江上剛(作家)の書評

写真:江上剛さん

江上剛 (作家)
1954年兵庫県生まれ。作家。銀行に在勤中の2002年『非情銀行』でデビュー。他に『起死回生』『腐蝕の王国』『座礁』『隠蔽指令』『社長失格』『小説金融庁』『告発の虚塔』『さらば銀行の光』、ルポに『戦いに終わりなし―最新アジアビジネス熱風録』など。前日本新興銀行社長。

IN [著]桐野夏生

IN [著]桐野夏生

■循環し、内向していく作家の魂  作家の鈴木タマキは恋愛における抹殺をテーマにした「淫(いん)」という小説を書こうとしていた。抹殺とは「無視、放置、逐電など、自分の都合で相手との関係を断ち、相手の心を『殺す』こと」だ。………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2009年07月05日
[ジャンル]文芸

正座と日本人 [著]丁宗鐵

正座と日本人 [著]丁宗鐵

■認知症やメタボを防ぐ効果も  トロイ遺跡を発見したシュリーマンは幕末の日本旅行記に、家族が正座して食事をする姿を興味深く書き残している。ベストセラー『「縮み」志向の日本人』の著者である李御寧は、正座を、精神を集中させ………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2009年06月14日
[ジャンル]歴史

偽りの書 [著]ブラッド・メルツァー

偽りの書 [著]ブラッド・メルツァー

■聖書とコミックが交錯する活劇  私が本を読むのは、たいてい電車の中だ。通勤電車で読むあなたと同じ。そこでぜひ本書を鞄(かばん)に入れて出勤して欲しい。とにかく面白い。息もつかせぬとはこのことだ。通勤時間が短く感じられ………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2009年06月07日
[ジャンル]文芸

奇をてらわず―陸軍省高級副官 美山要蔵の昭和 [著]伊藤智永

奇をてらわず―陸軍省高級副官 美山要蔵の昭和 [著]伊藤智永

 陸軍参謀の美山要蔵と言っても「WHO?」だろう。実は、彼こそ毎年夏に話題になる靖国神社A級戦犯合祀(ごうし)の黒幕と噂(うわさ)されている人物なのだ。しかし結論を先に言うと、彼は黒幕ではなく、実はそれとは対極にあった………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2009年05月31日
[ジャンル]歴史

漁師と歌姫 [著]又吉栄喜

漁師と歌姫 [著]又吉栄喜

■まったり心地よい土俗的な神話  最近は、草食系といわれる淡泊な、頼りない男が多くなったらしいが、この小説の主人公の正雄はいわゆる男らしい男。素手で人食いザメを捕るほど勇敢な漁師であり、櫂(かい)をこぐために上半身の筋………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2009年05月10日
[ジャンル]文芸

出てゆく [著]タハール・ベン・ジェルーン

出てゆく [著]タハール・ベン・ジェルーン

■希望と絶望の切ないモノローグ  なぜ苦しむのだろうか。希望があるから? それならいっそのこと人は希望を捨て、絶望と寄り添えばどれだけ楽になることか。物語の登場人物たちは誰もが祖国から「出てゆく」という希望を持っている………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2009年04月26日
[ジャンル]文芸

阿呆者 [著]車谷長吉

阿呆者 [著]車谷長吉

■作者と人生を歩んでいる錯覚に  車谷長吉氏の著作を書評するのは、ちょっとためらう。「お前なんかにあれこれ言われとうない」と文句を言われそうで怖いからだ。でもそんな恐怖を押しのけても紹介したいほどこの「阿呆者」は面白い………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2009年04月19日
[ジャンル]文芸

風の中のマリア [著] 百田尚樹

風の中のマリア [著] 百田尚樹

■「なぜ働くのか」とハチが問う  私は、書店などない兵庫丹波の小さな村で育った。本は、たまに大阪に出かける父が買ってきてくれた。父は全く本を読まない。しかし父が買ってきてくれる本はいつも心を弾ませた。中でも『ファーブル………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2009年04月05日
[ジャンル]文芸

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