諸富徹(京都大学教授・経済学)の書評

写真:諸富徹さん

諸富徹 (京都大学教授・経済学)
もろとみ・とおる。1968年大阪府生まれ。環境税や政策課税の問題などを研究。著書に『環境税の理論と実際』(国際公共経済学会賞、日本地方財政学会佐藤賞など)『地域再生の新戦略』(日本公共政策学会著作賞)『私たちはなぜ税金を納めるのか 租税の経済思想史』など。

医療政策を問いなおす [著]島崎謙治/貧困大国ニッポンの課題 [著]橘木俊詔

医療政策を問いなおす [著]島崎謙治/貧困大国ニッポンの課題 [著]橘木俊詔

■「人々の幸福」見据えた改革とは  日本の医療制度が様々な問題を抱えているのは事実だ。他方でそれは、世界で最も成功している医療制度でもある。国際比較に照らしてみれば、日本の医療は国民皆保険のもと、誰もが医療機関にアクセ………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年03月06日
[ジャンル]経済 医学・福祉 社会

アメリカの真の支配者―コーク一族 [著]ダニエル・シュルマン

アメリカの真の支配者―コーク一族 [著]ダニエル・シュルマン

■富豪兄弟、大統領選にも存在感  「コーク兄弟」の名を知ったのは、アメリカで気候変動対策としての「排出量取引制度」導入が挫折した背景に、彼らの巨大な影響力があったと知った時だ。兄弟は、父から引き継いだ事業を巨大ビジネス………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年02月07日
[ジャンル]政治 社会 ノンフィクション・評伝

議会の進化―立憲的民主統治の完成へ [著]ロジャー・D・コングルトン

議会の進化―立憲的民主統治の完成へ [著]ロジャー・D・コングルトン

■「合理的選択」が導く民主化    本書は、王政から議会制民主主義への移行という統治構造の変化に対し、首尾一貫した理論的説明を与える試みである。  本書が採用するのは、「合理的選択」という視点だ。合理的な個人が、利己的………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年01月31日
[ジャンル]政治 社会

限界費用ゼロ社会―〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭 [著]ジェレミー・リフキン

限界費用ゼロ社会―〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭 [著]ジェレミー・リフキン

■所有からシェアへ、変革を予言  社会主義経済体制は崩壊、資本主義にオールタナティブはないと我々は思い込んできた。しかし本書は大胆にも、それが「共有型経済」にとって代わられると予言する。  変化を引き起こすのは、「モノ………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2016年01月17日
[ジャンル]社会

震災復興の政治経済学―津波被災と原発危機の分離と交錯 [著]齊藤誠

震災復興の政治経済学―津波被災と原発危機の分離と交錯 [著]齊藤誠

■費用負担のあり方、鋭く問う  東日本大震災の復興政策の枠組みを根本的に問い直す、優れた著作がついに現れた。高名なマクロ経済学者である著者が、現実と格闘して真実を掴(つか)み出そうとするその姿は感動的ですらあり、引き出………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2015年12月20日
[ジャンル]経済 社会

コトラー 世界都市間競争 [著]フィリップ・コトラー、ミルトン・コトラー 資本主義に希望はある [著]フィリップ・コトラー

コトラー 世界都市間競争 [著]フィリップ・コトラー、ミルトン・コトラー 資本主義に希望はある [著]フィリップ・コトラー

■大都市圏の浮沈、多国籍企業が鍵  「大阪ダブル選挙」が大いに注目を浴びた。だが大阪の抱える、企業と若年人口の東京流出、貧困問題、財政危機といった諸課題は、「二重行政の解消」では簡単に解決できない。真にチャレンジングな………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2015年12月06日
[ジャンル]政治 社会

世界の権力者が寵愛した銀行―タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白 [著]エルヴェ・ファルチャーニほか

世界の権力者が寵愛した銀行―タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白 [著]エルヴェ・ファルチャーニほか

■脱税支える巨大銀行との闘い  「事実は小説より奇なり」とは、まさに本書のことを指すのか。これは、世界最大級の銀行HSBCから、約13万人分の機密顧客リストを引き出した元行員の物語だ。各国政府によるHSBCへの訴追、巨………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2015年11月22日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

