保阪正康(ノンフィクション作家)の書評

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保阪正康 (ノンフィクション作家)
ほさか・まさやす。1939年北海道生まれ。ジャーナリスト。著書に『東條英機と天皇の時代』『陸軍省軍務局と日米開戦』『安楽死と尊厳死』『医療崩壊』『官僚亡国―軍部と霞が関エリート、失敗の本質』など。主宰する「昭和史を語り継ぐ会」の会誌「昭和史講座」で菊池寛賞。

戦艦ポチョムキンの生涯―1900-1925 [著]寺畔彦

戦艦ポチョムキンの生涯―1900-1925 [著]寺畔彦

■数奇な運命辿った戦艦の素顔  最終頁(ページ)を閉じたあとに、なるほどこういう視点のこんな記述の書があるのか、とのつぶやきが洩(も)れる書である。  「戦艦ポチョムキン」を語りつつエイゼンシュタイン論、あるいは社会主………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年08月18日
[ジャンル]文芸

戦場の軍法会議―日本兵はなぜ処刑されたのか [著]NHK取材班、北博昭

戦場の軍法会議―日本兵はなぜ処刑されたのか [著]NHK取材班、北博昭

■形骸化していた「法の正義」  昭和史、とくに太平洋戦争の内実を継承するのに、NHKのディレクターの果たす役割は大きい。これまでも中田整一、片島紀男らは資料発掘や新視点などを提示してきたし、定年退局後も幾つかの関連の著………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年08月04日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

トロツキー(上・下) [著]ロバート・サーヴィス

トロツキー(上・下) [著]ロバート・サーヴィス

■革命と共に変貌、複雑な性格描く  トロツキーを20世紀の革命史にどのように位置づけるか、本書はそれを試みた書だが、著者はイギリスのロシア史専攻の歴史学者。これまでに『レーニン』『スターリン』を著し、本書で3部作が完成………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年07月14日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

フィリピンBC級戦犯裁判 [著]永井均

フィリピンBC級戦犯裁判 [著]永井均

■裁かれた日本軍、克明に調査  フィリピンでの戦争裁判に関する先行研究はほとんどない。本書にはその嚆矢(こうし)としての自負が凝縮されている。  太平洋戦争下、日本軍は3年余にわたってフィリピンを占領支配したが、その実………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年06月09日
[ジャンル]歴史

「八月の砲声」を聞いた日本人―第一次世界大戦と植村尚清「ドイツ幽閉記」 [著]奈良岡聰智

「八月の砲声」を聞いた日本人―第一次世界大戦と植村尚清「ドイツ幽閉記」 [著]奈良岡聰智

■知られざる国家総力戦の実態  1914年7月の第1次世界大戦勃発時、ドイツには約600人の日本人(留学生が多い)が滞在していたと推測される。当初、日本は味方と目されていたが、やがて日英同盟の関係で日本も参戦しドイツに………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年06月02日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

正直シグナル 非言語コミュニケーションの科学 [著]アレックス(サンディ)・ペントランド

正直シグナル 非言語コミュニケーションの科学 [著]アレックス(サンディ)・ペントランド

■無意識の行動に表れる意図  本書を読み進むうちに、この書のテーマを意味する表現に何度か出会う。「人間の集団を、言語によって結びついた、個々の知性の集まりとして見ることから、太古のシグナリング・メカニズムによって結びつ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年05月26日
[ジャンル]科学・生物

日本における新聞連載子ども漫画の戦前史 [著]徐園

日本における新聞連載子ども漫画の戦前史 [著]徐園

■ヒトコマから読む社会の動態  著者(中国人研究者)は本書の狙いをこの表題を歴史に「刻む」ことと書く。子ども漫画史から日本社会の動態を問い直すとの姿勢だ。  タテ軸(歴史)とヨコ軸(時代)を明確にするために、明治からの………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年05月12日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能

ろくでなしのロシア―プーチンとロシア正教 [著]中村逸郎

ろくでなしのロシア―プーチンとロシア正教 [著]中村逸郎

■結託して神聖さを醸成する  著者は、ロシア現代政治を専門とする研究者だが、しばしばモスクワに滞在して、この国の現実を見ている。ロシア人がつくる社会システムの非効率、独善性など、当のロシア人自身があきれ怒りだすのだが、………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年04月28日
[ジャンル]国際

明治神宮―「伝統」を創った大プロジェクト [著]今泉宜子

明治神宮―「伝統」を創った大プロジェクト [著]今泉宜子

■造営に挑んだ無数の庶民の姿  明治神宮造営運動は、明治天皇逝去の2日後から始まったという。渋沢栄一関係の事業年表には、「御陵墓ヲ東京ニ御治定ニナルヤウ当局ニ陳情スルコトヲ協議ス」とあり、渋沢本人と娘婿で東京市長の阪谷………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年04月14日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ステーキを下町で [著]平松洋子 [画]谷口ジロー

ステーキを下町で [著]平松洋子 [画]谷口ジロー

■思い出も重ねる「食する旅」  著者の文体にはリズムがある。北海道から沖縄までの「食する旅」のメニューにふれながら、読む側も食後感を味わうのは、まさにこのリズムのせいだ。鹿児島で「黒しゃぶ」の「じわ、じわ、しっかりとう………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年04月07日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

戦後変格派・山田風太郎―敗戦・科学・神・幽霊 [著]谷口基

戦後変格派・山田風太郎―敗戦・科学・神・幽霊 [著]谷口基

■「戦中派」の原罪意識を見抜く  山田風太郎は多面体の貌(かお)を持つ作家だ。推理、SF、時代、科学、怪談、信仰の分野の小説を書くし、時代を透視する評論なども書き残している。その多面体の貌をひとつひとつ丁寧に解説、分析………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年03月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

カウントダウン・メルトダウン上・下 [著]船橋洋一

カウントダウン・メルトダウン上・下 [著]船橋洋一

■日本的システムの崩壊克明に  3・11時の東京電力福島第一原子力発電所の事故は、いつの日か当事者がどのように行動したのか、明確に記録されるべきであった。それは次代への誠実な申し送りともいえた。本書はその役を担った書で………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年03月10日
[ジャンル]科学・生物

三種の神器―〈玉・鏡・剣〉が示す天皇の起源 [著]戸矢学

三種の神器―〈玉・鏡・剣〉が示す天皇の起源 [著]戸矢学

■「日本文化の根源」独自に分析  「三種の神器」について詳しく知る人は多くない。本書は、八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)、草薙剣(くさなぎのつるぎ)の三種は、「日本文化の根源に存在する」との理解………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年03月03日
[ジャンル]歴史

革命の季節―パレスチナの戦場から [著]重信房子/オウム事件 17年目の告白 [著]上祐史浩

革命の季節―パレスチナの戦場から [著]重信房子/オウム事件 17年目の告白 [著]上祐史浩

■空虚さ漂う自省、歴史の歪み続く  1960年代後半から70年代にかけての学生運動、80年代から90年代の宗教活動。その二つの世代の異様に特化した組織の幹部執筆の書、それが相次いで刊行された。学生運動の尖端(せんたん)………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年02月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

戦時下のベルリン―空襲と窮乏の生活1939—45 [著]ロジャー・ムーアハウス

戦時下のベルリン―空襲と窮乏の生活1939—45 [著]ロジャー・ムーアハウス

■史料と証言で描く首都の恐怖  第2次世界大戦の期間、ナチス体制のもとでベルリン市民はどのような感情を持ち、いかなる生活を送っていたのか。1968年生まれの英国人著述家が長年の取材と未公刊の回想録・日記を駆使してまとめ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年02月03日
[ジャンル]歴史

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