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ここから本文エリア 特集 〈どくしょ応援団夏休み特集〉読んであげれば自然に覚える 伊藤比呂美さん[掲載]2007年07月19日 ■耳から入る 言葉の力 話す、読む、書く。成長とともに子どもは言葉のいろいろな機能を身につけてゆくが、その途上で登場するのが、文字、数字を覚える「あいうえお」や「123」の絵本だ。数あるなかから、おすすめをご紹介しよう。まずは文字の世界を感じてもらうこと。早く分からせようは、ゼッタイ禁物。楽しく読んであげることが大事とか。
「楽しく読んであげる」は、小学校でも力を発揮する。朝の教室の盛り上がりも、ご紹介しよう。 〈読み聞かせにオススメ〉 ○ ○ ○ こどもと言葉って、考えたらとても不思議というか、面白いですよね。 うちは一番上の子が小さいとき、「食べた」というときに「ばった」と言っていたんです。しかも活用までさせるから、大人も面白がって「カノコ語」なんて言っていました。 2番目は単語の最初に「ん」をつけたんです。アフリカの言葉みたいでしょう。語尾には必ず「て」をつけるし。父親のことは「おーちゃん」。大人がつきあって「おーちゃん」なんて言っていましたが、ある日突然、「おとうさん」に。赤ん坊語を卒業して、普通の言葉をしゃべるようになりました。「ああ、面白い言葉が終わっちゃう」って、すごく残念でした。子育てすると、誰もが出合うことですけれどね。 3人目は、アメリカで育ったから、「だっこ・ミー・プリシ」なんて言っていました。「プリシ」って、「プリーズ」なんです。車は「ブブカー」。1歳半くらいのころは、水気のものはすべて「ジュース」。初めて海を見たときも、しみじみと眺めてから「ジュース!」って。でも、3歳くらいで、いろんなことが整理されて、普通にしゃべれるようになる。 この子には「あいうえお」を教えるために、カルタというか、ドリルのようなものを私が作りました。紙の右上に「ま」と大きく書いて、その下に私の似顔を描いて、□□。正解は「まま」ですね。果物を描いて、「□んごー」とか。そういうのをやらせました。 アメリカで育てたからこういうことをしましたが、日本で育った上の2人は、字は自然に覚えました。絵本はとにかくたくさん読んでやっていましたから、いつの間にか「字」の意味を理解して、一人で絵本を開いているうちに、覚えました。 たくさん本を読んでやったのは、自分が母親に読んでもらってよかったという記憶があるからです。はっきり本の名前を覚えているのは、井伏鱒二訳の「ドリトル先生シリーズ」だけですけれど。 読みきかせって、子どもにはとても大きいことだと思うんです。だから「あいうえお」の本にしても、文字を覚えさせるためというより、「あいうえお」を素材にして、ことばというもののきもちよさを体験させてあげるんだ、そういうふうに考えて読んであげればいいんじゃないですか。下の子の父親はイギリス人なので、子どもに英語で「マザーグース」を読んでやっていました。英語圏はやっぱり「マザーグース」なんですね。 ただ、仕事なんか持っていたら特にそうだけれど、寝かしつけるころは、本当に疲れているでしょう。それでも読むには、お母さんが好きな本じゃなければ読めない。子どものためになる、とかではなく、お母さんが好きな本を選ぶ。それがいいんだと思います。(談)
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