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〈戦争を読む、見る、伝える〉2 絵本「かわいそうなぞう」 [作]土家由岐雄、[絵]武部本一郎

[掲載]2007年08月16日

■涙で読み進められず

 戦争末期、東京・上野の動物園では、空襲でオリが壊れ動物たちが街で暴れることを恐れて、次々と殺されていった。3頭のゾウはえさや水をもらおうと必死に芸をするが、ついに餓死してしまう。実話をもとにした物語。

      ◇

 埼玉県川越市の主婦山下誠子さん(59)は、今34歳の長男が小学1年生のとき、夏休みの読書感想文を書くため、図書館で借りた。当時、三つ年下の次男と2人に、毎晩、本を読んで聞かせるのが日課だった。

 この本は読んでいると、山下さん自身が涙ぐんでしまい先へ進めなくなってしまった。「何度か読みましたが、ゾウが飼育係に芸を見せて、えさを求めるところでは、私が胸がいっぱいになってしまって」。子どもたちも目をうるませながら聞いていたという。

 3年前に86歳で亡くなった父は、戦争のことは話したがらず、晩年には「戦争で人を殺してしまった」と叫んだこともあった。心に負った傷の深さを思った。

 「戦争を直接知らなくても、私たちの世代が、そのむごさを伝えていかなければ」。山下さんはほかにも何冊か、子どもの成長にあわせて戦争に関する本を読み聞かせてきた。「でもこの本が一番記憶に残っています」と語る。

〈戦争を伝える私の一作〉火垂るの墓ひめゆりちいちゃんのかげおくり雨にも負けて風にも負けて

〈戦争を読む、見る、伝える〉ガラスのうさぎかわいそうなぞうはだしのゲンビルマの竪琴

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