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新書の穴

ヒラリーとライス アメリカを動かす女たちの素顔 [著]岸本裕紀子

[掲載]週刊朝日2007年01月19日号
[評者]青木るえか

■ヒラリー好きであることを再確認した

 アメリカの、マイノリティーで保守のエリート、という人は本当にコワイ。キチンとスーツなんか着て、髪はびしっとセットし、常に微笑みを絶やさず、まったく隙がなく、しかしイラクを攻撃して家にはライフル完備……と、最後の部分はこちらの偏見が入っているが(アメリカの保守というと私は「全米ライフル協会」が最初に頭に浮かぶのである)、とにかく、非の打ち所のないというか、「こういうふうにしていれば学校の先生やうるさい大人にもホメられるのであろう」という生き方を貫くその精神力が怖ろしい。

 だから今、私がいちばんコワイのがコンドリーザ・ライス。

 黒人で女で国務長官で共和党ですよ。私が会ったとしても(会ってくれないと思うけど)、完璧な接客をしてくれるだろう。その後、誕生日にカードとか毎年送ってくれそうである。ああコワイ。

 そんなライス国務長官が、思ったほどコワくなかったらいいな、と思って手に取りました『ヒラリーとライス』。読んでますますライスさんがコワイです。思ってたほどの超タカ派じゃないということはわかったが、何しろ完璧ですよ、経歴から何から。おまけにそばにいる人は「絶世の美女」とまで讃えてるらしいし。まあ、マイノリティーがのし上がるにはこうでもなきゃダメだ、ってのはすごくよくわかりました。しかしマイノリティーがこうまでしなくてもふつうに上がれる世の中にならなきゃいけないんじゃないのか、とも思うわけですが……。

 で、一緒に語られているヒラリー・クリントン。私はこれ読んで初めて知った。ヒラリーは外国語ができないんですって。あ、いや、私の英語なんかよりはヒラリーのフランス語のほうがデキてそうだけど、語学は苦手だそうで、おまけにおっちょこちょいに起因するような失言も多い。打たれ弱いとこもある(で、またよく打たれるんだ)。

 絵に描いたように対照的なこのアメリカ女性二人。私はヒラリー好きであることを再確認しました。

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