ここから本文エリア

RSS

現在位置:asahi.com>BOOK>特集> 記事

特集

〈戦争を伝える私の一作〉3 絵本「ちいちゃんのかげおくり」 [作]あまんきみこ、[絵]上野紀子

[掲載]2007年08月15日

■紙芝居公演に子ら涙

 死んだ人の姿は出てこない。残酷な場面もない。ただ、空襲で家族とはぐれた「ちいちゃん」が、焼け跡で母の帰りを待ちながら死んでしまう姿が淡々と描かれる。

 「それだけに、よけいに心に残る作品です」と横浜市栄区の原和子さん(56)。ボランティア活動で知り合った大泉ひろ子さん(51)と「かみしばいアンサンブルよこはま」を98年に作り、公演活動を続ける。「かげおくり」は主な演目のひとつだ。著者らに許可を得て、今年7月までに計277回上演。1万9280人が見た。

 紙芝居の絵は大泉さんが担当。原さんはキーボードで音響を受け持つ。空襲などの効果音は、被災経験のあるお年寄りに確認しながら電子音で再現し、曲も作った。作品は小学生の教科書に載っており、小学校で上演することが多い。来年は日系移民らのためブラジル公演も予定している。

 「ゲームでは平気で人を殺し、リセットで生き返らせる子どもたちが、公演では効果音におびえ、ストーリーに涙を流す。戦争を知らない私たちが、戦争を知らない子どもたちに伝えることは難しいですが、この作品を通じて、子どもたちが一生、戦争を嫌いになってくれればと願いながら、活動を続けています」と原さんは話す。

〈戦争を伝える私の一作〉火垂るの墓ひめゆりちいちゃんのかげおくり雨にも負けて風にも負けて

〈戦争を読む、見る、伝える〉ガラスのうさぎかわいそうなぞうはだしのゲンビルマの竪琴

ここから広告です

広告終わり

このページのトップに戻る