横尾忠則(美術家)の書評

写真:横尾忠則さん

横尾忠則 (美術家)
よこお・ただのり。1936年兵庫県生まれ。60年代からグラフィックデザイナーとして活躍、80年に画家に転向。画集に『赤の魔笛』『横尾忠則Y字路』『人工庭園』、随想や絵画論に『インドへ』『名画感応術』、対談集に『芸術ウソつかない』、小説に『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)など。

FBI美術捜査官―奪われた名画を追え [著]ロバート・K・ウィットマン、ジョン・シフマン

FBI美術捜査官―奪われた名画を追え [著]ロバート・K・ウィットマン、ジョン・シフマン

■大芝居打ち、逮捕より作品奪還  これが映画や小説ではない現実に起きた話だけに面白い。現実も捨てたものではない。なんて呑気(のんき)なことを言っているが、本書は歴史上類を見ない名画窃盗事件の火中に飛び込んだFBI美術犯………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年08月21日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

演出についての覚え書き―舞台に生命を吹き込むために [著]フランク・ハウザー、ラッセル・ライシ

演出についての覚え書き―舞台に生命を吹き込むために [著]フランク・ハウザー、ラッセル・ライシ

 本書は巷(ちまた)に溢(あふ)れている「ことば」本、例えばニーチェ、ゲーテ、ブッダ、菜根譚などの賢者の箴言(しんげん)集や教典本とはひと味違う、演出家が後輩や同業の演出家に遺(のこ)した演出術の助言集である。  著者フ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年07月31日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

五・七・五交遊録 [著]和田誠

五・七・五交遊録 [著]和田誠

■人物寸評、俳句と似顔絵通じ合う  本書の題名「五・七・五」を「575」と読むんだから僕はよほど俳句に疎いといえよう。50年のつき合いの和田誠に俳句の趣味があったなんて全く知らなかった(これは本当)。と言うと「贈本した………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年07月03日
[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

この世の涯てまで、よろしく [著]フレドゥン・キアンプール

この世の涯てまで、よろしく [著]フレドゥン・キアンプール

■なぜ50年後に生き返ったのか  50年前に死んだことを自覚した若者が2日前に突然蘇(よみがえ)ってカフェでコーヒーをすすっているこんな非現実的な現実からこの物語は始まる。  本来なら彼は特定の人間にしか認識されない幽………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年06月19日
[ジャンル]文芸

もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら [著]工藤美代子

もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら [著]工藤美代子

■現代の怪異、戸惑いつつ語り部に  冒頭、「この世のルールを勝手に無視した妄想の世界」を語る「うさん臭い」人種に拒否反応する著者なのだが、本書を読み進めるうちに、ただの日常の一断片が彼女の妄想によって次第に立体化し始め………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年06月05日
[ジャンル]文芸

瞬間を生きる哲学―〈今ここ〉に佇む技法 [著]古東哲明

瞬間を生きる哲学―〈今ここ〉に佇む技法 [著]古東哲明

■時間を超える生、芸術創造もまた  1960年代のヒッピームーブメントはすでに終息を迎えていたがバークレイにはまだその遺産の残り火がチカチカしていた70年代の初頭に、カリフォルニア大学内を仕事場に1カ月余りこの地に滞在………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年05月29日
[ジャンル]人文

ふかいことをおもしろく―創作の原点 [著]井上ひさし

ふかいことをおもしろく―創作の原点 [著]井上ひさし

■井上文学の核心「笑いは外から」  「ほかの子とは違う」とか「神童」「秀才」と呼ばれたが結局「凡人」だと思うようになったと言っても、蔵書20万冊、一日の読書量30冊は凡人とはいえまい。「本は人類がたどりついた最高の装置………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年05月22日
[ジャンル]文芸

野球にときめいて―王貞治、半生を語る [著]王貞治

野球にときめいて―王貞治、半生を語る [著]王貞治

■人生の節目でいつも不思議な力  「人生の節目ではいつも不思議な力が僕を導いてくれた」という王貞治。王さんの野球人生には「野球の神様」がついていないと考える方が不思議なくらい。次々と重なる偶然が王さんのエネルギーによっ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年05月01日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ジョルジョ・モランディ―人と芸術 [著]岡田温司

ジョルジョ・モランディ―人と芸術 [著]岡田温司

■変化する「反復」、静謐の背後に…  美術史に埋没しかかっていたイタリアの一都市「ボローニャの画家」を20世紀の二大巨匠ピカソとデュシャンの横並びに位置づけて論じようとする著者の3冊目のモランディ論である。僕が初めて見………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年04月24日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 新書

猫の散歩道 [著]保坂和志

猫の散歩道 [著]保坂和志

■風景が与える答え、小説の秘密  猫に対する著者の感情移入と一体化は感動的でさえある。自分の家の猫でもない野良の親子の不透明な生活に一喜一憂する保坂さん。道で目と目が合っただけの子猫の一夜の運命を案じ、帰宅しても心ここ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年04月17日
[ジャンル]文芸

バルテュス、自身を語る [著]バルテュス

バルテュス、自身を語る [著]バルテュス

■神秘と謎の画家「唯一の回顧録」  寡黙で寡作で、孤独と絵画とモーツァルトとロッシニエールの館と神を愛した20世紀最後の画家バルテュスが重い口を開いて自身を語った「唯一の回顧録」である。  私の中でバルテュスは、長い間………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年03月27日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

ジョゼフ・コーネル―箱の中のユートピア [著]デボラ・ソロモン

ジョゼフ・コーネル―箱の中のユートピア [著]デボラ・ソロモン

■成功が苦悩だった禁欲の人生  日頃から伝記を愛読する僕が伝記を読み耽(ふけ)るジョゼフ・コーネルの伝記を読んだ。芸術家の伝記が面白いのは、周囲の人間たちが魅了されるあまり人生が壊されていくからだと著者は嘯(うそぶ)く………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年03月20日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

迷える者の禅修行―ドイツ人住職が見た日本仏教 [著]ネルケ無方

迷える者の禅修行―ドイツ人住職が見た日本仏教 [著]ネルケ無方

■試練また試練、運命の先には  世の中には物好きというか命知らずの運命に挑戦する勇気ある人間がいるものだ。16歳で仏縁に出会い発心したドイツ人の若者が西洋の価値観と真反対の日本の禅寺に、道元禅師よろしく海を越え正法を求………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年02月27日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

駆けぬける現代美術 1990—2010 [著]田中三蔵

駆けぬける現代美術 1990—2010 [著]田中三蔵

■濁流に身を投げながら水先案内  現代美術とは?と問われて何と答えよう。現代の時代の美術を指すといっても多様化した時代の多様化した表現は一方向を向いていない。そんなえたいの知れない現代美術を相手に美術記者としての健脚が………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年02月13日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

1秒24コマの美―黒澤明・小津安二郎・溝口健二 [著]古賀重樹

1秒24コマの美―黒澤明・小津安二郎・溝口健二 [著]古賀重樹

■巨匠の映画、核心にある「絵画」  世界の映画史に栄光の名を刻んだ黒澤明、小津安二郎、溝口健二の3監督の作品の骨格を形成する絵画感覚に注目したジャーナリストの著者が、その卓越した美術知識を武器に、クロスオーバー的視線で………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年01月23日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

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