中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)の書評

写真:中島岳志さん

中島岳志 (北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
1975年大阪府生まれ。著書に『中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義』(大佛次郎論壇賞)『ヒンドゥー・ナショナリズム―印パ緊張の背景』『パール判事―東京裁判批判と絶対平和主義』など。

抵抗と協力のはざま-近代ビルマ史のなかのイギリスと日本 [著]根本敬

抵抗と協力のはざま-近代ビルマ史のなかのイギリスと日本 [著]根本敬

■したたかに政治的自立探る  「ビルマ(現ミャンマー)近代史の学術書」と聞くと、読書家でもなかなか食指が動かないだろう。しかし本書をぜひ、手にとってほしい。ビルマ独立運動に従事した若き政治家・活動家が、植民地権力への「………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年09月12日
[ジャンル]政治 ノンフィクション・評伝 国際

アジア連合への道 理論と人材育成の構想 [著]天児慧

アジア連合への道 理論と人材育成の構想 [著]天児慧

 ■地域統合へ、研究と実践橋渡し  永らく世間の話題から遠ざかっていた「東アジア共同体」論。  しかし昨年、首相となった鳩山由紀夫氏が「東アジア共同体」構想をぶちあげたことから、再び注目の的となった。しかし、瞬く間に鳩………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年09月05日
[ジャンル]政治 国際

近世の仏教 華ひらく思想と文化 [著]末木文美士

近世の仏教 華ひらく思想と文化 [著]末木文美士

■「堕落」の色眼鏡外し、豊かさ発見  近世は儒教の時代で、仏教は衰退した——。  そんな認識がこれまでの常識で、近世の仏教は「堕落仏教」という捉(とら)え方が一般的だった。  たしかに日本の仏教といえば、法然、親鸞、日………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年08月22日
[ジャンル]歴史 人文

近代日本の戦争と宗教 [著]小川原正道 

近代日本の戦争と宗教 [著]小川原正道 

■存在脅かされ「過剰適合」  近代日本は、さまざまな戦争を経験してきた。戊辰戦争、西南戦争といった国内戦争から、日清・日露戦争のような対外戦争まで、近代日本の歩みは戦争と切り離して考えられない。  本書は、戦争に対する………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年08月01日
[ジャンル]歴史 人文

俺俺 [著]星野智幸著

俺俺 [著]星野智幸著

■承認されたい個、全体へと融解  傑作だ。  ファストフード店で隣の男の携帯電話を手に入れた俺(おれ)は、出来心でその本人になりすまし、持ち主の母親に振り込め詐欺を行う。しかし、その母親は俺を本当の息子と思い込み、次第………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年07月18日
[ジャンル]文芸

参議院とは何か 1947〜2010 [著]竹中治堅著 

参議院とは何か 1947〜2010 [著]竹中治堅著 

■役割の理解、深めたい  われわれは参議院の役割を、あまり理解していない。なぜ衆議院があるのに、参議院が必要なのか。そもそも二院制に意味があるのか。そんな問いに答えられる人は少ない。  本書は、参議院が創設された194………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年07月04日
[ジャンル]政治

ビッグイシューの挑戦 [著]佐野章二

ビッグイシューの挑戦 [著]佐野章二

■ホームレスと社会、絆つなぐ7年  「ビッグイシュー」という雑誌をご存じだろうか。これは、ホームレスが路上で販売する雑誌で、書店では販売していない。  定価は300円。うち160円が、販売者の利益になる。一日20冊売れ………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年06月27日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

サッカーが勝ち取った自由ーアパルトヘイトと闘った刑務所の男たち [著]チャック・コール、マービン・クローズ著

サッカーが勝ち取った自由ーアパルトヘイトと闘った刑務所の男たち [著]チャック・コール、マービン・クローズ著

■民主化精神を獲得、国家の礎に  南アフリカ・ケープタウンの沖に浮かぶロベン島。ここはかつて島全体がマンデラ元大統領らの政治犯を収容する刑務所だった。アパルトヘイトに反対する活動家が激しい拷問を受け、苦役を強いられた「………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年06月20日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝 国際

明治廿五年九月のほととぎすー子規見参 [著]遠藤利國

明治廿五年九月のほととぎすー子規見参 [著]遠藤利國

■1日1句、25歳の子規と日本  柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺  松山や秋より高き天守閣  正岡子規の写実的な俳句・短歌はわかりやすく、魅力的だ。彼は明治初期に「ベースボール」が紹介されて間もないころの愛好者でもあり、野………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年05月30日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

戦間期日本の社会思想ー「超国家」へのフロンティア [著]福家崇洋

戦間期日本の社会思想ー「超国家」へのフロンティア [著]福家崇洋

■ファシズムに「超国家」の契機  「国家至上主義から人間をどのようにすれば解放できるか」  そんな問いを発した著者がとりあげるのは、これまで「ファシズム」と見なされてきた思想と運動である。本書は、「極端な国家主義」と理………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年05月09日
[ジャンル]政治 人文

会津という神話 〈二つの戦後〉をめぐる〈死者の政治学〉 [著]田中悟

会津という神話 〈二つの戦後〉をめぐる〈死者の政治学〉 [著]田中悟

■呼び戻された「悲劇」の死者  「いまだに長州への怨念(おんねん)を抱いている」  お酒の席でそんな思いを吐露する会津の人と、私はこれまで何度も出会ってきた。幕末の戊辰戦争で長州軍にさんざん痛めつけられた会津は、いまで………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年04月25日
[ジャンル]歴史 人文

日中歴史認識ー「田中上奏文」をめぐる相剋 一九二七—二〇一〇 [著]服部龍二

日中歴史認識ー「田中上奏文」をめぐる相剋 一九二七—二〇一〇 [著]服部龍二

■偽書の研究から和解の未来開く  1927年、時の首相・田中義一が昭和天皇に上奏したとされる「田中上奏文」。「田中メモリアル」として世界的に知られるこの文書には、日本が中国進出の手がかりとして満蒙を支配する手順などが書………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2010年04月04日
[ジャンル]歴史 政治 国際

ここに掲載されている記事や書評などの情報は、原則的に初出時のものです。

ページトップへ戻る