハな笑劇  パタゴニア滞在記で有名な流行作家ジョン・ブートは、内乱の兆しがある東アフリカのイシュメイリアに行きたいと知人に頼みこむ。有力者の推薦である新聞社がブートを特派員にした、はずだった。とこ………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年08月02日
[ジャンル]文芸

キャプテン・クックの列聖—太平洋におけるヨーロッパ神話の生成 [著]ガナナート・オベーセーカラ

キャプテン・クックの列聖—太平洋におけるヨーロッパ神話の生成 [著]ガナナート・オベーセーカラ

■西洋近代の世界観を徹底批判  これは稀(まれ)な声である。誤謬(ごびゅう)もあるし曲解もある。だが無視できない、重要な声だ。  ポリネシアの「発見者」と目されるクック船長は、1779年ハワイ島上陸の際、土地の神ロノと………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年07月19日
[ジャンル]歴史 社会

ウイダーの副王 [著] ブルース・チャトウィン

ウイダーの副王 [著] ブルース・チャトウィン

■波乱にみちた奴隷商人の生涯  19世紀初頭のアフリカ西部ダホメー王国の奴隷積み出し港ウイダーに、ブラジルから一人の奴隷商人がやってきた。王に捕らえられ、不吉な白い肌を黒く染めるためインディゴ(青藍)の樽(たる)に漬け………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年07月12日
[ジャンル]文芸

紙の動物園 [著]ケン・リュウ

紙の動物園 [著]ケン・リュウ

■未来と郷愁と生の意味を紡ぐ  話題のSF作家による短編集。つよいノスタルジアの感覚が、巧みなプロットの15編を包んでいる。  表題作「紙の動物園」に、SFエンターテインメントを期待する読者は戸惑うかもしれない。英語が………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年06月28日
[ジャンル]文芸

人類五〇万年の闘い—マラリア全史 [著]ソニア・シャー

人類五〇万年の闘い—マラリア全史 [著]ソニア・シャー

■年3億人感染、問題は貧困  抜群の適応力でマラリア原虫はつねに人類を出し抜く。七変化して薬やワクチンをすりぬけ、蚊の唾液(だえき)からヒトの赤血球へ。推定感染者は年3億人、死者百万人。  マラリアは民族地図を塗り替え………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年06月21日
[ジャンル]社会

日本海ものがたりー世界地図からの旅 [著]中野美代子

日本海ものがたりー世界地図からの旅 [著]中野美代子

■他者の物語、問いかける内海  出発地は『西遊記』の女人国。地誌と伝承、歴史と妄想、各国の思惑の間をすいすいと海流に乗り、想像力の船が進む。ガリヴァーの地図、シーボルト事件、英仏の本初子午線争い、バルチック艦隊と多彩な………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年06月14日
[ジャンル]歴史

境界を越えて [著]C・L・R・ジェームズ

境界を越えて [著]C・L・R・ジェームズ

■クリケットで語る植民地の精神  『ブラック・ジャコバン——トゥサン=ルヴェルチュールとハイチ革命』の著者として知られるジェームズの故郷は、カリブ海のイギリス植民地、西インド諸島のトリニダード島。家の窓からはクリケット………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年06月07日
[ジャンル]文芸 人文 ノンフィクション・評伝

牛と土 福島、3・11その後。 [著] 眞並恭介

牛と土 福島、3・11その後。 [著] 眞並恭介

■巨大な矛盾に対峙する牛飼い  食べられない肉牛、売れない乳を出す乳牛に、経済的価値はない。しかしそれでも、牛は生きている。原発事故が起き、政府に安楽死させるよういわれたからといって、大切に飼ってきた牛を無駄に殺せない………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年05月17日
[ジャンル]社会

狩り狩られる経験の現象学—ブッシュマンの感応と変身 [著]菅原和孝

狩り狩られる経験の現象学—ブッシュマンの感応と変身 [著]菅原和孝

■人間と動物の対等な駆け引き  南部アフリカのボツワナに住む、通称ブッシュマンの一集団グイは、時代の変化にさらされながらカラハリ砂漠で動物を狩り、ときには逆に狩られ、それでもつねに動物を「おもしろがり」、動物について語………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年04月19日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

遊廓のストライキ—女性たちの二十世紀・序説 [著]山家悠平

遊廓のストライキ—女性たちの二十世紀・序説 [著]山家悠平

■労働者としての娼妓の姿  1920年代から30年代初め頃、日本各地の遊廓(ゆうかく)で、娼妓(しょうぎ)の逃走やストライキが頻繁に起きた。彼女たちはなにを求め、いかに、どんな気持ちで闘ったのだろう。新聞雑誌の記事や投………[もっと読む]

[評者]中村和恵(詩人・明治大学教授・比較文学)
[掲載]2015年04月05日
[ジャンル]歴史

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