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特集

働くを考える:若者が働きやすい社会のあり方とは(2)

2007年11月26日

本田由紀さんインタビュー   

■正社員になれても決してハッピーではない

――新卒採用は今、売り手市場だといわれていますが、せっかく難関を突破して正社員になれたのに、2〜3年で辞めてしまう若者が増えているという問題もあるようです。

 新卒採用で一番問題なのが、企業の採用基準が不明確な点です。どの企業もコミュニケーション能力や仕事への意欲など、いわゆる「人間力」のようなものを重視しており、採用の決め手は面接です。でも面接重視の採用は、恣意(しい)性や差別が入りやすい。なぜ内定がとれないのか、理由がはっきりしていないので対策の立てようもない。

 また今、企業の学生への要求水準は非常に高く、面接でも仕事への高い意識が求められます。そこで学生は必死で業界研究や企業分析をし、会社に入ったらこういう仕事をしようと高い意識をもって入社します。でもいざ入社して自分が携わる仕事は、期待していたほどレベルの高いものではなかったり、希望とは異なる職種だったりする。優秀で意識の高かった学生ほどやる気をなくしたり、新たな天地を求めて辞めてしまう。今後、このようなかたちで入社後に辞めていく若者はますます増えるでしょう。

――「石の上にも三年」という言葉もありますが、企業には「最近の若者は辛抱が足りない」と映るのでは……。

 それは若いうちに苦労をすれば会社が右肩上がりで成長し、自分も出世でき、それなりのポストが用意されていた時代だからこそ言えたこと。そういうことを言う年長者は、本当は右肩あがりの時代に企業に守られて生きてこられただけなのに、自分の根性で生き抜いてきたような幻想をもっているんです(苦笑)。今の若者には、右肩上がりや年功序列の恩恵は期待できません。それなのに、求められることは右肩上がりの時代とは比べものにならないくらい厳しい。若者には、自分たちのような厳しい選抜を受けずに入社し、昇進し、高い給料をもらっている年長社員を養うために、低賃金で働かされているように思えてしまう。サービス残業や過労死が問題になっているように、今、正社員の労働環境もどんどん過酷になっています。正社員だからといって、決してハッピーだとはいえない状況があります。

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