横尾忠則(美術家)の書評

写真:横尾忠則さん

横尾忠則 (美術家)
よこお・ただのり。1936年兵庫県生まれ。60年代からグラフィックデザイナーとして活躍、80年に画家に転向。画集に『赤の魔笛』『横尾忠則Y字路』『人工庭園』、随想や絵画論に『インドへ』『名画感応術』、対談集に『芸術ウソつかない』、小説に『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)など。

矛盾だらけの禅ー悟りを求めるアメリカ人作家の冒険 [著]ローレンス・シャインバーグ

矛盾だらけの禅ー悟りを求めるアメリカ人作家の冒険 [著]ローレンス・シャインバーグ

■戒められ冷たくされてもなお続く  西洋人が東洋の神秘に憧(あこが)れ始めた60年代、日本人だと見ると禅問答をふっかけてくるアメリカの知識人は多かった。そのことが仏縁になって僕は禅寺に1年間参禅することになった。  「………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年06月20日
[ジャンル]人文

俵屋宗達ー琳派の祖の真実 [著]古田亮 

俵屋宗達ー琳派の祖の真実 [著]古田亮 

■「ダンス」「ジャズ」のマチスと比較  「宗達は琳派ではない!」と本書の帯が言い放った。この一言が本書を手にした動機だった。僕が商業(グラフィック)デザイナーであった20代、宗達は琳派の一派とされながら、同派の光琳の威………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年06月06日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

運命のボタン [著]リチャード・マシスン

運命のボタン [著]リチャード・マシスン

■死の13階段のよう、恐怖と快感  「横尾さんならどう書評するのか、興味がありますね」  「リチャード・マシスンってどんな作家なんですか?」  「まあ、ホラー文学ですね」  本書は、3月まで書評委員として席を並べた作家………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年05月23日
[ジャンル]文芸

完本 ジャコメッティ手帖 1 [著]矢内原伊作

完本 ジャコメッティ手帖 1 [著]矢内原伊作

■鬼気迫る創造の現場  マルデTwitterノヨウナメモ的ナ日記ヲ片仮名ト仏語デ語ル哲学者矢内原(以下Y)ハAlberto Giacomettiノモデルヲ5度ノ渡仏ヲ通シテ務メタ。ソノ間ニ交ワシタ二人ノ緊迫シタ芸術論カ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年05月09日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

とらわれない言葉 [編]アンディ・ウォーホル美術財団

とらわれない言葉 [編]アンディ・ウォーホル美術財団

■矛盾の塊「すべてウソ」語録  「私を知りたきゃ私の絵の表面を見ればいい、裏には何もない」。アンディ・ウォーホルの有名な言葉だ。つべこべ理屈をこく前に、包み隠さず自分の全(すべ)てを吐き出した絵を見てくれと言わんばかり………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年04月25日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

散歩の昆虫記 [著]奥本大三郎

散歩の昆虫記 [著]奥本大三郎

■人間と虫、分けて考えたらアカン  市井のド真ん中で天下国家を論じるのもええけど、奥本はんに同行して足元の草葉の陰で生存に命をかけている別の生命体の生活を覗(のぞ)いてみまへんか。  奥本はんは人間の好き嫌いは前世の因………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年04月18日
[ジャンル]文芸 科学・生物

失われた天才―忘れ去られた孤高の音楽家の生涯 [著]ケヴィン・バザーナ

失われた天才―忘れ去られた孤高の音楽家の生涯 [著]ケヴィン・バザーナ

■誰にも似ていなかったからこそ  時代が天才を渇望しているのか、近頃「天才」を表題に付した本が目につく。私もこの欄で2冊紹介した。なぜか天才には人を熱狂させる魔力が潜む。  『失われた天才』のニレジハージは、予想不可能………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年03月14日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

