中国の反日デモに関する報道を見ていて、9・11テロのことを連想した。テロが起きたとき、アメリカ人は自分たちが世界で嫌われていることを理解できなかった。アメリカ人以外から見れば、彼らは嫌われて当然なのに。無論、ビルごと吹き飛ばされて当然だとは言わないけれども。それと同じように、日本人は中国人や韓国人から嫌われているんだろう。
もっとも、反日デモは日本の右派の人々を活気づけたようで、どこやらの知事なんか「北京オリンピックをボイコットせよ」とかなんとか、無教養丸出しのはしゃぎぶりだ。ああ、恥ずかしい。
莫邦富(モー・バンフ)の『日中はなぜわかり合えないのか』を読むと、反日デモは中国政府による官製デモでもなければ、反日教育の結果でもなく、もっと深刻な問題だとわかる。残念ながら、本当の原因は嫌日感情だという私の直感は当たっているらしい。著者は上海生まれの知日派ジャーナリストで、日本に活動の拠点を置いている。
なぜ日本と日本人は中国で嫌われるのか。小泉純一郎や石原慎太郎らの軽率な言動のためだけではない。もっと中国人の日常生活レベルで嫌われている。
象徴的な事例が二つ出てくる。一つは三菱自工がリコールをしなかった件。消費者団体やマスコミが騒ぎ、中国政府が禁輸措置を取るまで、三菱自工はなんの対応もしなかった。もう一つはトヨタの場合。クルマの名前に「横暴」を意味する「覇道」とつけ、なおかつ中国のシンボルである獅子に敬礼させるというCMを流して反発を食らった。少なくとも商品を買ってくれる客に対する態度ではない。嫌われて当たり前だ。
日本人は欧米人に対しては卑屈になるくせに、中国人をはじめアジア人の前では尊大だ。反日デモの矛先は、小泉や石原や日本製品だけでなく、こうした卑しい日本人の品性に向けられている。
これから20年、日中関係はよくならないだろう、と著者は予言する。中国とインドが栄え、日本はさらに没落する。