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新書の穴

ネコを撮る [著]岩合光昭

[掲載]週刊朝日2007年04月13日増大号
[評者]青木るえか

■ゆきずりの猫と交流持てるのは人柄?

 猫を飼っている人ならば「なぜ猫の写真はうまく撮れないんだ!」と地団駄踏むことがあるだろう。カメラ目線の写真を撮ろうとすればあさってを向かれ、アンニュイな横顔を撮ろうとすれば必ずこっちをむいてレンズに鼻をくっつけてくる。うまく撮れた!と思っても、できた写真を見てみると、やけに鼻の穴が強調されたようなブス写真に撮れていたりして(これは黒猫写真を撮った時に顕著な症状である)、まともな写真が撮れたためしがない。自分ちの猫などたいしたもんではないということはわかっているが、もうちょっとマシな写真が撮りたい。

 という「猫写真失敗の日々」の人々にとって福音たりえるか『ネコを撮る』。なんせ著者はあの“猫撮り名人”の岩合さんですよ!

 ということで興味津々に手に取ったこの本。ちょっと想像したものとは違っていた。もっと撮影のハウツーに特化した(いかにも新書らしい)本かと思っていたが、どうもこの本を読んでも「猫を撮ることがうまくなる」とは思えず、岩合さんはたいしたもんだ〜、と感心して「私にはムリだな」と諦めがつく、という本だった。

 とにかく、写真の技術というよりも、いかに猫とつき合うか、というところがキモであるようだ、猫撮影においては。それはわかってるんだけど、10何年とエサをくれてやってる飼い猫とすらうまくつき合えないのに、そのへんを歩いてるゆきずりの猫となんて、血の通った交流はムリだ、ほぼ。しかし岩合さんは、あんまりうまいことできません、というようなことをいいつつ、なぜかゆきずりの猫と、淡く美しい交流を持ててしまうのである。やはり人柄というものなんでしょうか。人間相手のカメラマンでたまにゴーマンな人がいますが、岩合さんの人物写真というのも見てみたくなった(撮っておられないわけないんだが猫と犬の写真しか見たことがないのです。申し訳ない)。

 まず、自分ちにいるバカ猫と、きちんと交流してみようと思った。応えてくれるとも思えないが……。

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