諸富徹(京都大学教授・経済学)の書評

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諸富徹 (京都大学教授・経済学)
もろとみ・とおる。1968年大阪府生まれ。環境税や政策課税の問題などを研究。著書に『環境税の理論と実際』(国際公共経済学会賞、日本地方財政学会佐藤賞など)『地域再生の新戦略』(日本公共政策学会著作賞)『私たちはなぜ税金を納めるのか 租税の経済思想史』など。

ファーム・コミットメント——信頼できる株式会社をつくる [著]コリン・メイヤー

ファーム・コミットメント——信頼できる株式会社をつくる [著]コリン・メイヤー

■儲けるために存在するのでなく  「株式会社は誰のために、そして何のために存在するのか」という古典的な問いに対する現在の通説的な回答は、「株式会社は株主のために存在し、その価値最大化を目的とする」というものだ。株主に最………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2014年09月07日
[ジャンル]経済

戦後日本公害史論 [著]宮本憲一

戦後日本公害史論 [著]宮本憲一

■下からつくられた日本の環境政策  公害研究の第一人者の手による決定版がついに出版された。今後、本書を繙(ひもと)くことなしに公害を語ることはできなくなるだろう。冒頭で著者は、高度経済成長を成し遂げた日本人の成果とまっ………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2014年08月24日
[ジャンル]科学・生物

100%再生可能へ!——ドイツの市民エネルギー企業 [著]村上敦池・田憲昭・滝川薫

100%再生可能へ!——ドイツの市民エネルギー企業 [著]村上敦池・田憲昭・滝川薫

■「無数の小さな主体」が変革担う  ドイツでは、2013年に総電力消費量のうち、太陽光や風力などの再生可能エネルギー比率が何と、25%を超えた。これは、日本がモデルとした再エネ固定価格買い取り制度が顕著な成功を収めた証………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2014年08月17日
[ジャンル]科学・生物

戦後河川行政とダム開発 [著]梶原健嗣

戦後河川行政とダム開発 [著]梶原健嗣

■建設の論理を突き崩す労作  本書は、民主党政権下で「脱ダム」の象徴となった八ツ場ダムと利根川水系を中心に、膨大な資料の検証を通じて、戦後日本の河川行政の根底的な批判を試みた労作である。  本書の醍醐味(だいごみ)は、………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2014年08月03日
[ジャンル]経済

協同組合は「未来の創造者」になれるか [編]中川雄一郎・JC総研

協同組合は「未来の創造者」になれるか [編]中川雄一郎・JC総研

■社会的課題くみ上げるために  経済を動かす主体は、株式会社だけではない。農協、漁協、森林組合、生協、信金などの協同組合は、地域再生、環境、エネルギー、食料、就労など、社会的課題の解決に向けて、ますます重要な役割が期待………[もっと読む]

[評者]ビジネス
[掲載]2014年07月06日
[ジャンル]経済

アメリカ医療制度の政治史 [著]山岸敬和

アメリカ医療制度の政治史 [著]山岸敬和

■なぜ公的保険制度ができないか  オバマ政権が2010年に、米国にとって初の国民皆保険制度を創設したのは画期的だ。だがそれは、日本のような公的保険制度ではない。米国社会に深く根づいた民間保険制度を前提とし、個人にその加………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2014年06月01日
[ジャンル]社会

身の丈の経済論―ガンディー思想とその系譜 [著]石井一也

身の丈の経済論―ガンディー思想とその系譜 [著]石井一也

■21世紀を展望する思想的源泉  本書は、インド独立の父ガンディーによる経済思想の解明を通じて現代文明の再考を迫る、問題提起の書である。  ガンディーの経済思想は、近代化、工業化への根底的な批判と特徴づけられる。彼は、………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2014年05月18日
[ジャンル]経済

地球温暖化論争―標的にされたホッケースティック曲線 [著]マイケル・E・マン

地球温暖化論争―標的にされたホッケースティック曲線 [著]マイケル・E・マン

■産業界との「戦争」、科学者の告発の書  本書は、「クライメートゲート事件」に巻き込まれた気候学者により、憤りをもって書かれた告発の書である。著者は、ペンシルベニア州立大学気象学教授で、IPCC(気候変動に関する政府間………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2014年05月11日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 科学・生物

教育を家族だけに任せない―大学進学保障を保育の無償化から [著]大岡頼光

教育を家族だけに任せない―大学進学保障を保育の無償化から [著]大岡頼光

■興味深い奨学金めぐる論争  知識社会化で大卒の労働者の重要性が増している。加えて少子高齢化が進む日本では、貧富に関わらず、幅広い層の若者に大学進学の機会を保障する必要がある。ところが、日本の財政支出は年金など高齢者に………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2014年04月27日
[ジャンル]教育 人文

「問い」としての公害―環境社会学者・飯島伸子の思索 [著]友澤悠季

「問い」としての公害―環境社会学者・飯島伸子の思索 [著]友澤悠季

■人間の苦しみ和らげる学問  学校教育の社会科で誰もが習う「公害」問題。戦後高度成長の裏側で激甚な公害問題が起き、多くの人々が被害で苦しんだ。しかし今やこれは「克服」され、地球環境問題の時代に移ったとされる。しかし本当………[もっと読む]

[評者]諸富徹(京都大学教授・経済学)
[掲載]2014年04月06日
[ジャンル]政治 社会

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