佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)の書評

写真:佐倉統さん

佐倉統 (東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
さくら・おさむ。1960年東京都生まれ。進化生物学を軸に、生物学史、科学技術論、科学コミュニケーション論を専門とする。著書に『現代思想としての環境問題』『進化論の挑戦』『進化論という考えかた』『「便利」は人を不幸にする』など。

中年の新たなる物語―動物学、医学、進化学からのアプローチ [著]デイヴィッド・ベインブリッジ

中年の新たなる物語―動物学、医学、進化学からのアプローチ [著]デイヴィッド・ベインブリッジ

■ポジティヴ・シンキングの勧め  中年はつらい。体力は衰え、もの忘れはひどくなり、若者からも年長者からも煙たがられ、増えるのは体重ばかり。良いことなんかひとつもない。  いや、違うんだ、中年期の変化はプラスの面が多く、………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年02月15日
[ジャンル]科学・生物

なぜ生物時計は、あなたの生き方まで操っているのか? [著]ティル・レネベルク

なぜ生物時計は、あなたの生き方まで操っているのか? [著]ティル・レネベルク

■夜型人間が自信を取り戻せる本  ぼくは、かなり夜型の人間だ。仕事などの制約がなければ、4時頃寝て11時頃起きるのが、いちばん快調である。  夜型人間はぐーたらで、朝型はまじめな働き者というのが、一般のイメージのようだ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2015年02月01日
[ジャンル]科学・生物

科学・技術と現代社会(上・下) [著]池内了

科学・技術と現代社会(上・下) [著]池内了

■研究者の倫理問う、著者畢生の科学論  科学と社会の関係について積極的に発言を続けてきた著者の集大成。池内了、畢生(ひっせい)の科学論である。  この宇宙物理学者は、1995年の地下鉄サリン事件をきっかけに、科学の社会………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年12月14日
[ジャンル]科学・生物 社会

スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?—アスリートの科学 [著]デイヴィッド・エプスタイン

スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?—アスリートの科学 [著]デイヴィッド・エプスタイン

■遺伝も環境も、どちらも重要  スポーツの秋。手に汗握る熱戦の数々。だが、その勝敗や成績が遺伝子であらかじめ決まっているとしたら、ちょっと興ざめかもしれない。  運動能力を決めるのは遺伝か環境か? この古くて新しい問題………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年11月16日
[ジャンル]科学・生物

粒でできた世界/空気は踊る [著]結城千代子、田中幸 [絵]西岡千晶

粒でできた世界/空気は踊る [著]結城千代子、田中幸 [絵]西岡千晶

■科学の驚異を再現する挑戦  科学は、世界の見方、ぼくたち自身に対する見方を変えてくれる。驚きをもたらしてくれる。コペルニクスの地動説、ガリレイの等速落下、ダーウィンの進化論……。  でも今では、これらは中学高校で習う………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年10月26日
[ジャンル]科学・生物

チューリングの妄想 [著]エドゥムンド・パス・ソルダン

チューリングの妄想 [著]エドゥムンド・パス・ソルダン

■魔術性盛り上げる祝祭的構成  著者はボリビア出身の中堅作家。ラテンアメリカの文学といえば、魔術的リアリズムや祝祭的多声性が連想されるが、この作品はそれらの系譜を引きつつも、独自の世界を新しい感覚で展開する。  語り手………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年10月19日
[ジャンル]文芸

松居直自伝・松居直と『こどものとも』・翻訳絵本と海外児童文学との出会い [著]松居直

松居直自伝・松居直と『こどものとも』・翻訳絵本と海外児童文学との出会い [著]松居直

■名作絵本を生みだした「目利き」  昔読んだ(読んでもらった)絵本についての記憶は、驚くほど鮮明だ。『ぐりとぐら』『どろんこハリー』『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』『おおきなかぶ』……。名前を聞いただけで、リズミカル………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年10月12日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

