山形浩生(評論家)の書評

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山形浩生 (評論家)
1964年東京都生まれ。翻訳家。著書に『新教養主義宣言』『要するに』、訳書にウィリアム・S・バロウズ『ソフトマシーン』、フィリップ・K・ディック『死の迷路』、ポール・クルッグマン『クルーグマン教授の経済入門』、スタンレー・ミルグラム『服従の心理』など。

肩をすくめるアトラス [著]アイン・ランド

肩をすくめるアトラス [著]アイン・ランド

 資本家による民衆搾取を糾弾する小説は多いが、本書はなんと、愚鈍で醜悪で無能な人民が、福祉とか公平とか弱者救済とかいうお題目をかさに、有能で美男美女ぞろいの資本家たちを弾圧して搾取していると糾弾するお話だ。登場人物は会話………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年12月12日
[ジャンル]文芸 人文

環境リスク学―不安の海の羅針盤 [著]中西準子

環境リスク学―不安の海の羅針盤 [著]中西準子

常識論にそった視点の有効性を示す  中西準子は、日本では常に時代の半歩先を歩いていた環境工学者だ。この本は彼女の退官講義と、環境問題をめぐる雑文を集めたもので、彼女のリスク論の優れた解説書にもなっている。  彼女のリス………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年11月14日
[ジャンル]科学・生物 社会

人間の本性を考える―心は「空白の石版」か 上・中・下 [著]スティーブン・ピンカー

人間の本性を考える―心は「空白の石版」か 上・中・下 [著]スティーブン・ピンカー

■遺伝特性を補う望ましい社会とは  人は最初は白紙状態で、環境や努力ですべてが決まるという思想は、ここ数世紀の不合理な差別撤廃や教育整備などに大きな役割を果たしてきた。でもこの思想には大きな問題がある。まちがってるんだ………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年10月17日
[ジャンル]人文 科学・生物

万国「家計簿」博覧会 [著]根岸康雄

万国「家計簿」博覧会 [著]根岸康雄

 かわいらしくも勉強になる一冊。世界13カ国の中流世帯の家計簿をネタに日々の生活の話をきくだけの、シンプルな本だが、それが各国の経済事情のみならず、社会状況から人生観まで描き出せているのは著者の才能のなせる技か、はたまた………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年10月03日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

カラシニコフ 松本仁一著(書評)

カラシニコフ 松本仁一著(書評)

 銃と問題提起、新発見ある稀有な一冊    カラシニコフことAK47といえば自動小銃の一大傑作。昔ベトナムで撃ったとき、横で射撃場の人がばらして掃除してるのを見て、そのシンプルさに唖然(あぜん)とさせられたっけ。こんな………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年09月26日
[ジャンル]社会

上がれ! 空き缶衛星 川島レイ著(書評)

上がれ! 空き缶衛星 川島レイ著(書評)

 挑戦・努力・友情!の青春物語    何事も実体験は大事だ。ガキの頃に時計やラジオや車や化学実験セットをいじって工学を志す人はたくさんいる。でも科学技術も高度化してきて、最近の原子力とか遺伝子工学とか宇宙工学とかだと実………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年09月05日
[ジャンル]科学・生物

マキャベリ的知性と心の理論の進化論(書評)

マキャベリ的知性と心の理論の進化論(書評)

 R・バーン、A・ホワイトゥン編    人間様はかなり賢いけれどなぜだろう。生き残るためとか、道具を使うようになったからとかいう説はある。でもそんなの実は大した知性はいらない。ゴキブリやミジンコだって立派に生き延びてい………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年08月01日
[ジャンル]科学・生物

パターン・レコグニション ウィリアム・ギブスン著(書評)

パターン・レコグニション ウィリアム・ギブスン著(書評)

 Pattern Recognition  目新しさと懐かしさ、奇妙な同居    もう二十年も前に、産軍学複合体と大コングロマリットの支配するネットワーク社会を傑作『ニューロマンサー』で描き出したウィリアム・ギブスンの………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年07月25日

『ナショナリズム』『アナーキズム』 浅羽通明著(書評)

『ナショナリズム』『アナーキズム』 浅羽通明著(書評)

 『ナショナリズム』『アナーキズム』 −名著でたどる日本思想入門  「道具としての思想」核心に迫る    思想なんて、何の役にたつの? これにきちんと答えるのはむずかしい。思想なんてナントカ主義だのイズムだの本質だの可………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年07月11日
[ジャンル]人文 新書

デザイン・ルールーモジュール化パワー [著]C・Y・ボールドウィン、K・B・クラーク

デザイン・ルールーモジュール化パワー [著]C・Y・ボールドウィン、K・B・クラーク

 仕事の切り分けをうまくやると能率は抜群にあがる。これは常識だけれど、独立して評価するのはむずかしい。分業の多くは誰かが思いついてしまえば当然に思えてしまう。理念としてはわかるが、その部分だけの価値なんてはかりようがない………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年06月20日
[ジャンル]経済 IT・コンピューター

国際機関と日本ー活動分析と評価 [編]田所昌幸、城山英明

国際機関と日本ー活動分析と評価 [編]田所昌幸、城山英明

 日本の国際関係の議論の多くで、国際連合は錦の御旗だ。国の外交目標でも国連常任理事国入りが自己目的化しているし、アメリカ従属を嫌う人々にとって、特に冷戦後は国連しかよりどころがない。でも、国連って役にたってるの? 看板………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年06月13日
[ジャンル]国際

ふたりジャネット [著]テリー・ビッスン

ふたりジャネット [著]テリー・ビッスン

■小説の楽しさ満喫、無駄なお遊び    この本を読み始めて、ぼくは思わず笑い出してしまったのだった。いや別に、すごいギャグ満載ってわけじゃない。いまや小説の多くは、作者の意図と時に反する形で、風俗小説としてしか読まれな………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年05月02日
[ジャンル]文芸

トンデモ科学の見破りかた—もしかしたら本当かもしれない9つの奇説 [著]ロバート・アーリック

トンデモ科学の見破りかた—もしかしたら本当かもしれない9つの奇説 [著]ロバート・アーリック

■常識ひっくりかえす、笑える読み物    元祖『トンデモ本の世界』シリーズは、確固たる常識の立場から明らかにヘンな本や議論を物笑いのタネにするという、ある種悪趣味な、だが(だから?)むちゃくちゃにおもしろいシリーズだ。………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年04月11日
[ジャンル]科学・生物

天才数学者、株にハマる ジョン・アレン・パウロス著

天才数学者、株にハマる ジョン・アレン・パウロス著

 A Mathematician Plays the Stock Market  人の失敗蜜の味、のせられる前にどうぞ    ぐふふふ。人の失敗とは美味なものであることよ。著者はこれまで日常生活にまつわる数学上の勘違い………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年03月28日
[ジャンル]経済 科学・生物

嘘つき大統領のデタラメ経済 ポール・クルーグマン著

嘘つき大統領のデタラメ経済 ポール・クルーグマン著

 嘘(うそ)つき大統領のデタラメ経済    The Great Unraveling: Losing Our Way in the New Century    公開情報で切り込む「熱い」同時代評    ノーベル賞目前………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2004年03月14日
[ジャンル]政治 経済

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