2005年06月07日11時13分のアサヒ・コム
		アサヒ・コムBOOKこのサイトの使い方へ検索へジャンプメインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

 » ベルリンの至宝展: 東京国立博物館で開催

  

 » 恐竜博2005: 東京・国立科学博物館で開催

メインメニューをとばして、本文エリアへ朝日新聞社からアスパラクラブクラブA&A携帯サービスWeb朝日新聞サイトマップWebUD情報

天気住まい就職・転職BOOK健康愛車教育サイエンスデジタルトラベル囲碁将棋社説コラムショッピングbe

ここから本文エリア現在位置asahi.comトップ >  BOOK > ニュースな本記事

ニュースな本

反復 [著]アラン・ロブ=グリエ

[掲載]週刊朝日2005年6月10日増大号
[評者]永江朗

 五月十八日、平岡篤頼が亡くなった。フランス文学者で文芸評論家、自分でも小説を書いた。

 いま四十代、五十代の文学ファンにとって、平岡篤頼の名前は特別な響きがあるのではないか。平岡が翻訳したアラン・ロブ=グリエやマルグリット・デュラス、クロード・シモンの小説を読むことは、七〇年代の若者たちにとって、とてもかっこいいことだった。どれも難解でよくわからなかったが、よくわからない文章との格闘は、たんなるファッションではなく、とても大切なことに思えた。

 昨年の三月、ロブ=グリエの小説、『反復』が出た。新作である。それも、二十年ぶりの!もちろん翻訳は平岡篤頼。自分の昔のアルバムを見るような懐かしさを感じた。懐かしさなんていうとロブ=グリエと平岡に失礼なのだろうけど。でもそこには、いまどきの日本文学ではすっかりマイナーなものになってしまっている、かっこいい難解さがある。

 時代は第二次世界大戦のしばらく後。場所はベルリン。そこに一人のスパイが潜入する。歌舞伎町のコスプレ風俗店みたいなサービスをする少女だとか、その母親だとか、ホテルなのか病院なのかわからない家とか、いろんなイメージがどんどん記述される。哲学者キェルケゴールのイメージも。

 あいかわらずロブ=グリエの小説はわかりにくい。すごく難解だ。部分部分はわかる。でも、その部分と部分がうまくつながらない。そもそも、「私」というのが、同一の人物なのか、それとも出てくる場所によって違うのかがわからない。小説の中の「私」は常に同一で、できごとは時間の流れにそって記述される、というルールを疑ってかからないと、この小説は読めない。

 平岡は多くの新人作家を育て、文芸誌「早稲田文学」を公私共に支えた。平岡が亡くなる少し前、「早稲田文学」がフリーペーパーになると発表された。これもまた、文学のルールを少しはみ出す実験かもしれない。平岡篤頼の精神は生きている。



関連情報

    ここから広告です 広告終わり

    書籍詳細

    表紙画像

    反復

    • 著者: アラン ロブ=グリエ
    • 出版社: 白水社
    • ISBN: 4560047790
    • 価格: ¥ 2,730

    別ウインドウで開きますこの本を購入する ヘルプ

    powered by amazon.co.jp

    ニュースな本 一覧

     
    ここから検索メニュー

    検索 使い方

    検索メニュー終わり

    朝日新聞サービス

    ここから広告です
    広告終わり

    BOOK おすすめレビュー

    売れ筋ランキング 一覧

    涼宮ハルヒの分裂

    BOOK サイトマップ



    powered by amazon.co.jp
    ▲このページのトップに戻る

    asahi.comトップ社会スポーツビジネス暮らし政治国際文化・芸能ENGLISHマイタウン

    ニュースの詳細は朝日新聞紙面で。» インターネットで購読申し込み
    asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
    | 朝日新聞社から | サイトポリシー | 個人情報 | 著作権 | リンク| 広告掲載 | お問い合わせ・ヘルプ |
    Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.