裏山の奇人―野にたゆたう博物学 [著]小松貴

裏山の奇人―野にたゆたう博物学 [著]小松貴

■自然の不思議が「見える」人  スーパー・ナチュラリストの作り方、といった趣の本である。なにしろ著者は、二歳のころから真剣にアリを観察していたというのだから、筋金入りの虫オタク。長じてプロの昆虫研究者となり、今まで気づ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年09月21日
[ジャンル]科学・生物

嘘と絶望の生命科学 [著]榎木英介/〈科学ブーム〉の構造 [著]五島綾子

嘘と絶望の生命科学 [著]榎木英介/〈科学ブーム〉の構造 [著]五島綾子

■今や日本の科学は、金もうけに堕した  ピペド。  この耳慣れない言葉が、今の日本における生命科学の研究現場を象徴していると、榎木英介は言う。  「ピペット奴隷」の省略形だ。大学院生や大学院を終えた後の研究員(ポスドク………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年09月14日
[ジャンル]科学・生物

インフォグラフィックで見る―138億年の歴史 [著]ヴァレンチナ・デフィリッポ、ジェイムズ・ボール

インフォグラフィックで見る―138億年の歴史 [著]ヴァレンチナ・デフィリッポ、ジェイムズ・ボール

■デザインと視覚表現の勝利  まずは手にとって、中を見ていただきたい。新しい発見の連続で、楽しめること請け合いだ。  インフォグラフィックとは、情報を一目で分かるように表現する技法、また、そうやって表現された絵や図など………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年08月24日
[ジャンル]歴史

SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと [著]チャールズ・ユウ

SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと [著]チャールズ・ユウ

■創作者が翻訳した小説の浮遊感  創作者にとって、他人の作品を翻訳するというのはどのような意味があるのだろうか? 形而上(けいじじょう)的脱力系SFの鬼才にして芥川賞受賞作家の円城塔、初の翻訳である。  原作は、これま………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年08月10日
[ジャンル]文芸

SFを実現する 3Dプリンタの想像力 [著]田中浩也

SFを実現する 3Dプリンタの想像力 [著]田中浩也

■社会の凝りや澱がほぐされる  タイトルの「SF」は、通常の「サイエンス・フィクション」に、「ソーシャル・ファブリケーション」という新しい意味がかけられている。社会を組み換える、鋳掛け直す、というニュアンスである。  ………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年07月20日
[ジャンル]科学・生物 社会

好奇心の赴くままに——ドーキンス自伝1——私が科学者になるまで [著]リチャード・ドーキンス

好奇心の赴くままに——ドーキンス自伝1——私が科学者になるまで [著]リチャード・ドーキンス

■自然に誕生した『利己的な遺伝子』  ドーキンスは、世界の見方を変えた人である。彼の退官記念論文集の副題は、「ひとりの科学者が私たちの思考様式をどのように変えたか」という。優秀な科学者は大勢いるが、世界観を変えることが………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年07月13日
[ジャンル]科学・生物 社会

エピジェネティクス 新しい生命像をえがく [著]仲野徹

エピジェネティクス 新しい生命像をえがく [著]仲野徹

■メカニズムと実例わかりやすく  生命科学領域で注目を集めているエピジェネティクスについての、格好の入門書。  エピジェネティクスとは、遺伝子(DNA)の塩基配列は変化しないけれども、生物の形や生理などの表現型に安定的………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年07月06日
[ジャンル]科学・生物

境界の町で [著]岡映里

境界の町で [著]岡映里

■「膜」を介して被災地に触れる    言葉が、深く、読み手の心に沁(し)み入ってくる。ずんずん突き刺さるのでも、がんがん飛び込んでくるのでもなく、じわり、と膜を通して浸潤してくる。そんな本だ。  著者は原発事故の被災地………[もっと読む]

[評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論)
[掲載]2014年06月29日
[ジャンル]文芸

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