中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)の書評

写真:中島岳志さん

中島岳志 (北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
1975年大阪府生まれ。著書に『中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義』(大佛次郎論壇賞)『ヒンドゥー・ナショナリズム―印パ緊張の背景』『パール判事―東京裁判批判と絶対平和主義』など。

戴季陶と近代日本 [著]張玉萍

戴季陶と近代日本 [著]張玉萍

■憧れと警戒、引き裂かれた心  中国国民党を代表する政治家で、孫文の右腕として活躍した戴季陶(たいきとう)の生涯を活写する。  戴は日本留学経験があり、日本語が堪能だった。そのため近代東アジア史の激流の中に身を置きなが………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年05月15日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 国際

近代日本の社会事業思想―国家の「公益」と宗教の「愛」 [著]姜克實

近代日本の社会事業思想―国家の「公益」と宗教の「愛」 [著]姜克實

■利他活動と宗教、関係問い直す  昨年末からのタイガーマスク騒動や東日本大震災への義援金など、社会的再配分の機運が高まっている。しかし、その持続可能性は、未知数だ。  ボランティアという語が、もともとキリスト教の「志願………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年05月08日
[ジャンル]人文 社会

葬式をしない寺―大阪・應典院の挑戦 [著]秋田光彦/ルポ 仏教、貧困・自殺に挑む [著]磯村健太郎

葬式をしない寺―大阪・應典院の挑戦 [著]秋田光彦/ルポ 仏教、貧困・自殺に挑む [著]磯村健太郎

■社会に開いて、「縁」の場再生  被災地でボランティア活動に取り組む僧侶から話を聞いた。彼は避難所を訪ね、心のケアに携わろうとした。彼が「精神的に辛(つら)い思いを抱えている人の相談役を引き受けたい」と申し出たところ、………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年04月17日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝 新書

帝国の残影―兵士・小津安二郎の昭和史 [著]與那覇潤

帝国の残影―兵士・小津安二郎の昭和史 [著]與那覇潤

■描いた家族、描かぬ戦場  昭和の日本を描いた小津映画には、直接的な戦争描写が欠如している。しかし、われわれはそこに無意識のうちに戦争の爪あとを読み取る。なぜか。  小津には重い戦争体験があった。兵士としての小津は、帝………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年04月03日
[ジャンル]歴史 人文

家族新聞 [写真]浅田政志 [文]共同通信社 

家族新聞 [写真]浅田政志 [文]共同通信社 

■家族の形は多様、肩の力抜いて  日本は「家族」の問題でゆれ続けている。幼児虐待、引きこもり、介護、高齢者の所在不明……。すべては家族のあり方の揺らぎが関係している。  社会的関係性やコミュニティーが流動化する中、育児………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年03月06日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 社会

評伝オーロビンド [著]ピーター・ヒース

評伝オーロビンド [著]ピーター・ヒース

■近代の突破、普遍宗教に求める  20世紀初頭、インドの独立運動は大きな転機を迎えた。イギリスとの対話を重視した知識人に対し、即時の完全独立を要求する急進的なグループが現れた。彼らは大衆運動を重視し、時に過激な武装闘争………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年02月27日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

文学者たちの大逆事件と韓国併合 [著]高澤秀次

文学者たちの大逆事件と韓国併合 [著]高澤秀次

■「国民」の境界めぐる国家的暴力 ■  昨年2010年は、大逆事件と韓国併合から100年。両者が同じ年に起きたことは、偶然でありながら必然でもある。正しい日本人のコードを設定した大逆事件と植民地政策による同化をすすめた………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年02月13日
[ジャンル]歴史 人文 新書

盗賊のインド史―帝国・国家・無法者 [著]竹中千春

盗賊のインド史―帝国・国家・無法者 [著]竹中千春

■近代国家の本質を逆照射  『女盗賊プーラン』という本を覚えているだろうか。1997年に日本語訳が出版されると、現代インド女性の自伝としては異例のロングセラーとなり、話題となった。  プーラン・デーヴィーは、幼児婚・年………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年01月23日
[ジャンル]歴史 人文 国際

必生 闘う仏教 [著]佐々井秀嶺

必生 闘う仏教 [著]佐々井秀嶺

■インドの仏教復興運動の先頭で  1967年にインドに渡り、仏教復興運動の先頭に立ってきた佐々井氏。彼は多くのインド人仏教徒から支持され、2003年にはインド政府少数者委員会の仏教徒代表にも選出された。本書は、彼の語り………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2011年01月16日
[ジャンル]人文 新書 国際

神的批評 [著]大澤信亮 

神的批評 [著]大澤信亮 

■自己との対峙迫る「食べるとは」  私たちは皆、殺しながら生きている。生きるためには食べなければならない。食べることは殺すことである。生きることと殺すことは不可分の関係にある。  しかし、日常の私たちは、生きることの暴………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年12月12日
[ジャンル]人文 社会

パンとペン―社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い [著]黒岩比佐子

パンとペン―社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い [著]黒岩比佐子

■苦境を笑いに変える抵抗の精神  今年は大逆事件から100年。幸徳秋水をはじめとする社会主義者・アナーキスト12名が処刑され、社会主義は「冬の時代」に突入した。本書は、主に大逆事件からの約10年間にスポットライトを当て………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年11月28日
[ジャンル]歴史 社会 ノンフィクション・評伝

父を焼く―上野英信と筑豊 [著]上野朱 

父を焼く―上野英信と筑豊 [著]上野朱 

■人とまじわり酒酌み交わして  近年、若い研究者の間で雑誌「サークル村」への関心が高まっている。  この雑誌の創刊は1958年。谷川雁、森崎和江、上野英信らが編集委員に名を連ねた。  福岡県中間市を拠点に刊行された「サ………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年10月31日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

場所と産霊―近代日本思想史 [著]安藤礼二 

場所と産霊―近代日本思想史 [著]安藤礼二 

■独学の世界放浪者が交錯し思想誕生  近代日本のオリジナルな思想とは何か。日本哲学は、いつどこで生まれたのか——。著者は、その光源を19世紀末から20世紀初頭のアメリカに見いだそうとする。  鍵になる人物は、スウェーデ………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年10月17日
[ジャンル]人文

大川周明 イスラームと天皇のはざまで [著]臼杵陽

大川周明 イスラームと天皇のはざまで [著]臼杵陽

■政教一致に大乗アジアの未来仮託  かつて竹内好は、講演の中で次のように述べたことがある。「イスラムによる世界征服というビジョンが大川にはあるような気がします」  近代日本を代表するアジア主義者として活躍した大川周明。………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年10月10日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

NHK、鉄の沈黙はだれのために 番組改変事件10年目の告白 [著]永田浩三

NHK、鉄の沈黙はだれのために 番組改変事件10年目の告白 [著]永田浩三

意思決定の真相に当事者が迫る  NHKの番組改変事件から10年がたとうとしている。ETV2001特集「戦争をどう裁くか」の2回目「問われる戦時性暴力」が、直前に改変されたこの事件は、大物政治家からの圧力問題にまで発展し………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年10月03日
[ジャンル]政治 ノンフィクション・評伝

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る