国立国語研究所「外来語」委員会が、外来語の言い換え提案を発表した。「トラウマ」は「心の傷」とか、「アミューズメント」は「娯楽」とか、「ハイブリッド」は「複合型」というふうに。私の仕事はフリーランスのライターであるが、これからは自由契約ライターと言い換える?
外来語の濫用はやめたほうがいいよ、というのはよくわかる。でも提案された言い換えはほとんど漢語ばっかり。もっと和語っぽい言い換えはできないのか。「アミューズメント」は「遊び」とか、「ハイブリッド」は「合わせ」とか。「フリーランス」は「お気楽」?
それはさておき、外来語の濫用も問題だけど、和製英語もどうかと思う。英語のようで英語じゃないから、英和辞典を引いても意味がわからない。もちろん外国人には通じない。
スティーブン・ウォルシュの『恥ずかしい和製英語』は、在日英国人による和製英語についての本である。「妄想を呼ぶ誤解」「微妙な違い」など5つの章に分かれている。たとえばテレビ討論などの「パネラー」という言葉から英国人が想像するのは、ヘルメットに作業着姿の人だという。「パネラー」とは車の車体を修理したり、家の外装材の取り付けや修理をする人のことだから。正しくはpanelist(パネリスト)である。
「ペアルック」は「洋梨体型」だし、「スキンシップ」は「皮の船」、「ターミナルホテル」は「最終ホテル」を意味するという。
いかにも英国風のウィットとユーモア、じゃなかった、機知と滑稽さは、いささか滑り気味ではあるし、見下したような雰囲気もないではないが、しかし、「見下されてもしょうがないか」という気持ちになるのも事実である。たとえば「マンション」は「邸宅」の意味だが、じゃあ、「ワンルームマンション」って何だろう。
もっとも、そう目くじらを立てることもないか。漢語にも中国伝来ではない和製漢語があるように、和製英語も英語ふうの日本語だと思えばいいんだから。