いとうせいこう(作家・クリエーター)の書評

写真:いとうせいこうさん

いとうせいこう (作家・クリエーター)
1961年東京都生まれ。音楽や舞台、映画などの分野でも活躍。小説に『ノーライフキング』『ワールズ・エンド・ガーデン』『波の上の甲虫』『想像ラジオ』、エッセーに『ボタニカル・ライフ』(講談社エッセイ賞)など。奥泉光らとの共著に『文芸漫談』、みうらじゅんとの共著に『見仏記』もある。ホームページは「WATCH SEIKO」

いつか、この世界で起こっていたこと [著]黒川創

いつか、この世界で起こっていたこと [著]黒川創

■胸に迫る、生きている時間  「震災文学」という、あたかも一過性であるような呼び名は、本書にふさわしくない。  断章形式で時間と空間を自在に移動し、繊細な手つきで人間たちを描写する六本の短編は、確かにどれも東日本大震災………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2012年08月05日
[ジャンル]文芸

植物たちの私生活 [著]李承雨

植物たちの私生活 [著]李承雨

■絶望の奥から紡ぐ家族の物語  すでに世界各国に読者を持つ韓国の作家・李承雨のこの長編小説は、荒々しい暴力で始まって性をめぐり、かなわぬ愛を高らかに謳(うた)い、ひとつの平凡な家族がそれぞれに抱えていた特異な過去を明ら………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2012年07月22日
[ジャンル]文芸

東京プリズン [著]赤坂真理

東京プリズン [著]赤坂真理

■忘却された歴史、文学でとらえる  「文芸」連載当時から圧倒的な異彩を放っていた『東京プリズン』が大著としてまとまり、その水準の高い仕掛けの緻密(ちみつ)さ、重みの全貌(ぜんぼう)をこの世にあらわした。  エピグラフに………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2012年07月15日
[ジャンル]文芸

ひさし伝 [著]笹沢信

ひさし伝 [著]笹沢信

■自筆年譜のずれに創作の秘密  ストリップ劇場でコントを書いて笑いの歴史を変え、放送作家としてテレビ創成期を支え、劇作家として多重構造の言葉遊びで人物の生を多様に描き、奇想天外な小説で日本のありかたを深く構想、その上で………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2012年06月24日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

たどたどしく声に出して読む歎異抄 [訳著]伊藤比呂美

たどたどしく声に出して読む歎異抄 [訳著]伊藤比呂美

■生きていた親鸞に近づく言葉  鎌倉時代に唯円が書いたとされる親鸞の思想の粋、『歎異抄』等を詩人・伊藤比呂美が読み、読みあぐね、読み解いていく記録が本著である。  伊藤は「弥陀(みだ)の五劫思惟(ごこうしゆい)の願(が………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2012年06月17日
[ジャンル]文芸

新ビルマからの手紙/増補復刻版 ビルマからの手紙 [著]アウンサンスーチー

新ビルマからの手紙/増補復刻版 ビルマからの手紙 [著]アウンサンスーチー

■明るく粘り強く抵抗する  現在ビルマ(「ミャンマー」は軍事政権側による国名であり、民主化勢力、ならびにそれを支持する者は「ビルマ」と呼ぶ)では補欠選挙で「国民民主連盟(NLD)」が過半数を超える得票をし、アウンサンス………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2012年05月06日
[ジャンル]国際

時は老いをいそぐ [著]アントニオ・タブッキ

時は老いをいそぐ [著]アントニオ・タブッキ

■過去との苦い和解にじませ  タブッキが亡くなってしまった。三年前に『イタリア広場』、昨年は自作批評『他人まかせの自伝』が出版され、我々日本の愛読者は充実した数年を送っていたのだったが。  一般にイタリア文学の代表とさ………[もっと読む]

[評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)
[掲載]2012年04月01日
[ジャンル]文芸

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