横尾忠則(美術家)の書評

写真:横尾忠則さん

横尾忠則 (美術家)
よこお・ただのり。1936年兵庫県生まれ。60年代からグラフィックデザイナーとして活躍、80年に画家に転向。画集に『赤の魔笛』『横尾忠則Y字路』『人工庭園』、随想や絵画論に『インドへ』『名画感応術』、対談集に『芸術ウソつかない』、小説に『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)など。

シッダールタの旅 [著]ヘッセ [構成・写真]竹田武史

シッダールタの旅 [著]ヘッセ [構成・写真]竹田武史

■煩悩と解脱、輪廻の天地を活写  三島由紀夫氏の死の3日前の電話で「インドには呼ばれる者とそうでない者がいる。君はやっとインドに行く時期が来た」。なにやら呪術めいた言霊に背を押されて1974年にインドに発った。この年に………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年07月07日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 国際

「朦朧」の時代―大観、春草らと近代日本画の成立 [著]佐藤志乃

「朦朧」の時代―大観、春草らと近代日本画の成立 [著]佐藤志乃

■厳しい批判 やがて礼賛へ  誰が言い出したか「朦朧(もうろう)体」。日本美術院・岡倉天心の肝煎りではじめた横山大観、菱田春草らの日本画の新様式。形態(事物)のエッジを曖昧(あいまい)に暈(ぼか)すことで空気や光の表現………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年06月23日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

ミック・ジャガー ワイルド・ライフ [著]クリストファー・アンダーセン

ミック・ジャガー ワイルド・ライフ [著]クリストファー・アンダーセン

■彼は悪魔で神である  1969年、あの殺人事件が起こった悪名高きオルタモントのロックフェスティバルでのローリング・ストーンズは、僕の中に決定的な悪徳と危険の種子を移植させた。彼らに対する蠱惑(こわく)と拒絶! ストー………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年05月19日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

江戸絵画の非常識―近世絵画の定説をくつがえす [著]安村敏信

江戸絵画の非常識―近世絵画の定説をくつがえす [著]安村敏信

■「風神雷神」本当に宗達晩年の作?  一例をあげる。「風神雷神図屏風(びょうぶ)」(建仁寺)の作者といえば誰もが疑うこともなく俵屋宗達に決まっていると言う。これは常識である。本書はこんな常識に対して異議申し立てをする非………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年05月12日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

世界で一番美しい名画の解剖図鑑 [編著]カレン・ホサック・ジャネスほか

世界で一番美しい名画の解剖図鑑 [編著]カレン・ホサック・ジャネスほか

■私たちは絵の何を見ている?  展覧会場で絵を前にした時何を見ますか。色、線、形ですか。それとも構成? また物語ですか。いや作者の人生? やっぱり図像学的知識への関心? 私たちはこのような様々な要因を総動員して何とか「………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年04月21日
[ジャンル]歴史

ジョージ・ハリスン コンプリート・ワークス [編]ローリング・ストーン誌

ジョージ・ハリスン コンプリート・ワークス [編]ローリング・ストーン誌

■脇役から脱却、愛され尊敬され  ジョージ・ハリスンは「静かなビートル」と呼ばれ、ジョン・レノンとポール・マッカートニーの影に隠れた脇役的存在だったが、本書で語る多くの証言者によると彼はむしろジョン的資質に近く、思った………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年04月14日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

いきのびる魔法―いじめられている君へ [著]西原理恵子

いきのびる魔法―いじめられている君へ [著]西原理恵子

■胸に響く「うつくしいのはら」  表題作は学校に行くといじめられるので嘘(うそ)をついてでもずる休みをしなさいと作者は反道徳的に子供をあおる。でないといじめられて自殺することになるよと。16歳まで待てば社会に出て働ける………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年03月17日
[ジャンル]教育

 皮膚感覚と人間のこころ [著]傳田光洋

皮膚感覚と人間のこころ [著]傳田光洋

■触れるとなぜ気持ちいいのか  皮膚感覚という語は日常によく耳にするが、概念に対する身体感覚という意味で認識されているように思う。私たちは普段、皮膚に類する語を比喩的にけっこう無意識に使っている。「鳥肌が立つ」とか、「………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年03月03日
[ジャンル]科学・生物

「死ぬのが怖い」とはどういうことか [著]前野隆司

「死ぬのが怖い」とはどういうことか [著]前野隆司

■あるのは「今」だけ、あとは幻想  僕は怖いけれど死ぬのが怖くないという人もいる。どうしたら怖くないかを哲学から脳科学まで学問を総動員した著者が理詰めで考えた結果を本書で展開する。この著者は宗教も死後生の存在も前世も輪………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年02月24日
[ジャンル]人文

月―人との豊かなかかわりの歴史 [著]ベアント・ブルンナー

月―人との豊かなかかわりの歴史 [著]ベアント・ブルンナー

■多くの優れた芸術生み出す  キース・ヘリングは恋人に呼び掛けるように月に想(おも)いを語り、それをTシャツに書いた。フェデリコ・フェリーニは映画「ボイス・オブ・ムーン」の中で月が自分を呼ぶ声を耳にした男を描いた。  ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年02月10日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

カラヴァッジオからの旅 [著]千葉成夫

カラヴァッジオからの旅 [著]千葉成夫

■絵画に肉体で向き合う批評  何か鬼気迫るものを感じる美術批評だった。身体にぐいぐい食い込むような魔力を感ぜずにはおれなかった。絵を前にしていないのに絵の皮膜から発するアウラの洗礼を受けているような身体感覚だ。  現代………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年01月20日
[ジャンル]歴史

評伝 ジャン・デュビュッフェ―アール・ブリュットの探求者 [著]末永照和

評伝 ジャン・デュビュッフェ―アール・ブリュットの探求者 [著]末永照和

■芸術の使命は「壊乱」にあり  ヴェネツィアに次ぐ世界最大級の国際展サンパウロ・ビエンナーレに1961年、フランス代表として招待出品の要請を受けたデュビュッフェはあっさり断った。理由は自国の国家宣伝の道具に自分を利用す………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2013年01月06日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

高倉健インタヴューズ [文・構成]野地秩嘉

高倉健インタヴューズ [文・構成]野地秩嘉

■演技の核の「気」、解明に挑戦  18年という長期にわたって行われた高倉健へのインタビュー集である本書で著者は「健さん」の徹底解剖に挑戦するが、その実像は新作映画「あなたへ」の霧に包まれた古城跡のように、全貌(ぜんぼう………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2012年09月30日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

寅さんとイエス [著]米田彰男

寅さんとイエス [著]米田彰男

■実は意外と似ています  「男はつらいよ」をわれわれはどう見たか。僕は登場人物や事物をユングの元型の考え方に当てはめて見ていた。トリックスター、太母、老賢人、アニマ、アニムス、ペルソナ、影、死などの元型が人物に付与され………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2012年09月02日
[ジャンル]人文

魂の詩人 パゾリーニ  [著]ニコ・ナルディーニ

魂の詩人 パゾリーニ  [著]ニコ・ナルディーニ

■左翼で異端、背徳的想像力の源  パゾリーニといえば同性愛のレッテルを貼られた左翼的異端のスキャンダラスな映画監督、という印象が強いけれど、どこか呪われた星の下に産み落とされた芸術家として英雄的に崇拝されていませんか。………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2012年07月29日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

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