中条省平(学習院大学教授)の書評

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中条省平 (学習院大学教授)
1954年神奈川県生まれ。学習院大学教授。専門はフランス文学。著書に『最後のロマン主義者』『映画作家論』『文章読本』『反=近代文学史』『ただしいジャズ入門』『天才バカボン家族論「パパの品格」なんていらないのだ!』、訳書にバタイユ『マダム・エドワルダ』など。

半島を出よ 上・下 村上龍著 福岡を独立させよ、暴力・テロの近未来リアル

半島を出よ 上・下 村上龍著 福岡を独立させよ、暴力・テロの近未来リアル

 北朝鮮特殊戦部隊の精鋭が福岡ドームを占領し、三万人の野球観戦客を人質にして、福岡を日本国から独立させようと図る。  荒唐無稽(こうとうむけい)、というもおろかなこの物語を、リアルで緊迫した近未来政治小説に仕立てあげた………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2005年05月01日
[ジャンル]文芸

告白 [著]町田康

告白 [著]町田康

■これぞパンク!破滅のドラマを笑いで  町田康は日本のストリートが生んだ最も強靭(きょうじん)な知性である。伝説的な「ロック・マガジン」の編集者・阿木譲はこう語っている。  「日本人にとってパンクとは何だったのかってい………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2005年03月27日
[ジャンル]文芸

ルバイヤート集成 [著]オマル・カイヤーム

ルバイヤート集成 [著]オマル・カイヤーム

 十一世紀ペルシアの天文学者にして哲人、オマル・カイヤーム。彼のルバイヤート(四行詩集)が世界的名声を獲得したのは十九世紀後半のことだ。英国人フィッツジェラルドの名訳がその名を不朽にした。  現世の無常を嘆じ、だが来世………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2005年03月20日
[ジャンル]文芸

ウーファ物語―ある映画コンツェルンの歴史 [著]クラウス・クライマイアー

ウーファ物語―ある映画コンツェルンの歴史 [著]クラウス・クライマイアー

■戦争が生んだ独映画会社の栄光と没落    ウーファはドイツ映画史上最大の映画会社である。二〇世紀初頭、フランスのパテやゴーモン社に続いて、しかしハリウッドのメジャー会社よりは早く、世界の映画の最先端に立った。本書は大………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2005年03月13日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能

『仁義なき戦い』をつくった男たち [著]山根貞男・米原尚志

『仁義なき戦い』をつくった男たち [著]山根貞男・米原尚志

 「仁義なき戦い」は今や日本映画の名作と評価されるが、封切り時は「女番長(スケバン)」との二本立て、ただの娯楽映画だった。本書は「仁義〜」を東映という映画会社が生んだ歴史的必然としてとらえ、日本近代史のなかに位置づけよ………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2005年03月06日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

時効なし。 [著]若松孝二 [編]小出忍・掛川正幸

時効なし。 [著]若松孝二 [編]小出忍・掛川正幸

 映画監督・若松孝二の語りには確信犯の力強さがある。自分の信じることしか口にしない人間の美しさがあふれている。  この自伝は、盟友・足立正生の刑が確定した後に語りおろされたため、日本赤軍やパレスチナゲリラの内幕にも大胆………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2005年02月20日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

裏ミシュラン―ヴェールを剥がれた美食の権威 [著]パスカル・レミ

裏ミシュラン―ヴェールを剥がれた美食の権威 [著]パスカル・レミ

■店の格付けのやり方は? 秘密を暴露    二〇〇三年、フランス美食界を震撼(しんかん)させる事件が起こった。超一流レストランを経営するスター料理人ロワゾーが銃による自殺を遂げたのだ。有名なガイドブック「ゴー・ミヨー」………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2005年02月06日
[ジャンル]社会

おわりの雪 [著]ユベール・マンガレリ

おわりの雪 [著]ユベール・マンガレリ

■清冽ではかない少年時代の回想の物語    現代文学にまれな清冽(せいれつ)な抒情(じょじょう)のみなぎる小説である。清冽ではあるが、どこか夢まぼろしのようなはかなさも漂っている。痛切でありながら、あわく遠い。かつて少………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2005年01月30日
[ジャンル]文芸

怪帝ナポレオン3世―第二帝政全史 [著]鹿島茂

怪帝ナポレオン3世―第二帝政全史 [著]鹿島茂

■ポストモダンを創始した「愚帝」?    『居酒屋』や『ナナ』で有名なゾラの「ルーゴン=マッカール叢書」は十九世紀小説の一つの到達点だが、この大作には「第二帝政下の一家族の自然的・社会的歴史」という副題がついている。こ………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2005年01月16日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

百年の誤読 [著]岡野宏文・豊崎由美

百年の誤読 [著]岡野宏文・豊崎由美

■大ワザ連発!日本近代読書史を再編成    岡野宏文と豊崎由美はいま最強の書評タッグチームである。  私は毎年出る「リテレール別冊 ことし読む本 いち押しガイド」の巻末で、このコンビがその年のベストセラーをメッタ斬(ぎ………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2005年01月09日
[ジャンル]文芸

マンガ学への挑戦―進化する批評地図 [著]夏目房之介

マンガ学への挑戦―進化する批評地図 [著]夏目房之介

■新たな視角含む強力無比の案内図  夏目房之介はマンガにおけるロラン・バルトである。例えば彼は山岸凉子作『日出処の天子』の主人公の顔を論じている。その精妙な分析を読むと、抽象的な記号の集合にすぎないマンガの空間から、た………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2004年12月19日
[ジャンル]文芸

ヴァレリーの肖像 [著]清水徹

ヴァレリーの肖像 [著]清水徹

■精緻な読みで詩人の精神を再発見  ヴァレリーはしばしば「純粋な自己」の探求者だといわれる。だが、この「自己」はいわゆる「近代的自我」ではない。すなわち、一定の志向性をもった確固たる精神ではない。著者・清水徹によれば、………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2004年12月12日
[ジャンル]文芸 人文

灰色の魂 [著]フィリップ・クローデル

灰色の魂 [著]フィリップ・クローデル

 第一次世界大戦下のフランスの田舎町。純真無垢(むく)な十歳の少女の死体が発見される。脱走兵が逮捕され、激しい拷問で自白に追いこまれる。だが「私」は町の名士である検察官に疑いをかける。検察官の屋敷の一隅に住まいを借りた………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2004年12月05日
[ジャンル]文芸

ことばたち [著]ジャック・プレヴェール

ことばたち [著]ジャック・プレヴェール

■まさに事件!仏の代表的詩集を完訳    これはまさに<事件>だ。  ジャック・プレヴェールは、マルセル・カルネ監督と組んで、名画『天井桟敷の人々』や『霧の波止場』を生んだ、戦前のフランス映画最高のシナリオライターであ………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2004年11月21日

マーロン・ブランド [著]パトリシア・ボズワース

マーロン・ブランド [著]パトリシア・ボズワース

 簡潔な文体で、一筋縄ではいかない屈折した個性をうまく描き出した伝記だ。  ブランドの父は暴力癖があり、母はアルコール依存だった。息子は生涯、父親憎悪とマザコンから脱却できなかった。  高校を追放された少年ブランドには、………[もっと読む]

[評者]中条省平(学習院大学教授)
[掲載]2004年10月24日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

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