佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)の書評

写真:佐倉統さん

佐倉統 (東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
さくら・おさむ。1960年東京都生まれ。進化生物学を軸に、生物学史、科学技術論、科学コミュニケーション論を専門とする。著書に『現代思想としての環境問題』『進化論の挑戦』『進化論という考えかた』『「便利」は人を不幸にする』など。

スタニスワフ・レム コレクション 短篇ベスト10 [著] スタニスワフ・レム

スタニスワフ・レム コレクション 短篇ベスト10 [著] スタニスワフ・レム

■SFをダシに哲学、今も新鮮  スタニスワフ・レムは、いろいろな顔をもつ作家だ。映画化された長編『ソラリス』のように知性とは何かを追求したり、情報と生命はどこが違うのかを真っ向から扱ったり、自我意識の虚構性をあっさりと………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年07月05日
[ジャンル]文芸

ある国にて—南アフリカ物語 [著]ローレンス・ヴァン・デル・ポスト

ある国にて—南アフリカ物語 [著]ローレンス・ヴァン・デル・ポスト

■差別への絶望と良心の相克描く  舞台は1930年代の南アフリカ。アパルトヘイト体制確立前夜。ボーア戦争で負けたオランダ系白人は勝者のイギリス人に見下され、世をはかなみ、その屈折した思いをさらに原住民の差別へと増幅させ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年06月21日
[ジャンル]歴史 社会

人は火山に何を見るのか 環境と記憶/歴史[著] 寺田匡宏

人は火山に何を見るのか 環境と記憶/歴史[著] 寺田匡宏

■読んで見つめる多様な社会  副題の三語をキーワードに、著者の書評や映画評を集めた論集。単なる寄せ集めではなく、連作書評集とでも言うべき形式だ。  「本を読む」という行為によって、人は広い意味での環境、つまり、周りの人………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年06月14日
[ジャンル]文芸

はじめての福島学 [著] 開沼博

はじめての福島学 [著] 開沼博

■データを共有し「イメージ」正す  東日本大震災の年に『「フクシマ」論』で衝撃のデビューを果たし、以後、被災地の「内側」からのメッセージを全力で発信し続けてきた著者の、震災から4年目にしての新境地。  元来彼は質的な調………[もっと読む]

[評者]ビジネス
[掲載]2015年05月24日
[ジャンル]経済 社会

ウィーン大学生フロイト 精神分析の始点 [著] 金関猛

ウィーン大学生フロイト 精神分析の始点 [著] 金関猛

■不条理な心、合理的な分析貫く  フロイトの精神分析は、しばしば胡散臭(うさんくさ)く非科学的とされる。だが本書は、ウィーン大学の学生時代にフロイトが何をどう学んだかを丹念に復元することにより、そのような見方が皮相的で………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年05月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

人工知能は人間を超えるか [著]松尾豊 エニグマ アラン・チューリング伝(上) [著]アンドルー・ホッジス

人工知能は人間を超えるか [著]松尾豊 エニグマ アラン・チューリング伝(上) [著]アンドルー・ホッジス

■「計算」の概念を変え、新世界の扉開いた  ここのところ、人工知能がめきめきと賢くなっている。将棋で一流のプロ棋士と対等に渡り合うほどになり、やがては人類を滅ぼすかもしれないと警告する科学者もいるほどだ。ちょっと前は、………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年05月10日
[ジャンル]科学・生物

骨相学—能力人間学のアルケオロジー [著]平野亮

骨相学—能力人間学のアルケオロジー [著]平野亮

■疑似科学、近代の欧米を席巻  頭の形を見れば、その人の能力が分かる——。こんな怪しげな主張で19世紀前半のヨーロッパやアメリカを席巻したのが骨相学である。今でこそ疑似科学の典型ともされるが、提唱者らが目指したのは、実………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年05月03日
[ジャンル]社会

