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「アイドルをイジメるのは誰でも楽しいと思いますよ」 カン・ジファン

朝日新聞出版

2011年07月26日

写真:Kang Ji Hwan(カン・ジファン)、篠塚ようこ撮影 拡大Kang Ji Hwan(カン・ジファン)、篠塚ようこ撮影 

表紙画像 出版社:朝日新聞出版 価格:¥ 1,500

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 彼を初めて意識したのは、映画「映画は映画だ」だった。役に入り込み過ぎた映画スターは、共演者を次々病院送りにしてしまう。徹底的に役を追い求める姿は、俳優カン・ジファン自身とも重なる。2010年に出演したテレビドラマ「コーヒーハウス」は軽妙なラブコメディー。ジファン演じる超売れっ子で神経質な作家がアシスタント兼秘書を鍛えるのだが、かなり意地が悪い。その時に見せるニカッというイヤミな笑みが、たまらなく好きだった。

 「秘書役はアイドルグループ『ティアラ』のメンバー、ハム・ウンジョン。ドラマでもない限り、アイドルの女の子をいじめるなんてできないじゃないですか。だから、あの笑顔はつい出てしまったんですよ。台本に『ここで笑う』と指示がなくても本当に楽しくて、自然とね。アイドルをイジメるのは誰でも楽しいと思いますよ」

 優しい顔でシレッとそんなことを言う。「アクションもスリラーもラブコメも特に区分けや差別化はしていない」と言うが、「ラブコメを演じるときはいつもの自然な感じで、リラックスして撮れる」のもまた、事実だという。10年末から日本で公開された映画「7級公務員」もラブコメだった。こちらはマヌケな国家情報院要員役。

 「『映画は映画だ』では、初めて主演俳優として映画のカメラの前に立ち続けるという経験をさせていただいてとっても緊張したんです。新人賞をたくさんいただくなど、結果はよかったんですが、僕の中では少し残念というか、『もっとなにかできたのに』という気持ちが残ってしまったんですね。だから、『7級公務員』のイ・ジェジュンというキャラクターを見た時に、『これだったら、僕らしく自然にやれるんじゃないか』と引き受けました」

 芸能活動をスタートさせたのは意外に遅く、25、26歳の頃。大学ではグラフィックデザインを学んだ。

 「子どもの頃から演技をしたいと漠然と思っていましたが、僕は内気で親に演技の道に進みたいとは言えなかった。ご存じのように韓国には兵役があって、2年の間、いろんなことを学んで大人になります。軍隊生活が終わるとき、これから世の中に出て何をしようかと本当に悩むわけです。僕は21歳で入隊し23歳で除隊しました。除隊直前のある晩、歩哨として外に立っていたんですが、空を見上げたら星が輝いていた。その星を見て、『あ、やっぱり演技で行こう』と。それまで漠然としていた思いがはっきりしたものになりました。僕の日本のファンクラブの名前が『KANGSTAR』。後付けしたわけではなく、たまたま『スター』がついていたんです。当時を思い出し、不思議な巡り合わせを感じました」

 彼は除隊後、大学に復学し、デザイン事務所で1年働いてから芸能活動をスタートさせた。ちなみに、「コーヒーハウス」でジファンが使った鉛筆立てや机、いすは彼のデザインだ。

 「洋服がピタッと合うと気持ちがいい。キャラクターづくりもそれと同じです。外から入ることも、ものすごく大事だと思う。だから僕は、衣装や髪形、役が使うひとつひとつの小物まできちんとそろえる。ドラマの中で起こることは日常生活の中で誰にでも起こりうる事柄が多い。僕は経験すべてが演技に反映されると思っています。また脚本を読んだ時に、そういう気持ちになれない人物をいくら演じようとしても無理です。逆に、僕が心から楽しいと思ったものは伝えられると思う。だから、僕にとって演技はまず脚本ありきです」

 多くの韓流スター同様、人生で大切にしているものは「家族」。他のスターと違ったのは、彼が「その次に僕を囲んでいる周辺の人たちです」と話を続けたことだ。

 「僕が仕事をするのは親や、これから結婚するだろう妻や子どものため。僕が描く未来や目標のためです。でも、僕一人の力では絶対にできない。失敗を補ってくれたり、助けてくれたり。いろんな人の力を借りる必要があります。僕はそういう人々といい関係を作りながら、ハッピーな人生を送っていきたい。特に彼ら(と、自身の若いスタッフを指す)をちゃんと結婚させてあげなくちゃいけない。僕が頑張ることで、家族のような彼らも幸せになると思うんです」

(フリーランス記者 坂口さゆり)

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