逢坂剛(作家)の書評

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逢坂剛 (作家)
1943年東京都生まれ。広告会社勤務のかたわら80年『暗殺者グラナダに死す』(オール読物推理小説新人賞)でデビュー。86年『カディスの赤い星』で直木賞、日本冒険小説協会大賞、日本推理作家協会賞を受賞。他に『百舌の叫ぶ夜』『暗殺者の森』など。フラメンコギター、将棋の愛好家。

ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利 [著]ロバート・バー

ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利 [著]ロバート・バー

■珍重すべきミステリーの古典  まことに珍重すべき、ミステリーの古典である。著者はコナン・ドイルと同時代の作家で、ホームズもののパロディーを書いたこともある、という。主人公のウジェーヌ・ヴァルモンは、フランスの刑事局長………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2011年01月16日
[ジャンル]文芸

死支度 [著]勝目梓

死支度 [著]勝目梓

■達観した主人公に託した性的遺書  この著者には、2006年刊行の私小説『小説家』という傑作がある。純文学からスタートして、娯楽小説、官能小説に移行した経緯を恋愛遍歴とともに率直に吐露した感動作だった。4年後に上梓(じ………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年12月05日
[ジャンル]文芸

抱影 [著]北方謙三 

抱影 [著]北方謙三 

■目がくらむほどのハードボイルド  北方、14年ぶりの書き下ろしは、これまでと一味違うハードボイルドもの。  主人公の硲(はざま)冬樹は、横浜でいくつかの酒場を経営する、中年男だ。毎晩のように、自転車で店を巡回し、した………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年11月07日
[ジャンル]歴史 文芸

ガラスの煉獄―女刑務官あかね [著]壇上志保 

ガラスの煉獄―女刑務官あかね [著]壇上志保 

■知られざる女子刑務所の内実  〈超大型新人、ミステリ界に降臨〉〈受刑者が密(ひそ)かに発信した暗号文〉〈県警の絡む不可解な策動〉といった帯の惹句(じゃっく)は、刑務所を舞台にしたミステリーを思わせるが、この作品はそれ………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年10月31日
[ジャンル]文芸

封印―警官汚職 [著]津島稜 

封印―警官汚職 [著]津島稜 

■緊張感みなぎる組織と組織の対立  先般、郵便不正事件の無罪判決を発端に、大阪地検特捜部の失態と不祥事が、相次いで明らかになった。その真っただ中に、本書が刊行されたのは、単なる偶然だろうか。  本書は、28年前に世上を………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年10月24日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

影恋 [著]菊地秀行 

影恋 [著]菊地秀行 

■幽霊めぐる男女の情感を豊かに  〈魔界都市〉に始まり、〈トレジャー・ハンター〉〈妖魔〉など驚くべき数のシリーズを誇る菊地秀行は、一般に性と暴力を主題とし、SF、ホラー、幻想小説を本領とする作家とみられている。しかし本………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年10月17日
[ジャンル]文芸

スターリンの対日情報工作 [著]三宅正樹著 

スターリンの対日情報工作 [著]三宅正樹著 

■日本人スパイの正体にも迫る  実績豊かな現代史学者の手になる本書は、中身の濃い労作である。第2次大戦中のソ連の日本に対する情報活動の全貌(ぜんぼう)が、手際よくまとめられている。  当然ながら、ゾルゲ事件に費やされる………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年10月03日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝 新書 国際

再会 [著]横関大

再会 [著]横関大

■殺人めぐり疑心暗鬼になる4人  今年度の、江戸川乱歩賞受賞作。女性美容師を脅し、金と体を要求したスーパーの店長が、何者かに射殺される。凶器は、残された弾丸の条痕から、23年前のある事件で使われた、警察官の制式拳銃と判………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年09月26日
[ジャンル]文芸

カチンの森 ポーランド指導階級の抹殺 [著]ヴィクトル・ザスラフスキー

カチンの森 ポーランド指導階級の抹殺 [著]ヴィクトル・ザスラフスキー

■ソ連の隠蔽工作、破綻の経緯分析  第2次大戦のさなか、1943年4月にドイツのラジオ放送は、占領地のスモレンスクに近いカチンの森で、2万5千人にものぼるポーランド将校の、埋葬射殺死体が発見された、と報じた。ドイツはそ………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年09月12日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝 国際

銀狼(ぎんろう)王 [著]熊谷達也 

銀狼(ぎんろう)王 [著]熊谷達也 

■探偵と犯人さながらの知恵比べ  人間と動物、ことに熊や狼(おおかみ)との戦いの物語は、古今東西を通じて数が多い。明治20年の北海道を舞台に、人知を超える狼と人の戦いを描いた本書も、その一つに数えられる。当時、ほとんど………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年09月05日
[ジャンル]文芸

トッカン 特別国税徴収官 [著]高殿円 

トッカン 特別国税徴収官 [著]高殿円 

■税の徴収、あの手この手で奮闘  本書の主人公は、映画「マルサの女」に描かれた国税庁査察部の査察官ではない。東京の京橋税務署の〈トッカン〉こと特別国税徴収官・鏡雅愛(まさちか)の補佐を務める新米の女性徴収官・鈴宮深樹(………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年08月22日
[ジャンル]文芸

裁かれるのは我なり 袴田事件主任裁判官 三十九年目の真実 [著]山平重樹

裁かれるのは我なり 袴田事件主任裁判官 三十九年目の真実 [著]山平重樹

■ 心ならずも書いた死刑判決文  時代は変わっても、冤罪事件は後を絶たない。本書に取り上げられた袴田事件も、その疑いが濃厚な事件の一つである。  1966年6月、静岡県清水市(現静岡市)でみそ醸造会社の専務宅が焼け、一………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年08月01日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

氷海のウラヌス [著]赤城毅 

氷海のウラヌス [著]赤城毅 

■最終海戦の場面、出色の迫力  1941年の秋、日米開戦を目前に控えた日本は、開戦した場合に三国同盟の同盟国、ヒトラー・ドイツを戦いに引き込むべく、極秘作戦を開始する。秘密兵器、〈九三式魚雷〉をドイツに送り込み、その高………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年07月25日
[ジャンル]歴史 文芸

秘密諜報員(ちょうほういん)ベートーヴェン [著]古山和男

秘密諜報員(ちょうほういん)ベートーヴェン [著]古山和男

■恋文を装った政敵情報の通信文    音楽史上、もっとも論争のにぎやかな事件の一つに、ベートーヴェンの〈不滅の恋人〉問題がある。死後、ベートーヴェンの遺品の中から、三通の自筆書簡が出てきた。相手を〈不滅の恋人〉と呼びな………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年07月18日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 新書

昭和の爆笑王 三遊亭歌笑 [著]岡本和明

昭和の爆笑王 三遊亭歌笑 [著]岡本和明

■落語のリズムで苦闘時代を再現  いわば、この本自体が一席の落語であり、人情咄(ばなし)である。  わたしは、子供のころから落語が好きで、よく寄席に行ったものだが、三遊亭歌笑については、当時耳にした覚えがない。歌笑は昭………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2010年07月04日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

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