財務省と政治―「最強官庁」の虚像と実像 [著]清水真人

財務省と政治―「最強官庁」の虚像と実像 [著]清水真人

■官→政 「力」の移行と銀行救済  古代律令制以来の「大蔵省」の金看板を、省庁再編で2001年に降ろした「財務省」。なぜこの省は、長らく「最強官庁」であり続けたのか。あらゆる政策は、予算の裏づけがなければ「形」にならな………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2015年11月08日
[ジャンル]政治 社会 新書

欧州解体―ドイツ一極支配の恐怖 [著]ロジャー・ブートル

欧州解体―ドイツ一極支配の恐怖 [著]ロジャー・ブートル

■EU離脱の利害、英の目線で  最近のギリシャ危機で、EU(欧州連合)への懐疑が広がってきた。リーマン・ショック前まで、EUは一大経済圏として世界の気候変動政策を先導していた。しかしそれも、内的統一がとれてこそ。いまで………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2015年10月25日
[ジャンル]社会 国際

ガイトナー回顧録—金融危機の真相 [著]ティモシー・F・ガイトナー

ガイトナー回顧録—金融危機の真相 [著]ティモシー・F・ガイトナー

■逆風そして逆風、資金注入の決断  本書は、ニューヨーク連銀総裁、第1期オバマ政権の財務長官として、世界金融危機と格闘した男の、緊迫感に満ちた物語である。  「ニューエコノミー」ともてはやされた2000年代の米国、好景………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2015年10月18日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

なぜドイツではエネルギーシフトが進むのか [著]田口理穂

なぜドイツではエネルギーシフトが進むのか [著]田口理穂

■開発と省エネ、自治体がリード  日本では失敗と「誤報」されることも多いドイツのエネルギーシフト。だが、2014年の総電力消費における再生可能エネルギー比率は26・2%、他の電源を抜いてトップに立った。本書は、その秘密………[もっと読む]

[評者]ニュース
[掲載]2015年10月04日
[ジャンル]科学・生物

「人間国家」への改革―参加保障型の福祉社会をつくる [著]神野直彦

「人間国家」への改革―参加保障型の福祉社会をつくる [著]神野直彦

■人への投資が生む、新たな経済  「失われた20年」の間、いくら経済政策を打っても経済成長率は高まらなかった。とはいえ、私たちの経済社会も過去20年間、大きな構造変化を遂げた。その認識なしに経済政策を打っても、効果が出………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2015年09月13日
[ジャンル]政治 社会

大転換 新しいエネルギー経済のかたち [著]レスター・R・ブラウンほか

大転換 新しいエネルギー経済のかたち [著]レスター・R・ブラウンほか

■太陽光と風力への潮流、力強く  環境保護の旗手レスター・ブラウンによる「現役最後の書」。化石燃料や原子力による「古いエネルギー経済」から、太陽光と風力による「新しいエネルギー経済」への大転換を力強く描き出す。同時に、………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2015年08月30日
[ジャンル]経済 科学・生物

田園回帰1%戦略―地元に人と仕事を取り戻す [著]藤山浩

田園回帰1%戦略―地元に人と仕事を取り戻す [著]藤山浩

■「田舎の田舎」が示す人口増の光  日本創成会議の人口予測に基づく「地方消滅論」は、人々に衝撃を与え、多くの議論を呼んだ。だが、本当にこの報告書の結論は正しいのか。著者は、使用されたデータや前提に問題があると指摘し、予………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2015年08月16日
[ジャンル]政治 社会

善と悪の経済学 [著]トーマス・セドラチェク

善と悪の経済学 [著]トーマス・セドラチェク

■神話・宗教に探る「人間学」の水脈  経済学が社会科学の一部であることは、疑いない。では経済学は、自然科学と人文科学のどちらに近いのか。社会科学の中で唯一、ノーベル賞が授与される学問分野の経済学は、自然科学をモデルとし………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2015年08月02日
[ジャンル]経済 社会

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る