横尾忠則(美術家)の書評

写真:横尾忠則さん

横尾忠則 (美術家)
よこお・ただのり。1936年兵庫県生まれ。60年代からグラフィックデザイナーとして活躍、80年に画家に転向。画集に『赤の魔笛』『横尾忠則Y字路』『人工庭園』、随想や絵画論に『インドへ』『名画感応術』、対談集に『芸術ウソつかない』、小説に『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)など。

アベベ・ビキラ―「裸足の哲人」の栄光と悲劇の生涯 [著]ティム・ジューダ

アベベ・ビキラ―「裸足の哲人」の栄光と悲劇の生涯 [著]ティム・ジューダ

■いまなお鮮烈、東京五輪の記憶  東京オリンピックのマラソンで優勝したアベベは日本人の記憶に今なお焼きついている。そして彼の人生が栄光と悲劇で幕を閉じたことも。本書はそんなアベベのコーチを買ってでたスウェーデン人トレー………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年10月09日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

アート・スピリット [著]ロバート・ヘンライ

アート・スピリット [著]ロバート・ヘンライ

■人生と芸術の奥義明かす講義録  以前この欄でサルバドール・ダリの偏執狂的絵画指南書を紹介したことがあるが、本書はエドワード・ホッパー、マン・レイ、スチュアート・デイヴィス、ノーマン・ロックウェルらアメリカの巨匠を愛弟………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年09月18日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

絵筆のナショナリズム―フジタと大観の〈戦争〉 [著]柴崎信三

絵筆のナショナリズム―フジタと大観の〈戦争〉 [著]柴崎信三

■2人の戦争画家、二つの人生  戦争画を描いた画家は何人もいたが、本書で槍玉(やりだま)に挙げられるのはその代表格藤田嗣治と横山大観だ。藤田の「国際派」に対して大観の「国粋派」。大同小異だが対比の分析が実に痛快(小同大………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年09月11日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

昭和の流行歌物語―佐藤千夜子から笠置シズ子、美空ひばりへ [著]塩澤実信

昭和の流行歌物語―佐藤千夜子から笠置シズ子、美空ひばりへ [著]塩澤実信

■誰もわからないヒットの条件  好みからいうと「流行歌」というより「歌謡曲」かな? でも、「流行歌」を「歌謡曲」に言い換えたのは戦時中のおカミだそうだ。  「歌は世につれ、世は歌につれ」ながら時代の歌は現実の人の心の飢………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年09月04日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 社会 ノンフィクション・評伝

FBI美術捜査官―奪われた名画を追え [著]ロバート・K・ウィットマン、ジョン・シフマン

FBI美術捜査官―奪われた名画を追え [著]ロバート・K・ウィットマン、ジョン・シフマン

■大芝居打ち、逮捕より作品奪還  これが映画や小説ではない現実に起きた話だけに面白い。現実も捨てたものではない。なんて呑気(のんき)なことを言っているが、本書は歴史上類を見ない名画窃盗事件の火中に飛び込んだFBI美術犯………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年08月21日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

演出についての覚え書き―舞台に生命を吹き込むために [著]フランク・ハウザー、ラッセル・ライシ

演出についての覚え書き―舞台に生命を吹き込むために [著]フランク・ハウザー、ラッセル・ライシ

 本書は巷(ちまた)に溢(あふ)れている「ことば」本、例えばニーチェ、ゲーテ、ブッダ、菜根譚などの賢者の箴言(しんげん)集や教典本とはひと味違う、演出家が後輩や同業の演出家に遺(のこ)した演出術の助言集である。  著者フ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年07月31日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

五・七・五交遊録 [著]和田誠

五・七・五交遊録 [著]和田誠

■人物寸評、俳句と似顔絵通じ合う  本書の題名「五・七・五」を「575」と読むんだから僕はよほど俳句に疎いといえよう。50年のつき合いの和田誠に俳句の趣味があったなんて全く知らなかった(これは本当)。と言うと「贈本した………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年07月03日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

この世の涯てまで、よろしく [著]フレドゥン・キアンプール

この世の涯てまで、よろしく [著]フレドゥン・キアンプール

■なぜ50年後に生き返ったのか  50年前に死んだことを自覚した若者が2日前に突然蘇(よみがえ)ってカフェでコーヒーをすすっているこんな非現実的な現実からこの物語は始まる。  本来なら彼は特定の人間にしか認識されない幽………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年06月19日
[ジャンル]文芸

もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら [著]工藤美代子

もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら [著]工藤美代子

■現代の怪異、戸惑いつつ語り部に  冒頭、「この世のルールを勝手に無視した妄想の世界」を語る「うさん臭い」人種に拒否反応する著者なのだが、本書を読み進めるうちに、ただの日常の一断片が彼女の妄想によって次第に立体化し始め………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年06月05日
[ジャンル]文芸

瞬間を生きる哲学―〈今ここ〉に佇む技法 [著]古東哲明

瞬間を生きる哲学―〈今ここ〉に佇む技法 [著]古東哲明

■時間を超える生、芸術創造もまた  1960年代のヒッピームーブメントはすでに終息を迎えていたがバークレイにはまだその遺産の残り火がチカチカしていた70年代の初頭に、カリフォルニア大学内を仕事場に1カ月余りこの地に滞在………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年05月29日
[ジャンル]人文

ふかいことをおもしろく―創作の原点 [著]井上ひさし

ふかいことをおもしろく―創作の原点 [著]井上ひさし

■井上文学の核心「笑いは外から」  「ほかの子とは違う」とか「神童」「秀才」と呼ばれたが結局「凡人」だと思うようになったと言っても、蔵書20万冊、一日の読書量30冊は凡人とはいえまい。「本は人類がたどりついた最高の装置………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年05月22日
[ジャンル]文芸

野球にときめいて―王貞治、半生を語る [著]王貞治

野球にときめいて―王貞治、半生を語る [著]王貞治

■人生の節目でいつも不思議な力  「人生の節目ではいつも不思議な力が僕を導いてくれた」という王貞治。王さんの野球人生には「野球の神様」がついていないと考える方が不思議なくらい。次々と重なる偶然が王さんのエネルギーによっ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年05月01日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ジョルジョ・モランディ―人と芸術 [著]岡田温司

ジョルジョ・モランディ―人と芸術 [著]岡田温司

■変化する「反復」、静謐の背後に…  美術史に埋没しかかっていたイタリアの一都市「ボローニャの画家」を20世紀の二大巨匠ピカソとデュシャンの横並びに位置づけて論じようとする著者の3冊目のモランディ論である。僕が初めて見………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年04月24日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 新書

猫の散歩道 [著]保坂和志

猫の散歩道 [著]保坂和志

■風景が与える答え、小説の秘密  猫に対する著者の感情移入と一体化は感動的でさえある。自分の家の猫でもない野良の親子の不透明な生活に一喜一憂する保坂さん。道で目と目が合っただけの子猫の一夜の運命を案じ、帰宅しても心ここ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年04月17日
[ジャンル]文芸

バルテュス、自身を語る [著]バルテュス

バルテュス、自身を語る [著]バルテュス

■神秘と謎の画家「唯一の回顧録」  寡黙で寡作で、孤独と絵画とモーツァルトとロッシニエールの館と神を愛した20世紀最後の画家バルテュスが重い口を開いて自身を語った「唯一の回顧録」である。  私の中でバルテュスは、長い間………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年03月27日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

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