佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)の書評

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佐倉統 (東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
さくら・おさむ。1960年東京都生まれ。進化生物学を軸に、生物学史、科学技術論、科学コミュニケーション論を専門とする。著書に『現代思想としての環境問題』『進化論の挑戦』『進化論という考えかた』『「便利」は人を不幸にする』など。

ウィーン大学生フロイト 精神分析の始点 [著] 金関猛

ウィーン大学生フロイト 精神分析の始点 [著] 金関猛

■不条理な心、合理的な分析貫く  フロイトの精神分析は、しばしば胡散臭(うさんくさ)く非科学的とされる。だが本書は、ウィーン大学の学生時代にフロイトが何をどう学んだかを丹念に復元することにより、そのような見方が皮相的で………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年05月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

人工知能は人間を超えるか [著]松尾豊 エニグマ アラン・チューリング伝(上) [著]アンドルー・ホッジス

人工知能は人間を超えるか [著]松尾豊 エニグマ アラン・チューリング伝(上) [著]アンドルー・ホッジス

■「計算」の概念を変え、新世界の扉開いた  ここのところ、人工知能がめきめきと賢くなっている。将棋で一流のプロ棋士と対等に渡り合うほどになり、やがては人類を滅ぼすかもしれないと警告する科学者もいるほどだ。ちょっと前は、………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年05月10日
[ジャンル]科学・生物

骨相学—能力人間学のアルケオロジー [著]平野亮

骨相学—能力人間学のアルケオロジー [著]平野亮

■疑似科学、近代の欧米を席巻  頭の形を見れば、その人の能力が分かる——。こんな怪しげな主張で19世紀前半のヨーロッパやアメリカを席巻したのが骨相学である。今でこそ疑似科学の典型ともされるが、提唱者らが目指したのは、実………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年05月03日
[ジャンル]社会

恋する文化人類学者―結婚を通して異文化を理解する [著]鈴木裕之

恋する文化人類学者―結婚を通して異文化を理解する [著]鈴木裕之

■学問の掟破り的暴挙が面白い  学問は客観的で普遍的な知識の体系を目指している。そこから得られる展望はとても豊かなものがあるのだけど、普遍的であるが故に、日々の生活や個別の実感とは結びつかないことも多い。学問が進めば進………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年04月12日
[ジャンル]人文

放射線被曝の理科・社会—四年目の『福島の真実』 [著]児玉一八、清水修二、野口邦和

放射線被曝の理科・社会—四年目の『福島の真実』 [著]児玉一八、清水修二、野口邦和

■国民の「自覚なき容認」を問う  福島原発事故の後、低線量被曝(ひばく)についての良い本がたくさん出版されたが、書名に「社会」と銘打ったものはこれが初めてである。事故から4年が経ち、「放射能」は理科から社会の領域に移っ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年03月08日
[ジャンル]科学・生物 社会

文体の科学 [著]山本貴光

文体の科学 [著]山本貴光

■文章の生態系に肉薄する野心作  大学浪人時に通っていた予備校の国語の先生が、こんなことを言っていた。単語と単語の関係についての規則、つまり文法は、だいぶ体系化されているが、文と文の関係についての規則は、まだほとんど手………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年03月01日
[ジャンル]人文

中年の新たなる物語―動物学、医学、進化学からのアプローチ [著]デイヴィッド・ベインブリッジ

中年の新たなる物語―動物学、医学、進化学からのアプローチ [著]デイヴィッド・ベインブリッジ

■ポジティヴ・シンキングの勧め  中年はつらい。体力は衰え、もの忘れはひどくなり、若者からも年長者からも煙たがられ、増えるのは体重ばかり。良いことなんかひとつもない。  いや、違うんだ、中年期の変化はプラスの面が多く、………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年02月15日
[ジャンル]科学・生物

