横尾忠則(美術家)の書評

写真:横尾忠則さん

横尾忠則 (美術家)
よこお・ただのり。1936年兵庫県生まれ。60年代からグラフィックデザイナーとして活躍、80年に画家に転向。画集に『赤の魔笛』『横尾忠則Y字路』『人工庭園』、随想や絵画論に『インドへ』『名画感応術』、対談集に『芸術ウソつかない』、小説に『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)など。

呵呵大将 [著]竹邑類

呵呵大将 [著]竹邑類

■自由で無邪気、素の三島由紀夫  三島由紀夫には複数の仮面がある。どの仮面の三島と親交を結ぶかはその人間の資質が決める。相手によって三島は如何(いか)なる仮面をも手品のように着け外しできる。まるで主題によって変幻自在の………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2014年01月26日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ガガです、ガカの―ロシア未来派の裔ゲオルギイ・コヴェンチューク [著]片山ふえ

ガガです、ガカの―ロシア未来派の裔ゲオルギイ・コヴェンチューク [著]片山ふえ

■天と通じた芸術家、宿命の試練  ガガといえば歌手のレディー・ガガが有名だが本書のガガはロシアの現代画家で、子供のころ本名の発音が難しく、自らをガガと呼んだ。僕は本書で初めてガガなる作家の名と作品を知った。ひょんなこと………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年12月15日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

死小説 [著]荒木経惟

死小説 [著]荒木経惟

■文字使わず遍歴つづる能の物語  荒木経惟が「死小説」と題する小説を書いたというが文字は一字もない。だからといって小説ではないとは言えまい。著者の言いたいのは「視小説」ではないのか。写真も立派な視覚言語(ビジュアルラン………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年12月08日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか? [著]栗田昌裕

謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか? [著]栗田昌裕

■2千キロも移動、奇跡的な邂逅  世界でも類を見ない海を渡る蝶(ちょう)アサギマダラの謎に満ちた行動を記録したドキュメントである。著者は数学を愛する医師で、理性と科学知によってアサギマダラの生態と自らの行動を通し、読者………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年11月17日
[ジャンル]科学・生物

ファントマ―悪党的想像力 [著]赤塚敬子

ファントマ―悪党的想像力 [著]赤塚敬子

■なぜ百年を経て人気があせないか  ファントマを知ったのは、ルネ・マグリットの画集を手にした1960年代であった。以来、心を去らず、自作の主題にもしてきたのは、マグリットの絵にたびたび描かれる黒タイツ姿の怪しい人物や、………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年11月10日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

ギャンブラー・モーツァルト 「遊びの世紀」に生きた天才 [著]ギュンター・バウアー

ギャンブラー・モーツァルト 「遊びの世紀」に生きた天才 [著]ギュンター・バウアー

■社交の主役、ゲームの魔術師  今まで読んだ何冊かのモーツァルトの伝記でも、彼の常軌を逸した遊びには面目躍如たる異端児ぶりに思わず瞠目(どうもく)してきたが、そんなモーツァルトの「遊び」の世界をさらに徹底的に眺めること………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年09月22日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

欲望の美術史 [著]宮下規久朗

欲望の美術史 [著]宮下規久朗

■「食欲」から「死」までの美の小径  画家が主題の選択に迷い、その拠(よ)りどころを一体どこに求めるべきかと心を煩悶(はんもん)させる経験は誰にもある。そんな時、本書があれば難なく画家は寸善尺魔の地獄から這(は)い上が………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年07月14日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 新書

シッダールタの旅 [著]ヘッセ [構成・写真]竹田武史

シッダールタの旅 [著]ヘッセ [構成・写真]竹田武史

■煩悩と解脱、輪廻の天地を活写  三島由紀夫氏の死の3日前の電話で「インドには呼ばれる者とそうでない者がいる。君はやっとインドに行く時期が来た」。なにやら呪術めいた言霊に背を押されて1974年にインドに発った。この年に………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年07月07日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 国際

「朦朧」の時代―大観、春草らと近代日本画の成立 [著]佐藤志乃

「朦朧」の時代―大観、春草らと近代日本画の成立 [著]佐藤志乃

■厳しい批判 やがて礼賛へ  誰が言い出したか「朦朧(もうろう)体」。日本美術院・岡倉天心の肝煎りではじめた横山大観、菱田春草らの日本画の新様式。形態(事物)のエッジを曖昧(あいまい)に暈(ぼか)すことで空気や光の表現………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年06月23日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

ミック・ジャガー ワイルド・ライフ [著]クリストファー・アンダーセン

ミック・ジャガー ワイルド・ライフ [著]クリストファー・アンダーセン

■彼は悪魔で神である  1969年、あの殺人事件が起こった悪名高きオルタモントのロックフェスティバルでのローリング・ストーンズは、僕の中に決定的な悪徳と危険の種子を移植させた。彼らに対する蠱惑(こわく)と拒絶! ストー………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年05月19日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

江戸絵画の非常識―近世絵画の定説をくつがえす [著]安村敏信

江戸絵画の非常識―近世絵画の定説をくつがえす [著]安村敏信

■「風神雷神」本当に宗達晩年の作?  一例をあげる。「風神雷神図屏風(びょうぶ)」(建仁寺)の作者といえば誰もが疑うこともなく俵屋宗達に決まっていると言う。これは常識である。本書はこんな常識に対して異議申し立てをする非………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年05月12日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

世界で一番美しい名画の解剖図鑑 [編著]カレン・ホサック・ジャネスほか

世界で一番美しい名画の解剖図鑑 [編著]カレン・ホサック・ジャネスほか

■私たちは絵の何を見ている?  展覧会場で絵を前にした時何を見ますか。色、線、形ですか。それとも構成? また物語ですか。いや作者の人生? やっぱり図像学的知識への関心? 私たちはこのような様々な要因を総動員して何とか「………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年04月21日
[ジャンル]歴史

ジョージ・ハリスン コンプリート・ワークス [編]ローリング・ストーン誌

ジョージ・ハリスン コンプリート・ワークス [編]ローリング・ストーン誌

■脇役から脱却、愛され尊敬され  ジョージ・ハリスンは「静かなビートル」と呼ばれ、ジョン・レノンとポール・マッカートニーの影に隠れた脇役的存在だったが、本書で語る多くの証言者によると彼はむしろジョン的資質に近く、思った………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年04月14日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

いきのびる魔法―いじめられている君へ [著]西原理恵子

いきのびる魔法―いじめられている君へ [著]西原理恵子

■胸に響く「うつくしいのはら」  表題作は学校に行くといじめられるので嘘(うそ)をついてでもずる休みをしなさいと作者は反道徳的に子供をあおる。でないといじめられて自殺することになるよと。16歳まで待てば社会に出て働ける………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年03月17日
[ジャンル]教育

 皮膚感覚と人間のこころ [著]傳田光洋

皮膚感覚と人間のこころ [著]傳田光洋

■触れるとなぜ気持ちいいのか  皮膚感覚という語は日常によく耳にするが、概念に対する身体感覚という意味で認識されているように思う。私たちは普段、皮膚に類する語を比喩的にけっこう無意識に使っている。「鳥肌が立つ」とか、「………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年03月03日
[ジャンル]科学・生物

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