蜂飼耳(詩人・作家)の書評

写真:蜂飼耳さん

蜂飼耳 (詩人・作家)
はちかい・みみ。1974年生まれ。詩集『いまにもうるおっていく陣地』(中原中也賞)、『食うものは食われる夜』(芸術選奨新人賞)、『顔をあらう水』(鮎川信夫賞)、絵本『うきわねこ』(産経児童出版文化賞ニッポン放送賞)。主な小説集に『紅水晶』、文集に『空席日誌』『おいしそうな草』など。

文学の空気のあるところ [著]荒川洋治

文学の空気のあるところ [著]荒川洋治

■人間性に係わる実学を見渡す  「文学は実学だ」と現代詩作家の荒川洋治は繰り返し強調する。人間性に係(かか)わり、人間をつくるものという意味で虚学ではない、と。けれど、それを「必要以上に軽んじようとしている空気がある」………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年08月02日
[ジャンル]人文

雨の裾 [著]古井由吉

雨の裾 [著]古井由吉

■老いの時間に渦巻く死と官能  古井由吉はこれまでも、夢と現(うつつ)の境、過去と現在の境を踏みこえる小説を書いてきた。その世界は、揺らぐ幻の像と確固とした質感を併せ持ち、独自の展開を見せる。『雨の裾』はいよいよ極まろ………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年07月19日
[ジャンル]人文

歩道橋の魔術師 [著]呉明益

歩道橋の魔術師 [著]呉明益

■響き合う人生と都市の回想  台湾の台北にはかつて中華商場というショッピングモールが存在した。一九六一年に完工、八棟の建物に千軒以上の商店があり、にぎわった。九二年に全棟が解体されたが、いまもなお当時を知る人々の記憶に………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年07月05日
[ジャンル]文芸

女たち三百人の裏切りの書 [著]古川日出男

女たち三百人の裏切りの書 [著]古川日出男

■改竄された「源氏」、「現代」映す物語の妙  王朝物語の最高傑作として読み継がれてきた『源氏物語』に古川日出男が挑む。小説『女たち三百人の裏切りの書』の舞台は、平安時代後半から院政期にかけての時代だ。紫式部が『源氏物語………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年06月28日
[ジャンル]歴史 文芸 ノンフィクション・評伝

詩に就いて [著]谷川俊太郎

詩に就いて [著]谷川俊太郎

■ウィットと軽み、原点を見つめる  谷川俊太郎の新詩集。タイトルはずばり『詩に就いて』だ。六十年以上詩を書き続けてきた著者が、八十代のいま、改めて投げかける問い。それがこの詩集だ。  どの詩も言葉の立ち姿がくっきりとし………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年06月07日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

長田弘全詩集 [著] 長田弘

長田弘全詩集 [著] 長田弘

■人生で大切なこと、深く見つめた言葉  今月初めに、詩人の長田弘は亡くなった。その少し前に刊行された全詩集は、これまでにまとめられた詩集のすべてを集大成したかたちだ。『われら新鮮な旅人』(1965)から『奇跡—ミラクル………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年05月24日
[ジャンル]文芸 人文 ノンフィクション・評伝

友は野末に―九つの短篇 [著]色川武大

友は野末に―九つの短篇 [著]色川武大

■困惑と屈託を味方につけて  学校になじめずにグレて、博打(ばくち)にのめりこむ。ナルコレプシーという睡眠に関係する持病のため、幻覚に襲われる。色川武大の『友は野末に』は、そんな作家の生活と人生を織りこんだ九つの短編を………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年05月10日
[ジャンル]文芸

宰相A [著]田中慎弥

宰相A [著]田中慎弥

■制度と図式に対抗する小説  田中慎弥の小説『宰相A』は、コッポラ監督の映画「ゴッドファーザー」やカフカの小説「城」、三島由紀夫にも言及しながら、人間を取り巻く制度とその図式に、果敢に対抗する。制度を成り立たせるのは言………[もっと読む]

[評者]蜂飼耳(詩人・作家)
[掲載]2015年04月05日
[ジャンル]文芸

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