なぜ生物時計は、あなたの生き方まで操っているのか? [著]ティル・レネベルク

なぜ生物時計は、あなたの生き方まで操っているのか? [著]ティル・レネベルク

■夜型人間が自信を取り戻せる本  ぼくは、かなり夜型の人間だ。仕事などの制約がなければ、4時頃寝て11時頃起きるのが、いちばん快調である。  夜型人間はぐーたらで、朝型はまじめな働き者というのが、一般のイメージのようだ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年02月01日
[ジャンル]科学・生物

科学・技術と現代社会(上・下) [著]池内了

科学・技術と現代社会(上・下) [著]池内了

■研究者の倫理問う、著者畢生の科学論  科学と社会の関係について積極的に発言を続けてきた著者の集大成。池内了、畢生(ひっせい)の科学論である。  この宇宙物理学者は、1995年の地下鉄サリン事件をきっかけに、科学の社会………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年12月14日
[ジャンル]科学・生物 社会

スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?—アスリートの科学 [著]デイヴィッド・エプスタイン

スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?—アスリートの科学 [著]デイヴィッド・エプスタイン

■遺伝も環境も、どちらも重要  スポーツの秋。手に汗握る熱戦の数々。だが、その勝敗や成績が遺伝子であらかじめ決まっているとしたら、ちょっと興ざめかもしれない。  運動能力を決めるのは遺伝か環境か? この古くて新しい問題………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年11月16日
[ジャンル]科学・生物

粒でできた世界/空気は踊る [著]結城千代子、田中幸 [絵]西岡千晶

粒でできた世界/空気は踊る [著]結城千代子、田中幸 [絵]西岡千晶

■科学の驚異を再現する挑戦  科学は、世界の見方、ぼくたち自身に対する見方を変えてくれる。驚きをもたらしてくれる。コペルニクスの地動説、ガリレイの等速落下、ダーウィンの進化論……。  でも今では、これらは中学高校で習う………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年10月26日
[ジャンル]科学・生物

チューリングの妄想 [著]エドゥムンド・パス・ソルダン

チューリングの妄想 [著]エドゥムンド・パス・ソルダン

■魔術性盛り上げる祝祭的構成  著者はボリビア出身の中堅作家。ラテンアメリカの文学といえば、魔術的リアリズムや祝祭的多声性が連想されるが、この作品はそれらの系譜を引きつつも、独自の世界を新しい感覚で展開する。  語り手………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年10月19日
[ジャンル]文芸

松居直自伝・松居直と『こどものとも』・翻訳絵本と海外児童文学との出会い [著]松居直

松居直自伝・松居直と『こどものとも』・翻訳絵本と海外児童文学との出会い [著]松居直

■名作絵本を生みだした「目利き」  昔読んだ(読んでもらった)絵本についての記憶は、驚くほど鮮明だ。『ぐりとぐら』『どろんこハリー』『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』『おおきなかぶ』……。名前を聞いただけで、リズミカル………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年10月12日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

裏山の奇人―野にたゆたう博物学 [著]小松貴

裏山の奇人―野にたゆたう博物学 [著]小松貴

■自然の不思議が「見える」人  スーパー・ナチュラリストの作り方、といった趣の本である。なにしろ著者は、二歳のころから真剣にアリを観察していたというのだから、筋金入りの虫オタク。長じてプロの昆虫研究者となり、今まで気づ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年09月21日
[ジャンル]科学・生物

嘘と絶望の生命科学 [著]榎木英介/〈科学ブーム〉の構造 [著]五島綾子

嘘と絶望の生命科学 [著]榎木英介/〈科学ブーム〉の構造 [著]五島綾子

■今や日本の科学は、金もうけに堕した  ピペド。  この耳慣れない言葉が、今の日本における生命科学の研究現場を象徴していると、榎木英介は言う。  「ピペット奴隷」の省略形だ。大学院生や大学院を終えた後の研究員(ポスドク………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年09月14日
[ジャンル]科学・生物

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