厚生労働省の調査によると、40歳から74歳の男性の約半数が、内臓脂肪症候群の疑いが強いか、その予備群だという。女性は5人に1人。該当者は全国で1960万人にのぼるとか。
内臓脂肪症候群、あるいはメタボリックシンドローム。内臓に脂肪がつくお腹ぽっこり型肥満、リンゴ型肥満のことだ。内臓脂肪症になると、ホルモン分泌のバランスが崩れて、糖尿病や心筋梗塞、脳卒中など生活習慣病になりやすくなるらしい。
「脅かすなよ」とは思ったけれども、こういう報道はビビる。生活習慣病は怖い。以前、糖尿病について取材したとき、これが原因で視覚障害者になる人が年間3000人と聞いて青くなった。
栗原毅『内臓脂肪は命の危険信号』は、この症候群について分かりやすく解説した健康本である。著者は東京女子医大の教授でクリニックの所長。
日本内科学会が作った診断基準によると、ヘソの位置でのウエストまわりが、男性85センチ以上、女性90センチ以上が症候群の第一条件。これに高脂血症、高血圧、高血糖のうち2つか3つがあてはまると内臓脂肪症候群だ。この本の帯は切ってつなぐと簡易メジャーになる。
内臓に脂肪がつくのは、運動不足だから。幸い、内臓の脂肪はつきやすいけど落としやすいそうだ。わざわざジムに通ったり、ランニングをしたりというキツいことをしなくても、スクワットやダンベル体操程度でなくせるらしい。食生活にも気を配らないとだめだけど。ただし、サプリメントを勧めているところは、ちょっとどうかなあ?
厚労省の発表を鵜呑みにしていいのか、という疑問もわく。衆院厚労委員会では、民主党の郡和子議員が異論を述べた。米国糖尿病協会と欧州糖尿病研究協会は「心血管疾患の危険指標として価値が疑わしい」という声明を出しているそうだ。そもそも、私のお腹の脂肪について、役人なんかに心配してもらいたくない。