斎藤美奈子(文芸評論家)の書評

写真:斎藤美奈子さん

斎藤美奈子 (文芸評論家)
1956年新潟県生まれ。文芸評論家。編集者を経て94年『妊娠小説』でデビュー。他に『紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像』『モダンガール論』『文章読本さん江』(小林秀雄賞)『麗しき男性誌』『物は言いよう』『それってどうなの主義』など。

危険学のすすめ——ドアプロジェクトに学ぶ [著]畑村洋太郎

危険学のすすめ——ドアプロジェクトに学ぶ [著]畑村洋太郎

■「勝手連」式の事故調で原因を究明  公共住宅のエレベーター、流水プールの吸水口、学校の防火シャッター、ガス湯沸かし器、家庭用シュレッダー。この数カ月間を思い出すだけでも、人工物による重大事故は後を絶たない。そのたびに………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2006年09月24日
[ジャンル]科学・生物 社会

平和は「退屈」ですか [著]下嶋哲朗

平和は「退屈」ですか [著]下嶋哲朗

■戦争体験は伝わるか、対話と模索の記録  元ひめゆり学徒隊員の講演を聞いて「言葉がこころに届かない!」とある女子高生は言った。別の男子高生は言った。「戦争? したっていいじゃん」。彼はわざと挑発的な言い方をしたのである………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2006年08月20日
[ジャンル]歴史 社会

ツアー1989 [著]中島京子

ツアー1989 [著]中島京子

■「不思議さ」漂わせる手の込んだ物語  手の込んだ長編小説だ。  まず、ある主婦のもとに15年前の手紙が届く。書かれたのは1989年。差出人は香港にいるらしい。「凪子さん」と自分に呼びかけている。しかし、彼女にはそんな………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2006年07月16日
[ジャンル]文芸

江戸八百八町に骨が舞う [著]谷畑美帆

江戸八百八町に骨が舞う [著]谷畑美帆

■骨から病読みとる古病理学への案内  魅力的なタイトルだ。『江戸八百八町に骨が舞う』。もう、これだけだって買い。  もっとも骨は実際には舞わずに土中に埋まっている。墓地に遺跡に、もしかしたら、ほら、そこの工事現場にも。………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2006年07月02日
[ジャンル]歴史 医学・福祉

魚のつぶやき [著]高田浩二 

魚のつぶやき [著]高田浩二 

■150種が生態などを自己紹介  東海大学出版会は魚類図鑑では権威のある出版元である。それがまー、なんちゅう粋な(アホな)本を出してくれたものではないか。『魚のつぶやき』は、世にもまれなる魚が一人称でしゃべる図鑑なのだ………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2006年06月25日
[ジャンル]科学・生物

釜ケ崎と福音-神は貧しく小さくされた者と共に  [著]本田哲郎 

釜ケ崎と福音-神は貧しく小さくされた者と共に  [著]本田哲郎 

■現場で考える「貧困と差別」のイエス像  世間は『ダ・ヴィンチ・コード』の話題でもちきりだけれども、イエスとマグダラのマリアが結婚して一児をもうけた、くらいで騒ぐんじゃなーい。派手さでは及ばぬものの、この本が主張するイ………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2006年05月28日
[ジャンル]人文

窓から読みとく近代建築 [著]酒井一光 

窓から読みとく近代建築 [著]酒井一光 

■120の建物にみる文化と歴史  昨年『日本全国近代歴史遺産を歩く』(阿曽村孝雄著・講談社+α新書)という本を読んで以来、私のにわかブームは「ヘリテージング」(近代化遺産を見て歩くこと。ヘリテージは遺産の意味)である。………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2006年05月14日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

裏社会の日本史 [著]フィリップ・ポンス 

裏社会の日本史 [著]フィリップ・ポンス 

■貧窮者とやくざから歴史を俯瞰  もちろん書き手によるけれど、海外の読者に向けて日本を紹介した本は国内の読者にも有効な場合が少なくない。あうんの呼吸でわかったような気になっている(でも本当はまるでわかっていない)事象が………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2006年04月30日
[ジャンル]歴史 社会

へんな子じゃないもん [著]ノーマ・フィールド

へんな子じゃないもん [著]ノーマ・フィールド

■祖母、母の戦後と戦争めぐる思索  年表式にいえば、95年は阪神淡路大震災とオウム真理教事件の年、である。でも、そうか、それだけではなかったのだと思った。  95年6月、著者は成田空港に降り立つ。脳出血で倒れて3年、2………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2006年04月02日
[ジャンル]文芸

戦争案内-ぼくは二十歳だった [著]戸井昌造

戦争案内-ぼくは二十歳だった [著]戸井昌造

■軍隊の滑稽さが浮かび上がる鮮やかな風刺の技  本を読むのが半ば仕事とはいえ、書店に行くと私はいまでもメマイがする。だいたい本が多すぎるのだ。この大量の本の山の中から、何を読めばいいというのじゃ! もうちょっとこう、セ………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2005年11月06日
[ジャンル]歴史 文芸 アート・ファッション・芸能

昭和二十一年八月の絵日記 [著]山中和子

昭和二十一年八月の絵日記 [著]山中和子

■少女の観察から広がる「暮らし」  ページを開いたとたん「あ、この本欲しい!」と思う人が多いのではないだろうか。わら半紙の上半分にクレヨンで描かれた絵。下半分には定規で丁寧に罫(けい)が引かれ、鉛筆書きの文字が躍る。『………[もっと読む]

[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)
[掲載]2001年09月16日

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