保阪正康(ノンフィクション作家)の書評

写真:保阪正康さん

保阪正康 (ノンフィクション作家)
1939年北海道生まれ。ジャーナリスト。著書に『東條英機と天皇の時代』『陸軍省軍務局と日米開戦』『安楽死と尊厳死』『医療崩壊』『官僚亡国―軍部と霞が関エリート、失敗の本質』など。主宰する「昭和史を語り継ぐ会」の会誌「昭和史講座」で菊池寛賞。

正直シグナル 非言語コミュニケーションの科学 [著]アレックス(サンディ)・ペントランド

正直シグナル 非言語コミュニケーションの科学 [著]アレックス(サンディ)・ペントランド

■無意識の行動に表れる意図  本書を読み進むうちに、この書のテーマを意味する表現に何度か出会う。「人間の集団を、言語によって結びついた、個々の知性の集まりとして見ることから、太古のシグナリング・メカニズムによって結びつ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年05月26日
[ジャンル]科学・生物

日本における新聞連載子ども漫画の戦前史 [著]徐園

日本における新聞連載子ども漫画の戦前史 [著]徐園

■ヒトコマから読む社会の動態  著者(中国人研究者)は本書の狙いをこの表題を歴史に「刻む」ことと書く。子ども漫画史から日本社会の動態を問い直すとの姿勢だ。  タテ軸(歴史)とヨコ軸(時代)を明確にするために、明治からの………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年05月12日
[ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能

ろくでなしのロシア―プーチンとロシア正教 [著]中村逸郎

ろくでなしのロシア―プーチンとロシア正教 [著]中村逸郎

■結託して神聖さを醸成する  著者は、ロシア現代政治を専門とする研究者だが、しばしばモスクワに滞在して、この国の現実を見ている。ロシア人がつくる社会システムの非効率、独善性など、当のロシア人自身があきれ怒りだすのだが、………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年04月28日
[ジャンル]国際

明治神宮―「伝統」を創った大プロジェクト [著]今泉宜子

明治神宮―「伝統」を創った大プロジェクト [著]今泉宜子

■造営に挑んだ無数の庶民の姿  明治神宮造営運動は、明治天皇逝去の2日後から始まったという。渋沢栄一関係の事業年表には、「御陵墓ヲ東京ニ御治定ニナルヤウ当局ニ陳情スルコトヲ協議ス」とあり、渋沢本人と娘婿で東京市長の阪谷………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年04月14日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ステーキを下町で [著]平松洋子 [画]谷口ジロー

ステーキを下町で [著]平松洋子 [画]谷口ジロー

■思い出も重ねる「食する旅」  著者の文体にはリズムがある。北海道から沖縄までの「食する旅」のメニューにふれながら、読む側も食後感を味わうのは、まさにこのリズムのせいだ。鹿児島で「黒しゃぶ」の「じわ、じわ、しっかりとう………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年04月07日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

戦後変格派・山田風太郎―敗戦・科学・神・幽霊 [著]谷口基

戦後変格派・山田風太郎―敗戦・科学・神・幽霊 [著]谷口基

■「戦中派」の原罪意識を見抜く  山田風太郎は多面体の貌(かお)を持つ作家だ。推理、SF、時代、科学、怪談、信仰の分野の小説を書くし、時代を透視する評論なども書き残している。その多面体の貌をひとつひとつ丁寧に解説、分析………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年03月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

カウントダウン・メルトダウン上・下 [著]船橋洋一

カウントダウン・メルトダウン上・下 [著]船橋洋一

■日本的システムの崩壊克明に  3・11時の東京電力福島第一原子力発電所の事故は、いつの日か当事者がどのように行動したのか、明確に記録されるべきであった。それは次代への誠実な申し送りともいえた。本書はその役を担った書で………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年03月10日
[ジャンル]科学・生物

三種の神器―〈玉・鏡・剣〉が示す天皇の起源 [著]戸矢学

三種の神器―〈玉・鏡・剣〉が示す天皇の起源 [著]戸矢学

■「日本文化の根源」独自に分析  「三種の神器」について詳しく知る人は多くない。本書は、八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)、草薙剣(くさなぎのつるぎ)の三種は、「日本文化の根源に存在する」との理解………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年03月03日
[ジャンル]歴史

革命の季節―パレスチナの戦場から [著]重信房子/オウム事件 17年目の告白 [著]上祐史浩

革命の季節―パレスチナの戦場から [著]重信房子/オウム事件 17年目の告白 [著]上祐史浩

■空虚さ漂う自省、歴史の歪み続く  1960年代後半から70年代にかけての学生運動、80年代から90年代の宗教活動。その二つの世代の異様に特化した組織の幹部執筆の書、それが相次いで刊行された。学生運動の尖端(せんたん)………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年02月17日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

戦時下のベルリン―空襲と窮乏の生活1939—45 [著]ロジャー・ムーアハウス

戦時下のベルリン―空襲と窮乏の生活1939—45 [著]ロジャー・ムーアハウス

■史料と証言で描く首都の恐怖  第2次世界大戦の期間、ナチス体制のもとでベルリン市民はどのような感情を持ち、いかなる生活を送っていたのか。1968年生まれの英国人著述家が長年の取材と未公刊の回想録・日記を駆使してまとめ………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年02月03日
[ジャンル]歴史

世界の中の柳田国男 [編]R・A・モース、赤坂憲雄

世界の中の柳田国男 [編]R・A・モース、赤坂憲雄

■外からの目で見る多様な実像  編者のR・A・モースらは、柳田国男を「知の巨人の一人」と評する。その存在と学問研究は単に日本だけの遺産ではなく、世界的な意味を持つというのが本書の訴えである。11人の外国人研究者、2人の………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年01月27日
[ジャンル]人文

世界正義論 [著]井上達夫

世界正義論 [著]井上達夫

■「国境を越える正義」を探究  第1章第1節の冒頭の「世界正義論とは、国境を越えて妥当する正義の探究である」という一言が、この書のすべてを語っている。法哲学の研究者として、この正義の探究は「五つの問題系」を整理すること………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2013年01月13日
[ジャンル]人文

領土問題をどう解決するか 対立から対話へ [著]和田春樹

領土問題をどう解決するか 対立から対話へ [著]和田春樹

■交渉を軸に相手の主張も聞く  著者が本書で企図したことは3点に絞られる。現状の三つの領土問題(北方四島、竹島、尖閣諸島)解決には外交交渉を主軸に相互が軍事力を使わぬこと、領土に関するそれぞれの国との関係文書を改めて精………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年12月09日
[ジャンル]政治 新書 国際

共産主義の興亡 [著]アーチー・ブラウン

共産主義の興亡 [著]アーチー・ブラウン

■20世紀の凄絶な失敗の墓碑銘  共産主義体制を擬人化すると受胎期から誕生、成長、そして死までの歩みを丹念に描いた墓碑銘、それが本書である。20世紀の壮大な実験の報告書ともいえようか。英国の政治学者の書ゆえか、記述の細………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年11月18日
[ジャンル]政治

夕鶴の家‐父と私/桔梗の風‐天涯からの歌/飛花落葉‐季を旅して [著]辺見じゅん

夕鶴の家‐父と私/桔梗の風‐天涯からの歌/飛花落葉‐季を旅して [著]辺見じゅん

■自ら生きた昭和、澄んだ目で直視  歌人、作家、民俗学徒、それに出版社経営など多彩な顔を持っていた辺見じゅんさんが逝ってから1年余が過ぎた。同年生まれで世代体験も共有しているためか、私もなんどか対談を行った。そのような………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年11月04日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

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