川端裕人(作家)の書評

写真:川端裕人さん

川端裕人 (作家)
1964年兵庫県生まれ。小説に『夏のロケット』(サントリーミステリー大賞優秀作品賞)『せちやん 星を聴く人』『算数宇宙の冒険』『ギャングエイジ』『風のダンデライオン』、ノンフィクションに『PTA再活用論』『動物園にできること』『ペンギン大好き!』など。ブログは「リヴァイアさん、日々のわざ」

宇宙怪人しまりす 医療統計を学ぶ―検定の巻 [著]佐藤俊哉

宇宙怪人しまりす 医療統計を学ぶ―検定の巻 [著]佐藤俊哉

■医療での因果関係追究に必須  宇宙怪人しまりすは、京都大学医療統計学教室に留学中。圧倒的科学力を誇るりすりす星出身で、戦争ばかりしている地球を征服して平和にしようと来訪した。ところが平和なりすりす星には、風邪や腹痛く………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年08月19日
[ジャンル]医学・福祉

バイエルの謎―日本文化になったピアノ教則本 [著]安田寛

バイエルの謎―日本文化になったピアノ教則本 [著]安田寛

■響き合う母子の思い見いだす  評者が幼い頃、ピアノ初学者にはバイエル教則本と決まっていた。長じて子を得、ピアノ教室に通わせたところバイエルは消えていた。90年代「古くさいだけで特に優れているわけでもない(バイエル)教………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年08月05日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

文化系統学への招待―文化の進化パターンを探る [編著]中尾央・三中信宏

文化系統学への招待―文化の進化パターンを探る [編著]中尾央・三中信宏

■絵巻伝本や社会組織の研究も  系統樹と聞くとまず生物進化を想起する。共通先祖から枝別れしていく、樹(き)を思わせる図は有名だ。最近、系統探求の方法を生物以外に使う動きが盛んになり「文化系統学」の旗が掲げられた。  注………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年07月15日
[ジャンル]人文

数学ガール ガロア理論 [著]結城浩

数学ガール ガロア理論 [著]結城浩

■物語追い、高みから景色を見る  夏休みの青春物語、と言っていいだろう。数学好きの中高生が「ガロア理論」を理解しようと一段ずつ階段を上る姿を描くのだから。  20歳で夭逝(ようせい)した天才ガロアは決闘で命を落とす直前………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年07月01日
[ジャンル]科学・生物

雪まんま [著]あべ美佳

雪まんま [著]あべ美佳

■地域と食を軸、未来への応援歌  雪まんまは米の品種。低水温に耐えるので、東北地方の山間にも適し食味もよい。主人公ゆきは故郷の稲作を救うため試験栽培に成功し、品種登録にこぎ着ける。もちろん現実には存在しない架空の米だ。………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年06月24日
[ジャンル]文芸

ブラッドベリ、自作を語る [著]レイ・ブラッドベリ、サム・ウェラー

ブラッドベリ、自作を語る [著]レイ・ブラッドベリ、サム・ウェラー

■火星で僕の本が読まれるだろう  訃報(ふほう)から数日たった今、ネット検索すると、日本語の追悼記事やコメントがすでに数万件にも達している。火星に進出した人類が自らを火星人と認識するに至る『火星年代記』、情報統制社会の………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年06月10日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

雲の人びと [著]ジェミア&J・M・G・ル・クレジオ

雲の人びと [著]ジェミア&J・M・G・ル・クレジオ

■サハラ砂漠、家族の帰還の物語  表題の「雲の人びと」はモロッコ最南端のサハラ砂漠で雨を追い生活する一族。作家の妻の祖父母が出た部族であり、よそ者には近寄りがたい遠隔地「赤い川」の涸(か)れ谷を本拠とする。長年夢見なが………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年06月03日
[ジャンル]文芸

若者の気分 少年犯罪〈減少〉のパラドクス [著]土井隆義

若者の気分 少年犯罪〈減少〉のパラドクス [著]土井隆義

■統計を検討、情緒的議論と決別  20世紀最後の数年、少年による凶悪犯罪が散発し「少年犯罪の増加!」と騒ぎになった。しかし長い目でみて減少傾向が明らかと分かると、世の論は少年犯罪の凶悪化、再犯の増加を問題にする方向に横………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年05月27日
[ジャンル]社会

イルカの認知科学―異種間コミュニケーションへの挑戦 [著]村山司

イルカの認知科学―異種間コミュニケーションへの挑戦 [著]村山司

■ヒトとの会話を目指して  研究目的は「イルカと話すこと」とあっけらかんと述べる。類人猿では手話やコンピューターを使って実現しており、イルカ研究の目標としておかしくない。しかし、ここで身構える人もいるはず。ことイルカに………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年05月20日
[ジャンル]科学・生物

理系の子―高校生科学オリンピックの青春 [著]ジュディ・ダットン

理系の子―高校生科学オリンピックの青春 [著]ジュディ・ダットン

■無邪気な知的好奇心と探究  数学オリンピックのように「理系」の国際大会があることは有名だが、北米で盛んな「サイエンスフェア」についてはあまり知られていないと思う。英語で「フェア」というと、家畜や農作物の品評会を連想す………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年05月13日
[ジャンル]科学・生物 ノンフィクション・評伝

タダイマトビラ [著]村田沙耶香

タダイマトビラ [著]村田沙耶香

■家族というシステムの外へ  子どもを愛せない母親に育てられた娘の物語。もっとも、ネグレクトなどの虐待を受けているわけでもなさそうで、その分、冷静に自らの欲求を自覚し、将来理想の家族を作ることを目標に据える。  小学生………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年04月29日
[ジャンル]文芸

右利きのヘビ仮説 追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化 [著]細将貴

右利きのヘビ仮説 追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化 [著]細将貴

■若き研究者、人間臭い「冒険書」  この世に「右利きのヘビ」なるものが存在して、右巻きのカタツムリ食に特化しているようだ。カタツムリの大多数は右巻きであり理にかなっているが、右利きヘビの存在は、期せずして、少数派の左巻………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年04月22日
[ジャンル]科学・生物

相田家のグッドバイ [著]森博嗣

相田家のグッドバイ [著]森博嗣

■親の老い、乾いた筆致で描く  かつて揺るぎなく見え「お手本」として導いてくれた親がいつの間にか「弱く」なりむしろこちらが保護者だと気づく瞬間がある。その発見はわりと唐突に訪れる。衰えていく父母を見送る過程で、自分自身………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年04月08日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

テングザル―河と生きるサル [著]松田一希

テングザル―河と生きるサル [著]松田一希

■がむしゃらに 現場からの発見  テングザルという長い鼻を持つ猿が東南アジア・ボルネオ島の森に棲(す)んでいる。川の近くで寝起きし、水かきを上手に使って対岸まで泳ぐ「川の猿」だ。牛のような「前胃」を持ち、葉を効率的に消………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年04月01日
[ジャンル]科学・生物

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る