横尾忠則(美術家)の書評

写真:横尾忠則さん

横尾忠則 (美術家)
よこお・ただのり。1936年兵庫県生まれ。60年代からグラフィックデザイナーとして活躍、80年に画家に転向。画集に『赤の魔笛』『横尾忠則Y字路』『人工庭園』、随想や絵画論に『インドへ』『名画感応術』、対談集に『芸術ウソつかない』、小説に『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)など。

梅棹忠夫、語る [著]梅棹忠夫 [聞き手]小山修三 

梅棹忠夫、語る [著]梅棹忠夫 [聞き手]小山修三 

■自前の目と足で、思想も「遊び」  生前、今西錦司さんと対談した際、「あんたは学者と違うさかいに今日は遺言のつもりで何でもしゃべるでえ」と言って今西弁の放談が始まったが、本書を読みながら梅棹さんと今西さんがダブってなら………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年10月31日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

右手と頭脳 [著]ペーター・シュプリンガー 

右手と頭脳 [著]ペーター・シュプリンガー 

■手首切断された兵士の自画像とは  この書物の主題はドイツ表現主義の中心的存在であるキルヒナーの「兵士としての自画像」だが、この作品にギョッとするのは、兵士に扮したキルヒナーの手首から先が切断され緑色に変色した右手を軍………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年09月26日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

フェリーニ 映画と人生 [著]トゥッリオ・ケジチ 

フェリーニ 映画と人生 [著]トゥッリオ・ケジチ 

■現実に風穴、そして船は行く  この大冊から抜け出した時、長い長い夢から覚めやらぬままいきなり白昼の大通りに放り出された時のとまどいに似た感覚に襲われながら、〈一体、私とは何者なのだ〉とつぶやくフェリーニの声を耳にした………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年09月12日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

セラフィーヌ [著]フランソワーズ・クロアレク 

セラフィーヌ [著]フランソワーズ・クロアレク 

■神の啓示、芸術の天才と狂気  6歳で孤児になったセラフィーヌ(素人歌手スーザン・ボイルに似ている)は修道院で家政婦をする田舎女だが、ある日聖母から「お前は絵を描かなければならない」と啓示を受け、天上の存在との交信が開………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年08月22日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 医学・福祉

反アート入門 [著]椹木野衣 

反アート入門 [著]椹木野衣 

■難解さなく、示唆に富む  その昔、60年代に反芸術というアバンギャルドに接した者にとっては今日の「反アート」とどう違うんだと比較する時、芸術の本質はいつの時代にも現在の否定の上に立って明日をどう切り開いていくのかとい………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年08月01日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

原節子 あるがままに生きて [著]貴田庄

原節子 あるがままに生きて [著]貴田庄

■光と美と活力をくれた大輪の花  今回は書評というより感想文です。原節子の「美」は僕の中ではグレタ・ガルボを凌(しの)いでいますね。彼女を撮ったどの監督も彼女の比類ない美しさを認めています。関係ないけど、僕は自作の美的………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年07月18日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

西洋中世奇譚集成 聖パトリックの煉獄 [著]修道士マルクス/修道士ヘンリクス

西洋中世奇譚集成 聖パトリックの煉獄 [著]修道士マルクス/修道士ヘンリクス

■死の壁の向こう側との交信  一時、臨死体験者の記録を集めた本やテレビが流行(はや)った時期があったが、その大半は死の壁を前にして引き返してきた話ばかりで壁の向こう側の境域に足を踏み入れた者の証言はエマニエル・スウェデ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年07月11日
[ジャンル]歴史 医学・福祉

矛盾だらけの禅ー悟りを求めるアメリカ人作家の冒険 [著]ローレンス・シャインバーグ

矛盾だらけの禅ー悟りを求めるアメリカ人作家の冒険 [著]ローレンス・シャインバーグ

■戒められ冷たくされてもなお続く  西洋人が東洋の神秘に憧(あこが)れ始めた60年代、日本人だと見ると禅問答をふっかけてくるアメリカの知識人は多かった。そのことが仏縁になって僕は禅寺に1年間参禅することになった。  「………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年06月20日
[ジャンル]人文

俵屋宗達ー琳派の祖の真実 [著]古田亮 

俵屋宗達ー琳派の祖の真実 [著]古田亮 

■「ダンス」「ジャズ」のマチスと比較  「宗達は琳派ではない!」と本書の帯が言い放った。この一言が本書を手にした動機だった。僕が商業(グラフィック)デザイナーであった20代、宗達は琳派の一派とされながら、同派の光琳の威………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年06月06日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

運命のボタン [著]リチャード・マシスン

運命のボタン [著]リチャード・マシスン

■死の13階段のよう、恐怖と快感  「横尾さんならどう書評するのか、興味がありますね」  「リチャード・マシスンってどんな作家なんですか?」  「まあ、ホラー文学ですね」  本書は、3月まで書評委員として席を並べた作家………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年05月23日
[ジャンル]文芸

完本 ジャコメッティ手帖 1 [著]矢内原伊作

完本 ジャコメッティ手帖 1 [著]矢内原伊作

■鬼気迫る創造の現場  マルデTwitterノヨウナメモ的ナ日記ヲ片仮名ト仏語デ語ル哲学者矢内原(以下Y)ハAlberto Giacomettiノモデルヲ5度ノ渡仏ヲ通シテ務メタ。ソノ間ニ交ワシタ二人ノ緊迫シタ芸術論カ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年05月09日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

とらわれない言葉 [編]アンディ・ウォーホル美術財団

とらわれない言葉 [編]アンディ・ウォーホル美術財団

■矛盾の塊「すべてウソ」語録  「私を知りたきゃ私の絵の表面を見ればいい、裏には何もない」。アンディ・ウォーホルの有名な言葉だ。つべこべ理屈をこく前に、包み隠さず自分の全(すべ)てを吐き出した絵を見てくれと言わんばかり………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年04月25日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

散歩の昆虫記 [著]奥本大三郎

散歩の昆虫記 [著]奥本大三郎

■人間と虫、分けて考えたらアカン  市井のド真ん中で天下国家を論じるのもええけど、奥本はんに同行して足元の草葉の陰で生存に命をかけている別の生命体の生活を覗(のぞ)いてみまへんか。  奥本はんは人間の好き嫌いは前世の因………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年04月18日
[ジャンル]文芸 科学・生物

失われた天才―忘れ去られた孤高の音楽家の生涯 [著]ケヴィン・バザーナ

失われた天才―忘れ去られた孤高の音楽家の生涯 [著]ケヴィン・バザーナ

■誰にも似ていなかったからこそ  時代が天才を渇望しているのか、近頃「天才」を表題に付した本が目につく。私もこの欄で2冊紹介した。なぜか天才には人を熱狂させる魔力が潜む。  『失われた天才』のニレジハージは、予想不可能………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年03月14日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

 ダリ・私の50の秘伝―画家を志す者よ、ただ絵を描きたまえ! [著]サルヴァドール・ダリ

 ダリ・私の50の秘伝―画家を志す者よ、ただ絵を描きたまえ! [著]サルヴァドール・ダリ

 信じられないことだが、ダリが画家の卵を対象に、1947年に技法書を書いていた。長らく絶版だったらしいが、今頃になって日本語でお目見えした。どうせダリのことだ。まともな技法書など書くはずがない。ところが中身は例によって………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年02月28日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

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