横尾忠則(美術家)の書評

写真:横尾忠則さん

横尾忠則 (美術家)
よこお・ただのり。1936年兵庫県生まれ。60年代からグラフィックデザイナーとして活躍、80年に画家に転向。画集に『赤の魔笛』『横尾忠則Y字路』『人工庭園』、随想や絵画論に『インドへ』『名画感応術』、対談集に『芸術ウソつかない』、小説に『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)など。

芸術家の家 作品の生まれる場所 [文]G・ルメール [写真]J・アミエル

芸術家の家 作品の生まれる場所 [文]G・ルメール [写真]J・アミエル

■謎と秘密をバラしてほしい  芸術家の家はいたるところで自らの謎と秘密を自然にバラしているのである。本書には14人の芸術家の家の写真が紹介されている。このうちモネ、キリコ、モローの家を訪ねたことがあるが、僕が最も興味あ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2012年02月26日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

フクロウ―その歴史・文化・生態 [著]デズモンド・モリス

フクロウ―その歴史・文化・生態 [著]デズモンド・モリス

■知恵か邪悪か、魔術的象徴として  本書を執筆した著者の動機に僕は背筋が凍えるような悪寒と同時に言葉にならない切ないものを感じた。著者がまだ幼い少年の頃、野原の片隅で血まみれになったフクロウが悲しみと苦しみを浮かべた表………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2012年02月05日
[ジャンル]文芸

乱歩彷徨―なぜ読み継がれるのか [著]紀田順一郎

乱歩彷徨―なぜ読み継がれるのか [著]紀田順一郎

■創造と人生の闇、謎鮮やかに  一人の芸術家の華々しい誕生と、その後の芸術寿命を襲う老化現象と葛藤しながらの創造と人生のはざまで、苦闘と苦悶(くもん)を続けながら芸術家として成功し、存続、発展を遂げるか、それとも失敗に………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2012年01月15日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

本へのとびら 岩波少年文庫を語る [著]宮崎駿

本へのとびら 岩波少年文庫を語る [著]宮崎駿

■児童文学伴侶に、創造に絶望せず  縁側の板間の廊下で肘(ひじ)をついて寝そべった姿勢で本を読み耽(ふけ)っているオカッパ頭の少年の側(そば)に寄り添う庭の白い犬。犬が猫に代われば僕の少年時代の自画像と言ってもちっとも………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年12月04日
[ジャンル]人文

芸術の陰謀―消費社会と現代アート [著]ジャン・ボードリヤール

芸術の陰謀―消費社会と現代アート [著]ジャン・ボードリヤール

■「ウォーホルで終わった」のか?  「消費社会と現代アート」という副題は1960年代のポップアートを語る上で最も的確なフレーズである。そんな大量生産時代の産物を主題にした極めつきのアーティストがアンディ・ウォーホルだ。………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年11月27日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

海にはワニがいる [著]ファビオ・ジェーダ

海にはワニがいる [著]ファビオ・ジェーダ

■決死の旅8年間も、少年の実話  旅の宿で10歳の息子に三つのことを約束させて、翌朝忽然(こつぜん)と母は姿を消した。その三つの約束とは、麻薬に手を出さない、武器を使わない、盗みを働かない、以上。  アフガニスタンから………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年11月13日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

父 高山辰雄 [著]高山由紀子

父 高山辰雄 [著]高山由紀子

■鬼籍の画家に捧げる娘の思い  高山辰雄は宇宙や星に興味があった。それを情緒的にではなく物質的な天体として科学的に観察するのを好んだ。さらに「死ねばすべては無になる」とあの世の存在を否定し続けるモダニストであった。彼の………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年10月16日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

アベベ・ビキラ―「裸足の哲人」の栄光と悲劇の生涯 [著]ティム・ジューダ

アベベ・ビキラ―「裸足の哲人」の栄光と悲劇の生涯 [著]ティム・ジューダ

■いまなお鮮烈、東京五輪の記憶  東京オリンピックのマラソンで優勝したアベベは日本人の記憶に今なお焼きついている。そして彼の人生が栄光と悲劇で幕を閉じたことも。本書はそんなアベベのコーチを買ってでたスウェーデン人トレー………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年10月09日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

アート・スピリット [著]ロバート・ヘンライ

アート・スピリット [著]ロバート・ヘンライ

■人生と芸術の奥義明かす講義録  以前この欄でサルバドール・ダリの偏執狂的絵画指南書を紹介したことがあるが、本書はエドワード・ホッパー、マン・レイ、スチュアート・デイヴィス、ノーマン・ロックウェルらアメリカの巨匠を愛弟………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年09月18日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

絵筆のナショナリズム―フジタと大観の〈戦争〉 [著]柴崎信三

絵筆のナショナリズム―フジタと大観の〈戦争〉 [著]柴崎信三

■2人の戦争画家、二つの人生  戦争画を描いた画家は何人もいたが、本書で槍玉(やりだま)に挙げられるのはその代表格藤田嗣治と横山大観だ。藤田の「国際派」に対して大観の「国粋派」。大同小異だが対比の分析が実に痛快(小同大………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年09月11日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

昭和の流行歌物語―佐藤千夜子から笠置シズ子、美空ひばりへ [著]塩澤実信

昭和の流行歌物語―佐藤千夜子から笠置シズ子、美空ひばりへ [著]塩澤実信

■誰もわからないヒットの条件  好みからいうと「流行歌」というより「歌謡曲」かな? でも、「流行歌」を「歌謡曲」に言い換えたのは戦時中のおカミだそうだ。  「歌は世につれ、世は歌につれ」ながら時代の歌は現実の人の心の飢………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年09月04日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 社会 ノンフィクション・評伝

FBI美術捜査官―奪われた名画を追え [著]ロバート・K・ウィットマン、ジョン・シフマン

FBI美術捜査官―奪われた名画を追え [著]ロバート・K・ウィットマン、ジョン・シフマン

■大芝居打ち、逮捕より作品奪還  これが映画や小説ではない現実に起きた話だけに面白い。現実も捨てたものではない。なんて呑気(のんき)なことを言っているが、本書は歴史上類を見ない名画窃盗事件の火中に飛び込んだFBI美術犯………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年08月21日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

演出についての覚え書き―舞台に生命を吹き込むために [著]フランク・ハウザー、ラッセル・ライシ

演出についての覚え書き―舞台に生命を吹き込むために [著]フランク・ハウザー、ラッセル・ライシ

 本書は巷(ちまた)に溢(あふ)れている「ことば」本、例えばニーチェ、ゲーテ、ブッダ、菜根譚などの賢者の箴言(しんげん)集や教典本とはひと味違う、演出家が後輩や同業の演出家に遺(のこ)した演出術の助言集である。  著者フ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年07月31日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

五・七・五交遊録 [著]和田誠

五・七・五交遊録 [著]和田誠

■人物寸評、俳句と似顔絵通じ合う  本書の題名「五・七・五」を「575」と読むんだから僕はよほど俳句に疎いといえよう。50年のつき合いの和田誠に俳句の趣味があったなんて全く知らなかった(これは本当)。と言うと「贈本した………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年07月03日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

この世の涯てまで、よろしく [著]フレドゥン・キアンプール

この世の涯てまで、よろしく [著]フレドゥン・キアンプール

■なぜ50年後に生き返ったのか  50年前に死んだことを自覚した若者が2日前に突然蘇(よみがえ)ってカフェでコーヒーをすすっているこんな非現実的な現実からこの物語は始まる。  本来なら彼は特定の人間にしか認識されない幽………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年06月19日
[ジャンル]文芸

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