 ダリ・私の50の秘伝―画家を志す者よ、ただ絵を描きたまえ! [著]サルヴァドール・ダリ

 ダリ・私の50の秘伝―画家を志す者よ、ただ絵を描きたまえ! [著]サルヴァドール・ダリ

 信じられないことだが、ダリが画家の卵を対象に、1947年に技法書を書いていた。長らく絶版だったらしいが、今頃になって日本語でお目見えした。どうせダリのことだ。まともな技法書など書くはずがない。ところが中身は例によって………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年02月28日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

柳宗悦を支えて―声楽と民藝の母・柳兼子の生涯 [著]小池静子

柳宗悦を支えて―声楽と民藝の母・柳兼子の生涯 [著]小池静子

■夫支え音楽に生きる鬼気迫る姿  本書は民芸運動にその生涯を捧(ささ)げた哲学者であり美学者の柳宗悦の妻、兼子の激動の一生を綴(つづ)った評伝である。著者小池静子氏は声楽家の兼子に師事。師弟ゆえに語られた数々の内密のエ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年01月31日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

天才の秘密―アスペルガー症候群と芸術的独創性 [著]マイケル・フィッツジェラルド

天才の秘密―アスペルガー症候群と芸術的独創性 [著]マイケル・フィッツジェラルド

■純真・不器用…資質が共通  我こそは天才なりと自認、もしくは密(ひそ)かに天才性を誇る芸術家には、この本は自分のことを書いているという妄想を呼ぶ。この思いこみがすでに軽度の自閉症、アスペルガー症候群の人である証拠とも………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年01月17日
[ジャンル]人文 医学・福祉

芸術か人生か!―レンブラントの場合 [著]ツヴェタン・トドロフ

芸術か人生か!―レンブラントの場合 [著]ツヴェタン・トドロフ

■私的な世界を排し普遍性を開く  レンブラントの作品をすべて色と形だけで解明することはできない。そう考える多くの評者は、その背後にある彼の思考に光を当てようと試みてきた。  ピカソと同様、レンブラントの大量の自画像にそ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2010年01月10日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

わがままこそ最高の美徳 [著]ヘルマン・ヘッセ、[編]フォルカー・ミヒェルス

わがままこそ最高の美徳 [著]ヘルマン・ヘッセ、[編]フォルカー・ミヒェルス

■内部の声に従い宿命を生き抜く  一般的に「わがまま」といえば、相手や周囲の者の意に反して自分の思い通りにならなければ気が済まないという、実にはた迷惑な行動をする自分勝手な人間を指す場合が多い。だけど同じ「わがまま」で………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2009年12月06日
[ジャンル]文芸

醜の歴史 [編著]ウンベルト・エーコ 

醜の歴史 [編著]ウンベルト・エーコ 

■悪魔の想像力か、醜は美を生む力  どのページでもいい、めくってごらん。きっとあなたは「オエーッ」と言いたくなる図像が目に刺さってきて、次の瞬間「やべぇ」と思い、音を立てて本を閉じるだろう。  この本は、博覧強記で知ら………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2009年11月22日
[ジャンル]歴史 人文 アート・ファッション・芸能

フリードリヒへの旅 [著]小笠原洋子 

フリードリヒへの旅 [著]小笠原洋子 

■絵に宿る精神を追う「巡礼の書」  フリードリヒはドイツ・ロマン派の画家である。10年ほど前に、著者は彼の「樫(かし)の森の修道院」という作品の存在を初めて知った。この絵に衝撃を受けた著者は何かに取り憑(つ)かれたよう………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2009年11月15日
[ジャンル]人文 アート・ファッション・芸能

46年目の光-視力を取り戻した男の奇跡の人生 [著]ロバート・カーソン

46年目の光-視力を取り戻した男の奇跡の人生 [著]ロバート・カーソン

■手術後に見た世界は驚異の連続  3歳で失明した男が46歳を過ぎて視力を回復したらどうなるか? 視力を得て初めて見る世界は驚異の連続だ。この男マイク・メイは盲目時代に何ひとつ不自由なく、幸せな人生を生きていたので、特に………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2009年11月01日
[ジャンル]科学・生物 医学・福祉 ノンフィクション・評伝

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