恋する文化人類学者―結婚を通して異文化を理解する [著]鈴木裕之

恋する文化人類学者―結婚を通して異文化を理解する [著]鈴木裕之

■学問の掟破り的暴挙が面白い  学問は客観的で普遍的な知識の体系を目指している。そこから得られる展望はとても豊かなものがあるのだけど、普遍的であるが故に、日々の生活や個別の実感とは結びつかないことも多い。学問が進めば進………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年04月12日
[ジャンル]人文

放射線被曝の理科・社会—四年目の『福島の真実』 [著]児玉一八、清水修二、野口邦和

放射線被曝の理科・社会—四年目の『福島の真実』 [著]児玉一八、清水修二、野口邦和

■国民の「自覚なき容認」を問う  福島原発事故の後、低線量被曝(ひばく)についての良い本がたくさん出版されたが、書名に「社会」と銘打ったものはこれが初めてである。事故から4年が経ち、「放射能」は理科から社会の領域に移っ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年03月08日
[ジャンル]科学・生物 社会

文体の科学 [著]山本貴光

文体の科学 [著]山本貴光

■文章の生態系に肉薄する野心作  大学浪人時に通っていた予備校の国語の先生が、こんなことを言っていた。単語と単語の関係についての規則、つまり文法は、だいぶ体系化されているが、文と文の関係についての規則は、まだほとんど手………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年03月01日
[ジャンル]人文

中年の新たなる物語―動物学、医学、進化学からのアプローチ [著]デイヴィッド・ベインブリッジ

中年の新たなる物語―動物学、医学、進化学からのアプローチ [著]デイヴィッド・ベインブリッジ

■ポジティヴ・シンキングの勧め  中年はつらい。体力は衰え、もの忘れはひどくなり、若者からも年長者からも煙たがられ、増えるのは体重ばかり。良いことなんかひとつもない。  いや、違うんだ、中年期の変化はプラスの面が多く、………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年02月15日
[ジャンル]科学・生物

なぜ生物時計は、あなたの生き方まで操っているのか? [著]ティル・レネベルク

なぜ生物時計は、あなたの生き方まで操っているのか? [著]ティル・レネベルク

■夜型人間が自信を取り戻せる本  ぼくは、かなり夜型の人間だ。仕事などの制約がなければ、4時頃寝て11時頃起きるのが、いちばん快調である。  夜型人間はぐーたらで、朝型はまじめな働き者というのが、一般のイメージのようだ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年02月01日
[ジャンル]科学・生物

科学・技術と現代社会(上・下) [著]池内了

科学・技術と現代社会(上・下) [著]池内了

■研究者の倫理問う、著者畢生の科学論  科学と社会の関係について積極的に発言を続けてきた著者の集大成。池内了、畢生(ひっせい)の科学論である。  この宇宙物理学者は、1995年の地下鉄サリン事件をきっかけに、科学の社会………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年12月14日
[ジャンル]科学・生物 社会

スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?—アスリートの科学 [著]デイヴィッド・エプスタイン

スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?—アスリートの科学 [著]デイヴィッド・エプスタイン

■遺伝も環境も、どちらも重要  スポーツの秋。手に汗握る熱戦の数々。だが、その勝敗や成績が遺伝子であらかじめ決まっているとしたら、ちょっと興ざめかもしれない。  運動能力を決めるのは遺伝か環境か? この古くて新しい問題………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年11月16日
[ジャンル]科学・生物

粒でできた世界/空気は踊る [著]結城千代子、田中幸 [絵]西岡千晶

粒でできた世界/空気は踊る [著]結城千代子、田中幸 [絵]西岡千晶

■科学の驚異を再現する挑戦  科学は、世界の見方、ぼくたち自身に対する見方を変えてくれる。驚きをもたらしてくれる。コペルニクスの地動説、ガリレイの等速落下、ダーウィンの進化論……。  でも今では、これらは中学高校で習う………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年10月26日
[ジャンル]科学・生物

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る